birth by happiness銀納さんの美容道
美容師を続けていれば、その仕事をするうえで、大切にしていることやポリシーのようなものがきっとあるはず。ここでは、人気スタイリストに美容師という職にまつわる質問をあれこれ投げかけて、その人の美容道を探ってみたいと思います。今回は、東京のヘアサロンを経て地元・奈良で『birth by happiness(バース バイ ハピネス)』を営む銀納さんです。 美容師を目指したきっかけは? 「高校生の時から髪をセットするのが好きで、髪自体に興味はありました。それで、当時付き合っていた彼女が美容師になりたいと言ったので、一緒に美容師を目指すのもよいと思ったのがきっかけですね」 得意な技術は? 「メンズのパーマです。波巻きパーマが特に得意で、ツイストパーマやスパイラルパーマといった無造作に動くパーマには自信があります」 施術するうえでこだわっていることは? 「お客様のなりたいイメージに極力近づけて、似合わせることですね。お客様がお店に来る前からなりたい髪型を決めて来られるんで、その髪型に近づけるようにします。似合わなかったとしても、似合うようにアレンジしながら極力近づけるようにはしています。でも、そのなりたい髪型に長さが足りなかったり物理的に難しいときは、伸びる時期を想定して、それに向けての髪型を提案したりはします」 美容師をやっていてよかったことは? 「僕と出会えて良かったと言ってくれるお客様がいることが、やりがいでもあり、よかったと思えますね。高校を卒業したタイミングでヘアスタイルに興味を持ち出すお客様が増えるんですが、そのきっかけを作れる瞬間とか興味を持ってくれたことに喜びを感じます。やはり、高校時代は校則もあるのでパーマなど、ずっと我慢しているのを見てきたので、卒業して念願のパーマをかけた時は自分のことのように嬉しく思えます」 技術以外で身についたスキルは? 「集客のやり方です。僕が東京にいたときに、先輩たちがInstagramを使ってすごい集客をしていました。それまではInstagramで集客ができることなんて知らなくて、業界雑誌に頼らずにSNSだけで集客できることに可能性を感じましたね。その先輩たちにノウハウを教えていただき、僕もそこから力を入れるようになりました。最初はいろんなヘアスタイルを投稿し、どれに反応が良いのかというのを分析します。それと、地域を入れることも重要です。それで、パーマへの反応がよかったらどんなパーマがよいのかと絞っていきます。それを根気よく続けていくと集客できるようになりました」 美容師としての自分のこだわり、自分らしさとは? 「先ほどの言葉と被りますが、お客様に提案するのはもちろんですが、そのお客様のなりたい髪型に近づけることです。それこそ僕が高校生くらいのときに、なりたい髪型の写真を持って美容室に行っていましたが、希望の髪型通りにしてもらえた記憶がなくて(笑)。そんなことが経験としてあるので、そんな想いをお客様にさせたくないので極力近づけるようにしています。高校時代の自分が今の自分に出会えたらよかったと思えるような美容師になりたいと、美容師になる前から思っていました。東京に行ったのもメンズのヘアスタイルを学びたかったというのがあります。当時はメンズ専門の美容室が東京にしかなかったのでやむを得ずという感じで。できるのであれば、ずっと奈良でやりたかったです」 メンズ専門の美容室にした理由とは? 「自分が男でカッコよくなりたいという気持ちが共感しやすいからです。逆に女性のかわいいという感覚がわからないので(笑)。やはり男性の髪を切っているときが楽しくて、そのことを美容師になった1年目で気づいたんです。でも、当時はメンズ専門の美容室は奈良にはなく、先輩たちにも否定されたんですが、その悔しさもあって絶対に奈良でメンズ専門の美容室をやると決めました」 メンズカットをする上で特にこだわっていることは? 「誰にかっこいいと思われたいか、ということです。切ることに対して少なからず理由があると思っていて、誰にかっこよく思われたいかで切り方も変わります。例えば、彼女から思われたいのであれば、その彼女がどういう男性をかっこいいと思っているのか、わかりやすく芸能人のタイプとかも聞き出したりしますね。