
t.a.g 仲地さんの美容道
「あなたらしさって何ですか?」 この問いに、あなたはすぐ答えられますか?その人が得意とするテクニックを切り口に、美容師というお仕事をするうえで大切にしていることやポリシーを紐解き、自分らしさを磨くためのノウハウや考え方をお伺いします。 今回は、カラーに特化したヘアサロン『t.a.g』のオーナーである仲地龍太さんです。(この記事は2024年7月掲載時点の内容です) >> 動画はコチラ ー仲地さんが美容師を目指したきっかけは? 「きっかけは、高校生の時に担当してもらった美容師さんがかっこよかったっていうシンプルな理由です。その美容室に入店した時、荷物を預かってくれるというサービスが初めてだったので感動して。それで美容師になろうと思いました」 ー特殊な経歴をお持ちとお聞きしましたが…。 「そうなんです。実は左官業をしていたことがあります。あのコンクリートを滑らかにする建設業の…」 ーなかなかそんな過去をお持ちの美容師さんはいないですよね! 「高校生の時、大学に進学したかったんですが、兄弟が5人いるので経済的に難しくて。もちろん美容学校もダメ。それなら美容学校なら通信制があるので働きながら通えるなと思い、左官業をして働いてお金を貯め入学し、サロンに就職して働きながら学校へ通いました」 ー今回はダブルカラー+エンドカラーというデザイン性の高い施術を実際に披露していただきました。仲地さん的ポイントは? 「ブリーチですね。モデルさんがすでにブリーチ毛で、根元の方が黒くなっているのでまず先にレタッチ。体温の影響で地肌に近いところがすごい明るくなりやすいんですが、根元1cm、 2cm~3cm、3cm以降と段階的に明るくなりやすいので、それを計算しながら塗り分けていくのが、一番時間がかかるところでした」 ー仲地さんはインスタグラムでも「ハイライトの神」と自らを表現されていますが、今回のようなダブルカラーやハイトーンカラーが得意なのでしょうか? 「t.a.gはカラーに特化したヘアサロン。僕はハイライトを売りにしていて、他のスタッフもバレイヤージュやミルクティベージュ、ルーツカラー、派手髪などそれぞれの売りのテクニックを持っています」 ーそうなんですね!仲地さんがハイライトを売りにしたきっかけは何だったんでしょう? 「当時ハイライトが流行っていて、どこかの美容師さんが載せてるハイライトがすごい好きだったんです。それをできるようになりたいなって、職場のみんなで研究していたんです。僕自身はそこまでガチでやろうとは思ってなかったんですけど、スタッフがやってほしいですと言うので、じゃあちょっとやってみようと思ってやってみたら、できるようになったという感じです」 ースタッフのリクエストに応えてやりはじめたと。 「そうですね(笑)」 ーハイライトもそうですし、今回のようなハイトーンやデザインカラーの時に気をつけていることはありますか? 「まずはダメージを極力少なくすることです。ブリーチやカラーをする以上、ダメージは絶対あるんですが、それをいかに減らせるかです。そのためにケア剤も導入しますし、塗り分けが大切になってきます」 ー他には…? 「似合うか似合わないかを、必ずお伝えするようにしてます」 ーなるほど!似合わない時ははっきり言いますか? 「はっきりとは言わないです(笑)。僕はまずはお客さまがやりたいことを受け入れたいです。その上で、他の方の例をあげてリスクを提示したり別の提案をして、最終的に納得のいくゴールを見つけていきます。なのでカウンセリングは長い方だと1時間かけることもあります」 ーカウンセリングに1時間ですか!すごい。 「やりたいカラーを今の髪にするとどんなリスクがあるかということだったり。それに、ハイライトって人によると白髪みたいに見えてしまう場合もあるんです。なのでその人の友人関係やキャラクターを考慮したうえで、このカラーにしたらどう突っ込まれるか…なんてこともイメージしながら決めていきます。もちろん、その人が帰った後にできるスタイルになるようにしています」 ー仲地さんがカラースタイルを極めていく中で、ともに磨かれたスキルはあったりしますか? 「観察力ですかね…?お客さまの髪やファッションはもちろん、話していくとニュアンスでこれはやりたくないだろうなとか、いいですよって言ってるけど、そこに含まれているわだかまりがある感じを察するようになったというか」 ーずばり、仲地さんの美容師としてのポリシーって何でしょうか? 「ダサいこと。人間鈍臭いところがあってもいいって思うし、失敗したことを隠さず素直に伝えることが大事だと思います。カラーってなかなか思っているように出ないこともあるんです。その時に、『めっちゃいいです!』なんて言わないです。正直に伝えて、お直しも提案させていただきます」 ー落ち込んだりイラッとした時はどう乗り越えていますか? 「イラッとしたときの考え方があって。基本的に人を嫌いになるのは、自分が育ってきた環境で大切にしていることを侵されるからなんです。だから他人の考え方や育ってきた環境が違うと理解したら、自分がイラッとしているだけで、その人は悪くないんだと思えるようになるんです」 ーすばらしい考え方ですね!ちなみに、SNSはどのように活用していますか? 「SNSは信頼度UPのためです。今はスタイルをほぼ載せず、僕の考え方やどういうふうなプロセスでお客さまに寄り添っていくかというカウンセリングのしかたなど、スタイルをつくる上で大切にしていることを乗せるようにしています」 ーちなみにInstagramに載せてらっしゃるゴリライトというのは!? 「僕ゴリラって呼ばれてたので、自分がつくるコントラストがついた立体的なカラーのことをそう命名しました(笑)」 華やかなデザインカラーを作り出す仲地さん。話すととても気さくで、柔らかな人柄にギャップがある、美容師としても人としても魅力的な方でした。テクニカルなカラーの裏には、経験で培った成功術が隠されている。そんなことに気づかされました。 仲地龍太 t.a.g オーナー Instagram : @t.a.g_ryuta tiktok : @ryuta0610 経歴 : 高校卒業後、左官業をしながら資金を貯め、大阪美容専門学校(通信制)へ入学。同時に某サロンへ入社。スタイリストデビューしたのち別サロンを経て独立し、『t.a.g』を共同経営としてオープンさせる。 <SALON DATA> t.a.g/タグ HP : https://tag-osaka.com Instagram : @t.a.g_color_hair