その辺の気持ちは極力聞いて再現出来るように意識しています。それと、メンズならではの髪型のこだわりがありまして、例えば、刈り上げのミリ数とか。そういった部分もメンズ専門店だからこそできる部分だと思います」 銀納さんの美容道を探るインタビューはいかがでしたでしょうか? メンズのヘアスタイルにおもしろさを見い出し、愛する地元でメンズ専門店を構えた程の熱量には関心させられました。そして、SNSを駆使した集客術にも現代進行形の美容師さんの姿がみえました。 そんな銀納さんに、動画でもメンズカットを徹底解説いただきましたので、是非チェックしてください! 【銀納さんのメンズカット徹底解説動画】はコチラ 銀納宇宏 birth by happiness 代表 Instagram:@gin_0129 経歴:大阪ヴェルエベル美容専門学校卒業。地元・奈良のヘアサロンに就職した後、メンズのヘアカットを学びに都内の有名メンズヘアサロンに就職。その後、奈良のヘアサロンに再就職し、メンズ専門のヘアサロンを立ち上げる。 <SALON DATA> birth by happiness/バース バイ ハピネス HP:www.hairmake-happiness.com Instagram:@mens_salon_birth
NEXT CREATOR'S #2 ADITION 渋谷 室 優菜さん
次世代のスタイリストさんにフォーカスをして、過去から現在、そして未来の美容師像のお話まで、さまざまな角度から迫っていくこちらの企画。 今回お話を聞かせてくれたのは ADITION 渋谷で働く、室 優菜さん。1年半前に大阪から上京した彼女は、今年の2月にカラーリストデビューを果たしたばかりだという。SNSで10万人以上のフォロワーがいる、インフルエンサーとしての一面を持つ彼女の美容師像とは!? ー大阪から最近上京されたそうですが、どんなきっかけがあったんですか? 「私、小学生の頃から美容師になることが夢だったんですね。だから「高校も卒業できたらいいや」という理由で、家の裏の学校を選んだくらい。行きたかった美容専門学校も卒業後に入社したサロンも全部家から自転車で15分圏内。20年以上そんな環境で過ごしてきたから、自分自身に怖くなっちゃって。地元を出て新しいことをしたいと思った時に、「一旦東京行っとくか!」ってなって。それで上京を決めました」 ー小学生の頃からもうすでに美容師の夢を!? 「理由は覚えて無いんですけど(笑)。でも美意識の高い母のおかげで、幼い頃からファッションや美容に関して触れる機会が多かったんです。子供用のメイク道具を誕生日に買ってもらったり、可愛い服をたくさん着せてくれたり…だから自然と容姿に関わることが好きになっていったのかもしれません。中学生になった頃にはもう行きたい専門学校も決めていて、そこに入学することだけを考えてました」 ー中学生でそこまで決めていたんですね。実際に入学してギャップとかはありませんでした? 「なかったです。むしろ美容師になりたい気持ちが強くなりました。というのも、中学生の頃から容姿にコンプレックスがあったんです。だからメイクなど、めちゃくちゃ研究しました。高校生の頃にようやく自分のスタイルを確立できて、そこから変わったんです。専門学校で本格的に勉強をするようになってから「自分がこれだけ変われたんだから、人も変えてあげられるな」って思うようになって。それが本格的な美容師の一歩だったのかなって思います」 ー美容師の夢を叶えてもう4年経ったわけですが…振り返ってどうですか? 「大阪時代は、技術というより接客を学んだ1年半でした。自分のスタイルについて考えるようになったのは東京に来てからです。上京してすぐの頃は専属のアシスタントとしてフリーランスサロンで働いていましたが、そのサロンが無くなることになってしまって。その頃に知り合ったのがADITIONのいさなさんでした。お声がけいただいて、一緒に働くようになってから自分自身の作りたいものや技術面と向き合い始めたように思います」 ー技術面はどうやって磨いていったんですか? 「ADITIONはデザインカラーが得意なので、サロンの先輩方に指導をしていただきました。あとは、営業終わりにカラーモデルを呼んでひたすら練習。入社してから毎日やり続けた甲斐があって、今年の2月にカラーリストとしてデビューさせてもらいました」 ーなるほど。とにかく経験を重ねられたんですね。では今一番頑張っていることはなんですか? 「今はカットを極めてきちんとスタイリストデビューをすることが目標です。私のフォロワーさんが男女半々くらいで、メンズでも私になりたいって言ってくれたりして…。性別関係なく私目当てできてくれるので、メンズもレディースもきちんとできるようになりたい。今日も営業終わりにウルフカットの試験があります(笑)」 ーセンスを磨く上でのインプットはどんなことをされていますか? 「インスタは見ていましたが、結局はバズってる美容師さんのマネじゃないですか。だからあまり参考にしなくなりました。そういえば最近、上野動物園に行ったんですけど色がキレイなカエルがいて。デザインに使えるかもって思って写真に残しておいたんです。そしたらこの前、初めてカラーをする高校生のお客様が来店してくださったんですけど、ブリーチで2色入れたいっていう要望があって。カウンセリングしていくうちにその時見たカエルの色を思い出して、ブルー系のアンブレラカラーにしたんです。これが良かったなと思って。案外、髪と関係ないことの方がインスピレーションになりますね」 ーSNSのフォロワーがかなりいらっしゃるみたいですが、いつから始めましたか? 「SNSの発信を始めたのは専門学生時代。2年生に上がった頃にコロナで学校に行けなくなってしまって。集客とか何かしないとなーって思って、まずはTikTokを始めました。投稿を続けていくうちに、フォロワーさんもバンっと増えていって17万人に。インスタグラムの方は、上京するまで1.7万人くらいだったんですけど、こっちで出会った人に「その感じで3万人くらい(フォロワーが)いないんだ」って言われたのがきっかけで火が着きました。それで絶対抜かしてやるという気持ちで頑張って、今では11万人の方にフォローいただいてます(笑)」 ーすごい!!簡単に抜かせるものですか!? 「とにかくやり続けました(笑)。あとはフォロワーと相性がいいものを考えて音源を選んだりとか、細かいところも気にしながら。でもカラーリストデビューするまで自分のスタイルを載せてこなかったので、11万人もフォロワーがいる割には全然集客に繋がらなかったんです。いさなさんに話を聞いてもらって「室(むろ)は美容師としての準備が弱かったな」とか言われたり(笑)。ようやく自分らしさもわかり、スタイルを載せ始めたのでこれからもっと集客に繋がっていけばいいな」 ー最後に理想の美容師像を教えてください。 「やっぱりお客様に憧れられる美容師ですね。SNSで自分の顔を上げていた分、私になりたい!って言ってくれる子もいて。実際に私を見て美容師になりたいって思ってくれた子が、今年美容専門学校を卒業して美容師になるんですよ。そんな話を聞くと容姿以外の部分でも人の人生って変えられるんだなって思って。美容師以前に「この人になりたい!」って思ってもらえる存在でありたいです。そのためにはファッションやメイクのことももっと知りたい。お客様に携わっていくならそれ以上の知識を持っておくべきだと思うし、そこに技術面もつくようになれば怖いものはないなと思っているので。長い目で見てそういう美容師になりたいですね」 小学生の時からの夢を叶えて、本格的に美容師としての人生を歩み始めた室(むろ)さん。独自の感性を磨き続ける彼女のスタイルに今後注目していきたいですね。 <PROFILE> ADITION 渋谷 カラーリスト 室 優菜さん 2001年大阪生まれ。関西美容専門学校卒業後、大阪・梅田のサロンで1年半働いたのち、東京へ。Tiktokで人気を集め、Instagramでも11万人のフォロワーを持つ注目のインフルエンサー美容師。 Instagram : @jilliy_61__ 〈SALON DATA〉 ADITION 渋谷 / アディション渋谷 東京都渋谷区神宮前5-29-10 クリプトメリア神宮前ビル3F URL : https://adition.jp/