MY RULE【KIPI 早瀬 忍さん】逆張りではじめたレイヤーを極めてわかったこと
自分らしさってなんだろう。多様性のこの時代をサバイブするための、個性の見つけ方やスキルの磨き方術を伺います。 今回は、KIPI代表の早瀬 忍さん。レイヤースタイルの代名詞であるウルフを、流行する前に推そうと決めたきっかけや、そこから今につながっていることを聞きました。(この記事は2024年7月掲載時点での内容です) ウルフを習得するまで重ねた努力はそこ知れず ―単刀直入に、早瀬さんといえばウルフカットというイメージがあるのですが、ご自身としてはいかがでしょうか? 「今はめちゃくちゃ推しているわけではないのですが…(笑)、ブームになる前からウルフカットに力をいれていたのは事実です。というのも数年前に切りっぱなしボブが大流行した時代があったんです。日本中の女の子がそのスタイル。正直つまらないなって思いました。そこで逆張りで、ウルフといったレイヤーカットの練習をはじめたんです」 ―つまり、誰もやってないということですよね。どのようにスタイルを勉強したんでしょうか? 「カットの基礎的なことは当時働いていたサロンで教わったんですが、いいなと思うスタイルは海外のモード誌やファッションショーなどを見て、どう再現するんだろうってウィッグで練習を重ねました。実は僕、すごく不器用なんです。なので、他の人の何倍も練習しましたね」 「直感よりも理論的思考タイプ。技術を身につけるには、頭の中でカットの展開図が引けるくらいまで練習をするしかなかったんです。ここまでやったおかげで、『毛先のここを軽くしているので、こう巻くといい』というようにお客さまに理論的な説明ができるようになりました」 ―たくさんの努力で技術をものにされたんですね。長い間練習を続けてこられたモチベーションはなんでしょうか? 「負けず嫌いなんです。むしろ、それしかないです。勉強してみてわかったんですが、レイヤーって、入ることで髪がとても扱いやすくなるんです。多毛も癖っ毛も、動かすだけでおしゃれに見える。レイヤーを入れた方が生活が豊かになる人は多いはず、だから絶対に技術をものにしたいと思いました」 早瀬さんのレイヤースタイルコレクション 経営者として目指すのは“技術のスペシャリスト集団” ―早瀬さんは現在、お店の代表をされていますよね。後輩へはどんな指導をされているんでしょうか? 「はじめのうちは、ひとつ得意なことを伸ばすための努力をしていこうねと伝えています。つまり、それぞれのスタッフが極めたスキルを持っている、そんな『技術のスペシャリスト集団』を目指しているんです」 ―誰かが極めた技術や上達のコツを他の方に教えていってというのができるから、全体のスキルアップが早そうです。早瀬さんが編み出されたレイヤーカットのコツなんかもスタッフの方に伝授されているんでしょうか? 「もちろんです!新人の子がやっても上手くできる確実なカットの仕方や僕なりのノウハウはあるんです。でもここでは秘密にさせてください(笑)。ハサミは、僕は早く切りたいので長いものをよく使いますね」 ―なるほど。最後にこれからの目標を教えてください。 「レイヤーカットを推さなくなった。わけではないのですが、メンズカットに一層力をいれていきたいと思っています。街で見かけて『おしゃれな子だな~』と思うのって、女の子がほとんどじゃないですか。それを変えたい、おしゃれな男の子のスタイルを提案していきたいです」 KIPI代表 早瀬 忍 関西美容専門学校を卒業後、東京・表参道のサロンに新卒入社。その後、フリーランスを経て2020年に「KIPI」を立ち上げ。現在は育児にも奮闘中! Instagram : @hayaseshinobu <SALON DATA> KIPI/キピ 大阪市北区豊崎3-14-5 Instagram : @kipi_official_osaka

つづける、ということ。~あの人の、辞めるのやめた話~ #01「Labyrinth」代表 西尾隆介さん【前編】
あなたは今の仕事を辞めたいと思ったことがありますか? それでも辞めなかったのはなぜですか? そんなシンプルな疑問を、さまざまな職業人にぶつけてみました。 今まさに辞めようかどうか迷っているすべての方へ。 あの人の辞めるのやめた話から、つづけることの意味が見えてくるかも。 #01は、ヘアサロン「Labyrinth」代表 西尾隆介さんのお話を、全3回(前編・中編・後編)にわたってお届けします。波乱万丈の若手~中堅時代を乗り越え、今改めて思うこと、これから目指すものとは? まずは、厳しい時代を生き抜いた20代を振り返る【前編】です。 ※この記事は2023年4月公開時点の内容です。 >>続きを読む。 【中編】はコチラ。 【後編】はコチラ。 <今回の辞めるのやめた人> ヘアサロン「Labyrinth」代表 西尾隆介さん 1982年生まれ、高知県出身。2003年にNRB日本理容美容専門学校卒業後、大阪府内のヘアサロン勤務を経て2012年に独立、大阪・心斎橋に「Labyrinth」をオープン。現在は同店に加え、大阪・寝屋川に「Labyrinth yume」「Labyrinth noble」と、鳥取・米子にヘアカラー専門店「Kirei Yonago」を展開。