NEXT CREATOR'S #1 IRO 高橋拓海さん
「NEXT CREATOR'S」では次世代のスタイリストさんにフォーカスをして、過去から現在、そして未来の美容師像のお話まで、さまざまな角度から迫ります。 今回お話を聞かせてくれたのは、IROスタイリストの高橋拓海さん。メンズのヘアスタイルを得意とし、彼のゆるやかな雰囲気に惹かれてやってくるお客さんが多いのだとか。そんな高橋さんの美容師としての歩みを伺っていきましょう。 ー本日はありがとうございます!早速ですが、まずは美容師になろうと思ったきっかけを教えてください。 「幼なじみのご両親が自宅で美容室をされていて。当時、その子の家にほぼ毎日遊びに行っていたので、自然と良いなって思うようになったんです。出身が神戸の田舎の方なのですが、将来はのんびりと美容師が出来れば…みたいな感じでしたね」 ー将来に対しての考えは今も変わらずですか? 「専門学生の時に、大阪へ来てから変わりました。都会で頑張ってる美容師さんと会う機会が多かったのと、サロンモデルも経験して「こういう世界もあるんだ!」と刺激を受けて。それからはこっちで頑張ろうと思うようになりました。東京は今のところ考えてないですが、僕が担当しているお客様が20代の方が多く、転勤や就職で上京する人が増えてきたので、ゆくゆくは…って考えることもあります。でも今は大阪で地盤を築いていきたいですね」 ー今のサロンが2店舗目ということですが、一番最初に就職した時はどうでした? 「最初のサロンは厳しいところだと聞いていましたが、僕自身そういう環境じゃないと出来ないタイプだし、基礎はちゃんとしたいなという気持ちがあったので就職を決めました。当時はたくさん練習しましたね。それこそ朝7時半に行って夜は終電で帰るを繰り返し。同じスタイルのテストも半年くらい落ちまくったりして…。とにかく基礎を叩き込んでもらいました」 ー相当な練習を積まれたんですね…!そこからIROへ転職を決めた理由はなんですか? 「IROのオーナーも同じサロンのOBだったんです。それで、たまたまお話する機会があって。共感する部分も多かったし、IROに通っているお客様の層も自分と合いそうだし、やってみたいって思ったので転職しました。最近はカフェを併設したサロンがオープンしたので、月交代で行き来しています。IROとまた違った雰囲気を楽しめるのが新鮮で楽しいですね」 ー高橋さんはメンズのスタイルに特化されているそうですね! 「スタイリストデビューをしたばかりの頃はメンズもレディースもSNSにアップしていたんですが、メンズの方がすごく反応が良くて。半年経ったくらいの時に絞って極めてみようかなって思うようになったんです。スパイキーショートヘアが最初人気だったので、このスタイルを多くアップしていましたね。でもショートに特化したいわけではなく、色んな見せ方ができるようになりたかったので、今はレングスにこだわらずアップするようにしています」 ーメンズスタイルをインプットする上で意識されていることは? 「映画をよく見るので、出てきた髪型がカッコいいと思ったらその感じを覚えてスタイルをミックスさせたりはしますね。あとは、自分のお客さんが読んでそうな雑誌は読むようにするとか。でも結局、自分が通っている服屋と同じ店で買っている人が多かったりするので、意図せず結構ハマることもあります(笑)」 ーなるほど。高橋さんの空気感に惹かれて通うお客様も多いのでは? 「もしかしたら、そうかもしれないですね(笑)。気張った感じよりかは、抜け感があるスタイルが好きというか。僕自身ナチュラルだけど人と違う雰囲気は出したいと思っているので、そういうところを汲み取って来てくれる人が多いのかもしれないです」 ー最近気になっているヘアスタイルはありますか? 「海外の男の子のスタイルをよく見ていて、ボブスタイルで前髪を作っているヘアとかナチュラルなパーマウルフヘアとかやってみたいですね。ちょっとアンニュイな感じとか」 ー最後に理想の美容師像&将来のビジョンを教えてください 「今はメンズに特化していますが、最終的にはいろんな世代の人を切れるのが理想ですね。そして将来的には自分のお店を持ちたいです。今はSNSで集客をしていますが、もし自分のお店を構えるなら地域密着型のスタイルでやりたい。だからこそ女性の方や年齢の高い方もきちんとできるように勉強してるところです」 彼の穏やかな話し方とゆるい雰囲気とは裏腹に、やるべきことは厳しい環境に身を置いて極めていく姿勢が印象的でした。「これからやりたいことがたくさんある」と、教えてくれた高橋さん。今後の展開が楽しみです! <PROFILE> IRO スタイリスト 高橋拓海さん 1998年兵庫県出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒業後、大阪・南船場のサロンを経て、3年前に IRO へ入社。SNSではメンズスタイルに特化している。 Instagram : @_takumi_takahashi_ 〈SALON DATA〉 IRO /イロ 大阪市西区南堀江2丁目7-17-105 URL : http://iro-hair.com/
学生時代からの夢を叶えたHEAVENS・NASUさんに聞く「東京で働くこと」【後編】
『HEAVENS』 スタイリストの NASUさんに、トレンド発信基地であり、美容の最先端でもある東京で働くことをテーマにインタビュー。 最後となる【後編】では、スタイリストデビューを果たしたNASUさんに、これから叶えたい夢を聞いていきます。 一番はお客さまに喜んでもらうこと。有名になりたいとは思わない —スタイリストデビューをされて、率直な気持ちを聞かせてください。 日美のクラスメイトには、早々にデビューし、いまではセミナーを開催しているなど華々しく活躍している子もいて。そんな姿を見ていると「かっこいいな、自分ももっと頑張ろう!」と思いますね。今は、来てくださるわたしのお客さまを幸せにすることが目標です。 また、アシスタント時代と違い、スタイリストはお客さまから直接お金をいただくようになるので、その分責任感は増えましたね。 NASUさんが手がけるスタイル(Instagramより)。 —確かにスタイリストになると、集客とかも意識しないといけなくなりますよね。 だからInstagramを一層がんばるようになりました。正解がなくて、難しいんですけど……。どんな人なのか美容師の人となりがわかる方が来店しやすいかなと思うので、たまにプライベートのことを投稿してみたり。今は勉強中です。 わたしは、ちょっと重めのスタイルが好きなんですよね。ライン感を効かせたちょっとメリハリのあるカットスタイル。そういう得意なことや好きなものがわかるような投稿を心がけています。 —Instagramを拝見するといろいろなスタイルが掲載されていて、どれも素敵です!お話をうかがっていても、NASUさんだったらさまざまな悩みに幅広く対応してくれそうという安心を感じたのですが、やっぱりそういったお客さんは多いんですか? そうですね。悩みを抱えているお客さまは多いです。例えばクセ毛の方だったり、職業柄黒髪しかできない方だったり……。かつてのわたしがそうだったように『HEAVENS』で培った技術で、お客さんを幸せにしたいなと思っています。またそういったお客さまにリピートいただけるとすごくうれしいです! 酸性ストレートスタイルも得意。 ただ、ちょっと悩みに寄り添いすぎちゃうというところがあるので、お客さんの要望も叶えつつこういうスタイルも良いですよねみたいな、よりベストな提案をできるようになることが今の課題です。 夢は育ててもらった『HEAVENS』への恩返し —最後に、今の夢を教えてください。 正直、独立して経営者になりたいとかはないんですよ。『HEAVENS』のカットや空気感が好きなので、ずっとここにいたいですし、わたしもお客さまに感動を与えられる美容師になることが夢です。育ててもらった『HEAVENS』に恩返しできるようになりたいです。 <PROFILE> HEAVENS 本店 スタイリスト NASUさん 1997年生まれ。神奈川県出身。日本美容専門学校を卒業後『HEAVENS』に新卒入社。約4年のアシスタントを経て昨年スタイリストデビュー。カットと髪質改善メニューを得意とし、ゲストの悩みに寄り添うスタイルを大切にしている。最近はキャンプにハマっているそう。「全部自分でやりたい!という性分なので、ゼロからつくりあげないといけないところがおもしろいです」 Instagram : @nasuharuna <SALON DATA> HEAVENS 本店/ヘブンス ホンテン 東京都渋谷区神宮前5-12-10-1F HP : https://www.heavens.co.jp/ Instagram : @heavens_hair