また、2020年にヘアケアブランド「labyness」を立ち上げ、オリジナルヘアケア製品の開発・販売をスタートさせた。 https://labyrinth-hair.com/ @nishioryusuke 週1で人が辞める、サバイバルなアシスタントライフ。 ―まず美容師を目指したのはいつ頃、どのようなきっかけで? とにかく早く高知から都会に出たいと思っていた高校生の時、友人の兄さんが美容師を目指していると聞いて、自分もそうしようと。髪を触ることやオシャレが好きなわけでもないダサい田舎者でしたが、なんとなく美容師のカッコ良いイメージに惹かれて大阪の美容専門学校に進学しました。ちなみに、ちょうど進路を決めた直後にテレビドラマ「ビューティフルライフ」が放送されて、美容師人気が高まるタイミングでもありました。 ―みんながキムタク演じる美容師に憧れた時代ですね。最初に勤めたヘアサロンはどんな所でしたか? 大阪の中心地にある300坪ぐらいの大箱サロンです。1日170人程のお客様が来店されて、2時間待ちも珍しくない状態。あまりの忙しさに、1週間に一人のペースでアシスタントが辞めるんですよ。でもまたすぐに新人が入ってくるっていう……。そんな中で僕は閉店の23時まで働いて、それから24時まで掃除をした後、深夜3~4時までレッスンという日々。店に寝泊まりすることも多かったです。今思い出しても一番しんどい時期で、もう絶対にあの頃には戻りたくないっ!! ▲当時のヤバい働き方について共感する同世代の我々 ―時代を感じますね。当時はどの業界も少なからずそういうムードだった気がします。そんな過酷な環境で、なぜ西尾さんは頑張れたのですか? やっぱり先輩のスタイリストがめっちゃカッコ良く見えたからです。今は月の売り上げが100万いけば良いほうですが、当時100万はスタートライン。300万、400万、500万なんてスタイリストも珍しくなくて、自分もそうなりたい!という思い、ただそれだけです。 ―身近に目標となるスゴイ人がいたのがモチベーションになったと。何としてもそのレベルまで行きつこうと? そうです。でも、結局は辞めちゃうんですよ、僕。人間関係がしんどくなって、1年半後ぐらいに「もう無理!」って。 巻きで修了、爆速スタイリストデビュー&店長昇格。 ―新卒で入ったサロンをドロップアウトして、次に目指したのは? 大阪でも郊外のヘアサロンです。美容師が嫌になったわけではないので、京橋のサロンに就職しました。そこでは同僚たちに負けたくない一心で、いち早くスタイリストデビューして、誰よりも売り上げを上げたい! という思いが強かったです。結果としては入社半年後、21歳でデビューしました。 ―周りに比べるとスピード出世でしょうか? そうですね。既定のカリキュラムを無理やり終わらせて急いでデビューしたような印象でした。そしたら、デビューして3か月後に先輩方がみんな辞めてしまって。当時は美容室の開業ラッシュで、オープニングスタッフとして寄せ集めの美容師たちが2年ぐらい経ったら辞めてまた次へという流れがあり、ちょうどそのタイミングだったんです。 ―急に自分が引っ張っていかなければならなくなったと。 はい。そのまま22歳で店長になりました。そのうち20歳や18歳の新人も入ってきて、若い世代で回している店になって。今思えば色々とめちゃくちゃだった気がします。よくあれで乗り切れたなと。 ―その頃は辞めたいと考える余裕もなかったですか? なかったです。ただ、売り上げを上げたい! という思いはずっとあったので、当時唯一の情報源だった美容業界誌の「200万上げるには」「指名100人いくには」みたいな特集を毎号欠かさず読みながら、毎日ひたすら働く。いただくご予約は可能な限り全てお受けしていました。そしたら半年後には指名100人は超えるようになり、店内にサロン台が10席ある中、7席は僕のカット待ちのお客様という状態もありました。 ―あっという間に人気スタイリストじゃないですか! いや。まだまだ未熟だったのに、何とかこなす中でできるようになった部分が大きかったです。今考えれば、あの時すごく色々な方に犠牲になってもらって。よく付き合っていただけたなと思います。 ▲西尾さんの一生懸命さが皆さんを惹きつけたのだと思います ―やるしかない状況に追い込まれたことでグンと成長されたんですね。売り上げが立つようになってからは、モチベーションの変化はありましたか? それが、売り上げが上がればその延長線上で有名になれると思っていたのに、全然で。有名になって業界誌に取り上げられたりセミナーをやったりしたいと思っていたのですが、このままではその領域には辿り着けないと気づきました。そこから売り込みに力を入れるようになったんです。 苦節7年、地道な売り込みの果てに。 ―売り込みというのは、どういうことをされたのですか? 美容業界誌に載りたくて作品を持ち込みました。毎月作品をつくって、プロのカメラマンに撮影してもらって、それを東京の出版社に持参するんです。雑誌の一番後ろのページに出版社の電話番号が書いてあるので、そこに電話して「持ち込みさせてください」とお願いして行っていました。 ―今ならまずインスタで発信するんでしょうけど、当時はそうですよね。しかも、すぐには採用してもらえないイメージです。 そうですね。持ち込んで、フィードバックをいただいて、悪い部分を修正してまた翌月持って行くという繰り返し。結局ニューカマーとして初めて掲載してもらうまでに7年かかりました。 ▲またサラッとスゴイことを…… ―7年!? どこかで心が折れそうなものですが。 僕はつらいよりも、有名になりたい! という我のほうが大きかったです。じゃないと、持ち込みなんて絶対にできない。就職の面接よりはるかに緊張しますから。しかも悪い部分を指摘してもらえるならまだ良くて、可もなく不可もなくとか、コメントなしとかもあって。