学生時代からの夢を叶えたHEAVENS・NASUさんに聞く「東京で働くこと」【中編】
『HEAVENS』 スタイリストの NASUさんに、トレンド発信基地であり、美容の最先端でもある東京で働くことをテーマにインタビュー。 この【中編】では、苦しくもあったアシスタント時代をどう乗り越えたかを伺います。 4年間の下積み生活。がんばれたのは… —アシスタントを4年というと少し長いような気がします。何か大変だったことやつらいと感じたことはありましたか? 決して、甘いサロンではないことは覚悟していたんですけど……自分がここまでできないのかという壁にぶつかり、愕然としましたね。 特にデビュー前の1年間は過酷で。業務をしながら終業後は練習。休みの日はモデルハントに撮影にと、よく乗り越えられたなと思います(笑)。 ただこのアシスタント期間で、技術の向上だけでなく、自分に甘えがちな性格を鍛えられましたし、移動時間をリサーチに充てるとか、時間を無駄にしないという意識も身につきました。 —そんな時、支えになったものは何でしょう? まずは同期の存在が大きいです。実は専門学生のとき『HEAVENS』を勧めてくれた友人が同期なんです。ともに悩み、支え合える同期がいたことはとても心強かったです。 また母の教えが「自分で決めたことは最後までやり通せ」なんです。だから、幼少期の習い事などを通して、諦めないという土台や精神面の強さは自分のなかにずっとありました(笑)。 終電まで付き合ってくれる、厳しくも熱い先輩の存在 —逆に、アシスタント時代のうれしかったできごとはありましたか? やはり先輩の温かさでしょうか。できていないことにはダメだとストレートに指摘される厳しさはあったのですが、がんばる人にはとことん付き合ってくれました。 「おつかれさま」とバッグを背負って出ていこうとしていたのに、練習をしているわたしを見るとバッグを置いてハサミを持ってきて、終電ギリギリまで教えてくれる、なんて夜もあって。そんな先輩の姿勢を見て、余計がんばらなくちゃと励みになりましたね。 —たくさんの努力があってのデビューだったんですね。いざデビューが決まって何かお祝いはされましたか? すごくうれしい気持ちでいっぱいだったんですけど、特別お祝いみたいなことはしなかったですね。スタイリストになれたことがゴールではなくここからがスタート。気を引き締めました。 アシスタント時代を通して、一層『HEAVENS』を好きになったというNASUさん。【後編】では、今の目標や夢を伺います。 <PROFILE> HEAVENS 本店 スタイリスト NASUさん 1997年生まれ。神奈川県出身。日本美容専門学校を卒業後『HEAVENS』に新卒入社。約4年のアシスタントを経て昨年スタイリストデビュー。カットと髪質改善メニューを得意とし、ゲストの悩みに寄り添うスタイルを大切にしている。最近はキャンプにハマっているそう。「全部自分でやりたい!という性分なので、ゼロからつくりあげないといけないところがおもしろいです」 Instagram : @nasuharuna <SALON DATA> HEAVENS 本店/ヘブンス ホンテン 東京都渋谷区神宮前5-12-10-1F HP : https://www.heavens.co.jp/ Instagram : @heavens_hair
学生時代からの夢を叶えたHEAVENS・NASUさんに聞く「東京で働くこと」【前編】