何度もへこみながら、それでも通い続けました。毎月評価していただくことで、普段のサロンワークも変わりましたね。 ―と言うと? カット、カラー、仕上げの各工程でセンスが磨かれましたし、時代とずれていないか、モデルに似合っているか、オリジナリティが出ているかを常に考えながら、形にできるようになりました。サロンワークだけやっていたら、そういった大事な部分に気づけなかったかもしれません。 ―編集部からのアドバイスに加えて、何か勉強もされたのですか? 目標とするスタイリストの方がいて、最初はその方のオマージュから始めました。サロンを2店舗経営しながら雑誌の表紙のスタイリングなどもされている方で、いつも意識していましたね。その方にどうやったら近づけるか真似しながら探って、近づきすぎて真似ばっかりになっているなと気づいたら、しばらく見るのをやめての繰り返しで。少しずつ個性を出せるようになったと思います。 こうして、周りの美容師の離職ラッシュには見向きもせず、我が道を突き進み目標を叶えていった西尾さん。怒涛の20代が過ぎ、いよいよ30歳で独立を果たします。しかし、そこからはオーナーとして苦悩の日々。スタッフたちの離職を食い止めるために、西尾さんが起こした働き方改革とは? 次回【中編】へ続きます。

つらいときを乗り越えるための呪文。美容師さんの「心に刺さった名言」は?
苦しいアシスタント時代、日々悩むスタイリスト時代、そして人生の岐路である独立…。プライベートはもちろん、美容師さんの華々しいイメージの裏にはそれ以上の苦労があります。 そこで、美容師さんが何気なく目にした本やテレビなどから心を捉えたもの、ときを経て心に突き刺さった名言を聞いてみました。(この記事は2023年7月公開時の内容です) 踏み出せば、その一足が道となる / SiSi 代表 瀧野達彦さん “ 踏み出せば、その一足が道となる ” ーアントニオ猪木 Q. この名言に出会ったのはいつ? 「中学生くらいの時、テレビを観ていたら」 Q. どんな時、なぜ心に刺さりましたか? 「独立をしようとしていた頃、迷いがありいろいろと悩む時期がありました。たまたまYouTubeでこの言葉が出てきて、不思議と前に出る力をくれました。昔聞いた言葉でしたが、時間が経って思いきって一歩踏み出す大切さを教えてくれました」 Q. どんな時にこの言葉を思い出しますか? 「新しいことに挑戦する時、自分の考えを行動に移す時」 ▼刺さった人 SiSi 代表 瀧野達彦さん 得意なスタイル : ショート、ボブ 好きな服のブランド、よく行くショップ : markaware、河原町のLen 休日の過ごし方 : 子どもと遊ぶ Instagram @takino___sisi <SALON DATA> SiSi/シシ 京都市東山区弁財天町19 y gion 3FHP : http://sisi-kyoto.com/Instagram : @sisi_kyoto 人間は自由の刑に処されている / HIKARIS スタイリスト 中平孝汰さん “ 人間は自由の刑の処されている ” ージャン=ポール・サルトル『存在と無』 Q. この名言に出会ったのはいつ? 「高校1年生とき。担任の先生からの言葉でした」 Q. どんな時、なぜ心に刺さりましたか? 「学生時代、自由はうれしいものでしたが、それには責任が伴うものだと教えられ、ハッとしました。何事にも責任がつきものなんだということを常に忘れないようにしています」 ▼刺さった人 HIKARIS スタイリスト 中平孝汰さん 得意なスタイル : デザインカット、カラー、パーマ 好きなブランド : VAQUERA、Charles Jeffrey LOVEBOY、Stefan Cooke、Magliano、JACQUEMUS よく行くショップ : fethersgoffa、11747391 最近ハマっていること : (常に)ファッション、日帰り旅行 Instagram : @hikaris_kouta <SALON DATA> HIKARIS/ヒカリス 大阪市北区中崎西2-5-21 HP : https://hikaris1930.com/ Instagram : @hikaris1930 これでいいのだ / まえがみ美容室 スタイリスト なつこパンダさん “ これでいいのだ ” ーバカボンのパパ Q. この名言に出会ったのはいつ? 「子どもの頃。テレビでバカボンをアニメで観ながら歌っていました。これでいのだ~これでいいのだ~ボンボンバカボンバカボンボン♪」 Q. どんな時、なぜ心に刺さりましたか? 「落ち込んだ時にふとお風呂で歌っていたら泣いても元気になった。自分は自分のままでいいんだよって思えるようになった」 Q. どんな時にこの言葉を思い出しますか? 「毎日そう思います。お客さまに“おまかせ”というオーダーをよく言われますが、よっし!と思って仕上がった時に、心の中で『これでいいのだ』。自分に自信が湧いてくる魔法の言葉です」 ▼刺さった人 まえがみ美容室 スタイリスト なつこパンダさん 得意なスタイル:ショート、パーマ 好きなブランド : ギャルソン、いろいろ 最近ハマっていること : 海外ドラマ鑑賞(ストレンジャーシングスやウェンズデー、韓ドラなど) 休日の過ごし方 : 家族で散歩 @maegami_natukopanda <SALON DATA> まえがみ美容室 和歌山県和歌山市四番丁48 Instagram : @ushirogami_miccham(ネイルサロン用) 報われるとは限らない。が、成功したものは皆努力している。/ TLUUS梅田 代表 土谷大貴さん “ 報われるとは限らない。が 成功したものは皆努力している。 ” ー鴨川会長 Q. この名言に出会ったのはいつ? 「『はじめの一歩』というボクシング漫画に出てくる、主人公のコーチ的存在である鴨川会長の名言です。美容師になりたての頃に出会いました」 Q. どんな時、なぜ心に刺さりましたか? 「アシスタントの時代、レッスンしても全然上手くならないと悩んでる時に見て感動しました」 Q. どんな時にこの言葉を思い出しますか? 「思ったように結果が出ない時。この言葉に従って成功するまで努力しようと思います」 ▼刺さった人 TLUUS梅田 代表 土谷大貴さん 得意なスタイル:ショート 好きなブランド : Lui’s 休日の過ごし方 : 生後3ヶ月の息子と16歳のワンちゃんと奥さんと過ごす @tluus_daiki.short <SALON DATA> TLUUS梅田/トゥルース ウメダ 大阪市北区角田町1-20 フキヤビルB1F Instagram : @tluus.hair.official 美容師さんの「心に刺さった名言」は、勉強や仕事など、がんばる誰もの心にも刺さるものです。みなさんもぜひ、つらいときにはこの言葉を思い出してみてください。

howほっしーさんの美容道
美容師を続けていれば、その仕事をするうえで、大切にしていることやポリシーのようなものがきっとあるはず。ここでは、人気スタイリストに美容師という職にまつわる質問をあれこれ投げかけて、その人の美容道を探ってみたいと思います。今回は、『how(ハウ)』のほっしーさんです。 ≫how ほっしーさんの動画も公開中!「how ほっしーさん直伝!ボブ徹底解説!」 美容師を目指したきっかけは? 「小学生の時、当時担当してくれていた美容師さんに憧れたからです。その美容師さんに服をいただいたり。小学校3年生の頃の話なので、自分でアメリカ村に服を買いに行くことがなかったので、身近にオシャレと感じる場所が美容室でした。そこからは、美容師になるということしか考えていなかったですね」 得意な技術は? 「カットです。カットが唯一、料金をプラスせずにヘアスタイルを変えることができると思っています。例えば、カラーだとダメージレスにしようとすると、良い薬剤を選ぶことでどうしてもプラス料金がかかってしまうんです。でも、カットに関しては自分の腕だけが勝負ということもあり、こだわりたいと思っています。それと、デザイン的な似合わせというところも、美容師の個々の色が出てくるポイントだと思っているので、カットは自分らしさが一番出しやすいと考えています」 施術するうえでこだわっていることは? 「再現性と持ちのよさ、お客様のライフスタイルに負荷のかからないことを心がけています。美容室ではなく家でもできる再現性という部分を大切にしていますし、髪を切ってから、ある程度時間が経ってもまとまりやすいデザインにするようにしています。ちなみに、カットは技術というよりは、どれだけ1人のお客様に対して想いやれるかということが、カットの上手さではないかという考え方です」 美容師をやっていてよかったことは? 「ずっと学べることです。いろんなお客様と出会えて自分の知らない世界の話や物事を知れることです。美容師という仕事を第一でやっていますが、違う仕事にも興味があるので、いろんな話を聞けるのは美容師だからこそできることだと思います。それは、人生においてもよかったことですね」 技術以外で身についたスキルは? 「カメラです。カメラをやりだしたのは、5-6年前くらいからで、ハマったきっかけは、単純にガジェットが好きだったことです。仕事でも撮影することが多いので、それも相まって好きになりました」 美容師としての自分のこだわり、自分らしさとは? 「先ほども言いましたが、再現性と簡単に扱える髪の毛、頑張らなくていいヘアスタイル作りです。人によって髪の毛に対してかけれる時間は違うと思っています。お子さんがいたり、朝が忙しい人でも最低限の時間で簡単におしゃれになれるようなヘアスタイルを提案できれば一番いいかなと考えていて、お店でよく提案しているのがボブになります」 なぜボブにこだわっているのか? 「今の時代のライフスタイルに1番適していると思っていて、忙しく時間がない中でもおしゃれが成り立つボブを作るためです。ヘアスタイルとして扱いやすいところも兼ね備えているので、ニーズが幅広いボブをよく提案しています。仕上がった時のデザイン性や質感にもこだわっています」 その他で注目しているヘアスタイルは? 「パーマの多様性に魅力を感じています。それこそ、ボブに飽きた人たちに提案できるくらいのパーマで、そのパーマも元のストレートにすぐ戻れるくらいのパーマがよいと思っています」 トレンドの情報源は? 「ピンタレストや外国の方のSNS、最近は中国版Instagramの小紅書(レッド)などもチェックしています。小紅書は、中国とか韓国の美容師さんの投稿もあって、日本とは全然違う発想のスタイルとかがあり、アイデアを得る部分で活用しています」 ほっしーさんの美容道を探るインタビューはいかがでしたでしょうか? 美容師になったきっかけがおしゃれへの憧れで、別記事の1週間コーデにも登場してもらったくらいおしゃれなほっしーさん。カットは想いやりと教えてくれましたが、センスフルな方だからこそできるカット術でもあると、実際のカットを拝見して感じました。 ≫続いて「how ほっしーさん直伝!ボブ徹底解説!」動画を見る ほっしー how オーナー Instagram:@hosshiimo 経歴:ヴェールルージュ美容専門学校。大阪市内のヘアサロンを2店舗勤めた後、昨年に自身のヘアサロン『how』をオープンさせる。 <SALON DATA> how/ハウ HP:how-hair.com Instagram:@how.hair

【人気アーカイブ記事】 【NEW SALON】田村一生さんによる、 ファッションを愛するひとのための『hen』
過去、人気記事ランキング上位だった記事をご紹介! 今回は、長期間に渡り記事閲覧ランキングNo.1を誇ったコチラ。まだ読んでいなかったら是非是非チェックしてくださいね!