ファッションやカルチャーのトレンド発信基地である東京。都内にあるヘアサロン数は約9000件を誇り、美容の最先端とも言えるでしょう。 そんなおもしろくも複雑な街で活躍する美容師さんに「東京で働く」をテーマにお話を聞いてみました。 今回は、ファッション好きがよく訪れることでも有名な『HEAVENS』 のスタイリスト、NASUさんです。 なぜ美容師という仕事を選んだのか。『HEAVENS』で働きたいと強く思うきっかけになった専門学生時代のできごと、挫けそうになったアシスタント期間を支えた母の言葉など。NASUさんのこれまでのエピソードから東京の美容師像を探っていきます。 単純な理由で入学した日美で、人生の友に出会う —NASUさんは、いつから美容師になることを決意したんでしょうか? 高校生のときですね。仲の良い先輩が美容専門学校に進学したんです。当時わたしもクラスメイトの髪の毛を染めたり、雑誌やYouTubeを参考にアレンジをしてあげたりしていて、「美容師、向いてるかも?」と感じていました。あとは、ファッションに興味があったので、自分の好きな服で働けるということも大きかったです。 —では、数ある学校の中で、日本美容専門学校(以下:日美)に入学を決めた理由は? その先輩が日美だったからですね。結構、単純な理由で選んじゃいました(笑)。 —いざ、入学してみてどうでしたか? それがものすごく良い環境だったんです!好きなものが一緒の仲間がいることが、まず良いですよね。入学してから、自分はあまり器用な方ではないことに気づいちゃったんです……(笑)。でも、みんな努力している、だからわたしもがんばろう!という気持ちにいつもさせられてました。今でもクラスメイトの存在は自分の刺激であり、支えになっています。 学生時代はスナップされたことも。 ヘア人生を変えた『HEAVENS』のカット —今働かれている『HEAVENS』と出会ったのも、専門学生の時でしょうか? そうですね。仲の良かった同級生に「いいよ」と紹介してもらって、『HEAVENS』に行ってみたんです。 わたし、すごいクセ毛なんですよね。だからサロンで「ショートにしたいんです」とお願いしても、毛質的にボブにしかしてもらえなくて……。そんな時『HEAVENS』の世良田さんは「いいじゃん、おもしろそう。やってみようよ!」と念願のショートにしてくれたんです。それが、本当にうれしくて。 サロンでセットしてもらったスタイルを自宅ではなかなか再現できない、って結構あるあるだと思うんですけど、ちゃんと自分でかわいくスタイリングできて、くせを活かしつつショートを楽しめたことに感動して、お客さんとして通うようになりました。 学生時代、HEAVENのスタッフにしてもらった髪型 —通われていくなかでここで働きたいという気持ちが大きくなったわけでしょうか? そうですね。お客さんへの対応やスタッフのみなさんの人間性、サロンの空気感がすごく良いなと。わたしも『HEAVENS』でお客さんを感動させられる美容師になりたいと憧れるようになりました。 「『HEAVENS』に落ちていたら、今、美容師をしていないです」 —そして、その夢を叶えるべく就職活動をされたと思うのですが、いかがでしたか?人気のサロンで、倍率も高そうなイメージがあります。 わたし、『HEAVENS』しか受けてないんです。ここで働けなかったらファッション関係の仕事に就こうと思ってました。正直、面接の手応えはまったくなくて……、想いの強さが伝わったのかなと思います。 念願だった『HEAVENS』への就職を決めたNASUさん。つづく【中編】では、下積みの苦労と腐らなかった理由を聞いていきます。 <PROFILE> HEAVENS 本店 スタイリスト NASUさん 1997年生まれ。神奈川県出身。日本美容専門学校を卒業後『HEAVENS』に新卒入社。約4年のアシスタントを経て昨年スタイリストデビュー。カットと髪質改善メニューを得意とし、ゲストの悩みに寄り添うスタイルを大切にしている。最近はキャンプにハマっているそう。「全部自分でやりたい!という性分なので、ゼロからつくりあげないといけないところがおもしろいです」 Instagram : @nasuharuna <SALON DATA> HEAVENS 本店/ヘブンス ホンテン 東京都渋谷区神宮前5-12-10-1F HP : https://www.heavens.co.jp/ Instagram : @heavens_hair