birth by happiness銀納さんの美容道
美容師を続けていれば、その仕事をするうえで、大切にしていることやポリシーのようなものがきっとあるはず。ここでは、人気スタイリストに美容師という職にまつわる質問をあれこれ投げかけて、その人の美容道を探ってみたいと思います。今回は、東京のヘアサロンを経て地元・奈良で『birth by happiness(バース バイ ハピネス)』を営む銀納さんです。 美容師を目指したきっかけは? 「高校生の時から髪をセットするのが好きで、髪自体に興味はありました。それで、当時付き合っていた彼女が美容師になりたいと言ったので、一緒に美容師を目指すのもよいと思ったのがきっかけですね」 得意な技術は? 「メンズのパーマです。波巻きパーマが特に得意で、ツイストパーマやスパイラルパーマといった無造作に動くパーマには自信があります」 施術するうえでこだわっていることは? 「お客様のなりたいイメージに極力近づけて、似合わせることですね。お客様がお店に来る前からなりたい髪型を決めて来られるんで、その髪型に近づけるようにします。似合わなかったとしても、似合うようにアレンジしながら極力近づけるようにはしています。でも、そのなりたい髪型に長さが足りなかったり物理的に難しいときは、伸びる時期を想定して、それに向けての髪型を提案したりはします」 美容師をやっていてよかったことは? 「僕と出会えて良かったと言ってくれるお客様がいることが、やりがいでもあり、よかったと思えますね。高校を卒業したタイミングでヘアスタイルに興味を持ち出すお客様が増えるんですが、そのきっかけを作れる瞬間とか興味を持ってくれたことに喜びを感じます。やはり、高校時代は校則もあるのでパーマなど、ずっと我慢しているのを見てきたので、卒業して念願のパーマをかけた時は自分のことのように嬉しく思えます」 技術以外で身についたスキルは? 「集客のやり方です。僕が東京にいたときに、先輩たちがInstagramを使ってすごい集客をしていました。それまではInstagramで集客ができることなんて知らなくて、業界雑誌に頼らずにSNSだけで集客できることに可能性を感じましたね。その先輩たちにノウハウを教えていただき、僕もそこから力を入れるようになりました。最初はいろんなヘアスタイルを投稿し、どれに反応が良いのかというのを分析します。それと、地域を入れることも重要です。それで、パーマへの反応がよかったらどんなパーマがよいのかと絞っていきます。それを根気よく続けていくと集客できるようになりました」 美容師としての自分のこだわり、自分らしさとは? 「先ほどの言葉と被りますが、お客様に提案するのはもちろんですが、そのお客様のなりたい髪型に近づけることです。それこそ僕が高校生くらいのときに、なりたい髪型の写真を持って美容室に行っていましたが、希望の髪型通りにしてもらえた記憶がなくて(笑)。そんなことが経験としてあるので、そんな想いをお客様にさせたくないので極力近づけるようにしています。高校時代の自分が今の自分に出会えたらよかったと思えるような美容師になりたいと、美容師になる前から思っていました。東京に行ったのもメンズのヘアスタイルを学びたかったというのがあります。当時はメンズ専門の美容室が東京にしかなかったのでやむを得ずという感じで。できるのであれば、ずっと奈良でやりたかったです」 メンズ専門の美容室にした理由とは? 「自分が男でカッコよくなりたいという気持ちが共感しやすいからです。逆に女性のかわいいという感覚がわからないので(笑)。やはり男性の髪を切っているときが楽しくて、そのことを美容師になった1年目で気づいたんです。でも、当時はメンズ専門の美容室は奈良にはなく、先輩たちにも否定されたんですが、その悔しさもあって絶対に奈良でメンズ専門の美容室をやると決めました」 メンズカットをする上で特にこだわっていることは? 「誰にかっこいいと思われたいか、ということです。切ることに対して少なからず理由があると思っていて、誰にかっこよく思われたいかで切り方も変わります。例えば、彼女から思われたいのであれば、その彼女がどういう男性をかっこいいと思っているのか、わかりやすく芸能人のタイプとかも聞き出したりしますね。その辺の気持ちは極力聞いて再現出来るように意識しています。それと、メンズならではの髪型のこだわりがありまして、例えば、刈り上げのミリ数とか。そういった部分もメンズ専門店だからこそできる部分だと思います」 銀納さんの美容道を探るインタビューはいかがでしたでしょうか? メンズのヘアスタイルにおもしろさを見い出し、愛する地元でメンズ専門店を構えた程の熱量には関心させられました。そして、SNSを駆使した集客術にも現代進行形の美容師さんの姿がみえました。 そんな銀納さんに、動画でもメンズカットを徹底解説いただきましたので、是非チェックしてください! 【銀納さんのメンズカット徹底解説動画】はコチラ 銀納宇宏 birth by happiness 代表 Instagram:@gin_0129 経歴:大阪ヴェルエベル美容専門学校卒業。地元・奈良のヘアサロンに就職した後、メンズのヘアカットを学びに都内の有名メンズヘアサロンに就職。その後、奈良のヘアサロンに再就職し、メンズ専門のヘアサロンを立ち上げる。 <SALON DATA> birth by happiness/バース バイ ハピネス HP:www.hairmake-happiness.com Instagram:@mens_salon_birth

MY RULE【Zui+LIM 仙頭郁弥さん】ショートカットが教えてくれた、遊びと技術の両立
あなたの得意なテクニックは?多様性の時代だからこそ、いつでもその答えを用意しておきたいもの。 今回は、ショートヘアが得意だと言うZui+LIM オーナー・スタイリストの仙頭郁弥さんを訪ねました。得意になったきっかけやこだわり、技術の伸ばし方、活かし方までを伺います。 挫折がきっかけになり、いつの間にか強みになった ーショートに自信あり!という仙頭さんですが、具体的にはどんなデザインが得意ですか? 「以前はマッシュショートばかりを推していましたが、今はライン感のあるカットデザインやレイヤーの効いたスタイルなど、ショートなら何でも切れると言っても過言ではありません」 ーすごい!ショートを極めるに至ったきっかけは? 「僕、アシスタント時代は熱量のあるタイプじゃなかったんです。デビューしたらなんとかなるかという変な自信があって。すると、スタイリストデビュー前のテストの時にその甘えが出てしまった。ショートだけがどうしても合格できなかったんです」 「そこから、真剣になりました。ショートの上手な先輩のマネをして、とにかくショートを繰り返しカットしていくうちに、今の強みになっていったという感じです」 ーそうだったんですね。スタイリストになってからは順調だったんでしょうか? 「(スタイリスト)デビューしたらお客さんは勝手につくもんだと思っていたんです。それも全然ダメで。美容師っておもしろかったらいいというか、キャラでいけると思っていたところがあったんです。スタイリスト1年目は伸びなくて…そこでようやく、美容師は技術ありきなんだなと痛感させられました」 ーそれからはどのように技術を磨かれたんでしょう? 「はじめは同じショートしかできなかったんです。マッシュショートばかりをSNSにも載せていました。でもショートが得意と言っていると、いろんな『ショートにしたい』お客さんがやって来て。いろんな要望に応えていくうちに、いろんなショートができるようになったんです。リピートのショートのお客さんなら、次は違うショートに変えていきたくもなるし…。お客さんが技術を磨いてくれた感じというか。ビビりながら、新しい提案をしていくうちに今に至っています」 以前はマッシュショートを推していた GOとSTOPの繰り返し。だからショートはおもしろい!? ーずばり、ショートヘアの好きなところは? 「切ってる時が楽しいです。ウェイトの高さだったりエリアシの長さや作り方…こだわりを詰められるポイントがいっぱいあるんです。短いからこそいっぱいできるというか」 ースタイルづくりで大切にしていることは? 「どう動いてもかわいいという状態をテーマにしています。アイロンは極力使わなくていいスタイルだったり、生えグセに逆らわない、クセを活かしたスタイル。例えば前髪が浮く人ならパーマをかけて動きのあるスタイルに。絶壁の人なら、トップを短くしてエリアシにボリュームのあるウルフっぽいスタイルに持っていくとか。ウルフならペタッとしている方がかわいかったりするんですよ」 ーところで仙頭さんといえば、麻雀美容師という一面もあるそうですが…。 「そうなんです。1年前にハマってしまって。ちょうど新しいお店の2階がまだ空いていたので雀卓を置き、定期的に麻雀教室をしています」 ー麻雀の魅力って何ですか? 「まず牌を触ってるのが気持ちいいです。手遊び的な感じですね。それに、ゲームは選択の繰り返しなんです。自分の選択がハマったときは怖いほどおもしろい。ヘアに対する押し引きを麻雀で学んでいると言ってもいいです。攻めるか、留まるか。GOかSTOPか。麻雀は人生の縮図、ひいてはスタイルの縮図かもしれません」 ーこれからの展望はありますか? 「ショートって、攻めの要素を揉み込みやすいスタイルなんです。これからはその経験を活かしつつもショートだけにこだわらず、見たことないバランスや『新しいデザイン』をやっていきたいですね。先頭を走っていきたいです。仙頭だけに」 Zui+LIM オーナー・スタイリスト 仙頭郁弥 1992年生まれ、高知県出身。国際デザイン・ビューティーカレッジ卒業後、『LIM』入社。2023年11月、中堂薗さんと森田さんとの共同経営にて『Zui+LIM』をオープン。 Instagram : @sento_zuiya <SALON DATA> Zui+LIM/ズイプラスリム 京都市東山区大国町通松原下ル北御門町257 https://www.lessismore.co.jp/zui/ Instagram : @zui_kyoto

New sense 新しい美容師の働き方【雨とランプ編】
美容師も多様化の時代。 働き方やヘアサロンのスタイルはもちろん、経歴もさまざまな美容師さんが存在します。 今回出会ったのは、短歌の歌人である久石ソナさん。北海道・札幌市で活躍しており、空前のブームと言われて久しい短歌界でも、早くから活躍しているひとりです。 美容師であり歌人、そんな久石さんにお話を聞いてみました。 (上)苫小牧で行われたアート展での作品(下)出版書籍 はじめたのは短歌が先 「もともと文学が好きで、大学時代に短歌サークル『早稲田短歌会』に入会したんです。31音なので、自分が感じたものを気軽に歌にのせられるという身近さが気に入って、どんどん短歌の魅力にはまっていきました」 「僕、実家が美容室なんです。本当は美容師じゃない職業につきたくて大学に進学したんですが、いざ就職となって結局自分がやりたい仕事は何かって考えると、お客さんをキレイにしてまた会えるという、『継続して会える人がいる生活の場所』に魅力を感じて。早稲田短歌会で2年ほど活動したのち、自分にとって身近にあった美容師というの職に就こうと決意しました」 自然とダブルワークスタイルに 「専門学校時代も、北海道大学の短歌会立ち上げに携わるなど、短歌の活動を続けていました。短歌会はリアルなリアクションがもらえる場で、第三者として読解力を鍛えたり、表現の幅を広げる良い機会。美容師も短歌も、練習あるのみなんです」 「美容学校卒業後は都内サロンでの勤務を経て、2019年に地元の札幌で『雨とランプ』をオープンしました。2021年には2号店『凪の旅先』2023年にアイラッシュのお店『窓と彗星』、3店舗を経営しています」 美容師と短歌の相乗効果 「短歌の経験は、カウンセリングやお客さまとのコミュニケーションに活かされていると感じています。それに、僕は集中するというよりは、わりと目うつりしちゃうタイプ。美容師と短歌の活動って近いようで遠いような感覚があって。短歌も美容も、『ひとつの人生においていろんなことに挑戦できる』という環境は共通していて、自分にとっては合っているのかなと思います」 「東京で働いているときは、二本でやっているというスタイルはなかなか理解を得られなかったんです。それでも今まで続けて来れたのは、美容師は来た人に幸せになってもらう、手の届く範囲にダイレクトに影響を与える仕事。短歌は、本が届いて読んだ相手=自分の視界に入っていない読者にアプローチするもの。それぞれ違った喜びを感じられるというのが、続けてこれた一番の理由だと思います」 歌人ならではのサロンづくり 「お店に2000冊の書籍を置いています。美容室に来て美容師さんとお話する、雑誌を読むという過ごし方以外の選択肢があればなと。他にも壁画や水墨画などのアートを置いたり…僕自身、美容室が苦手だったというのもあり、ここが自分の時間になったり、自分らしく過ごせる場所になったらいいなと思っています。『美容室は心をキレイにできる場所』というのを、もっともっと広げていきたいですね」 「美容室では、月3~4回生演奏のBGM営業というのを行っていて、継続していきたいと思っています。アートや芸術を通して美をつくる場所になればといいなと。短歌では、札幌で歌会(短歌を持ち寄って評をする)を主催していますが、今後は北海道の短歌シーンを盛り上げるべく、場を作っていきたいなと思っています。熱量があるけどまだまだ知れ渡っていないので…!」 好きなことはふたつあっていい。自分の“好き”を尊重し、追求すれば、それぞれがプラスの力を発揮し新しい道が開かれるということを、久石さんは教えてくれています。 久石ソナ(大塚卓人) 1991年札幌市生まれ。都内大学中退後、北海道の美容専門学校へ進む。卒業後、都内サロンで5年勤務したのち、28歳で地元へ戻り「雨とランプ」をオープン。 X : @sona_hisa Instagram : @sonahisaishi <SALON DATA> 雨とランプ HP : https://ametolamp.com/ X : @ametolamp Instagram : @ametolamp <BOOK NOW ON SALE> 『サウンドスケープに飛び乗って』 ¥1870(書肆侃侃房)2021年 ★プレゼント★ 久石ソナさんの代表書籍『サウンドスケープに飛び乗って』を、抽選で3名さまにプレゼントします。 (応募期限:2024年7月20日迄) >> ご応募はコチラから ※ご応募には、事前にAM-YU公式アプリをダウンロードいただき、アカウント登録をお済ませください。 >>App Storeからダウンロード >>Google Playからダウンロード 【注意事項】 ※当選の発表は、ご当選者様のみにご連絡いたします。 ※応募された個人情報を第三者に提供したり、本企画遂行以外の目的に利用することはありません。 ※AM-YUプライバシーポリシーについてはこちらをご覧下さい。 https://am-yu.jp/guides/privacy