【人気アーカイブ記事】 ヘアサロンのハロウィンが面白い!? 本気の仮装スタイルを覗き見!
ハロウィンシーズンになり、ジワジワと読まれているリバイバル記事をご紹介! 〝美容師さんの本気”を是非是非チェックしてくださいね!
LOCCA・中野渡さんが指南!骨格タイプ別、似合わせヘアスタイル解説
似合わせヘアを作る上で大切な要素の一つが“骨格”。顔型に合わせるカットはよく聞きますが、最近では身体の骨格バランスを重視する美容師さんも増えているんです。 今回は東京・銀座にある、骨格診断をもとにヘアスタイル提案しているサロン『LOCCA』のスタイリスト中野渡さんに登場いただき、スタイル別の特徴とそれぞれが似合う髪型について解説していただきました! 教えてくれたのは… LOCCA スタイリスト / 中野渡 真利那さん 美容師歴8年目。パーソナルカラー1級、骨格診断2級、メイク検定2級の取得者。診断を活かしたデザインと好みに寄り添った似合わせのトータルビューティーをプロデュースをされている。 一骨格診断ができるサロンLOCCAとは? 「LOCCAではスタイリストになるタイミングで全員が資格を取得するんです。新規で来店していただいたお客様は必ず骨格診断を受けていただいて、カウンセリング。服装やライフスタイルから、理論に基づいて一人ひとりの似合わせスタイルを提案しています」 ーそれぞれの骨格をどうやって判断するの? 「了承を得た上で、お客様の身体を服の上から触れながら、骨格の状態を細かくチェックしていきます。見るポイントとしては、手首や指の関節、身体の厚み、肩から首、鎖骨、膝や足、手の大きさに至るまで。身体の様々な部分にそれぞれの骨格の特徴が表れているので見逃さないように意識しています」 「骨格タイプは「ストレート」「ウェーブ」「ナチュラル」の3タイプに分類されます」と中野渡さん。それでは早速それぞれの特徴とヘアについて教えていただきましょう! 骨格タイプ:ストレート 「骨格ストレートは、メリハリのあるボディーラインが特徴的です。外国人のような体型と言えば想像がつきやすいかもしれません。肌にハリがあってボリュームが出やすく、筋肉質に見えやすいのもこのタイプです」 骨格ストレートさんが似合うヘアスタイルは? ◎似合うヘア 「両極端ではありますが、肩上のショートかロング。特にコンパクトなショートヘアは得意とするスタイルです。身体にボリューム感が出るので、出来るだけタイトに仕上げてあげることが大事になります」 △イマイチなヘア 「レングスでいうと、ミディアムは注意が必要です。ストレートの方はなで肩で腱が発達しているため、そこへ厚みが出てしまうと重く見えてしまいがち。具体的なデザインで言うと特にAラインのボブは気をつけてほしいところです」 ☆解決法 「Aラインのミディアムヘアにするなら、毛先をタイトにして可能なら少しだけ短めに切らせてもらうと良いと思います。あとはフワッとしたポブよりも“ひし形"を意識する。広がりすぎないように、とにかく全体をコンパクトに仕上げることがキーワードになります」 骨格タイプ:ウェーブ 「骨格ウェーブタイプは、ストレートとは逆でボリュームを出しにくい体型。立体的に見える部分が少ないので、一番華奢に見えます。あとは鎖骨がしっかり出ていたり、下重心のボディーラインが特徴的ですね」 骨格ウェーブさんが似合うヘアスタイルは? ◎似合うヘア 「胸から鎖骨、肩周りのミディアムが似合います。一番華奢に見えるので、エアリー感のあるヘアがおすすめです。ストレートが苦手とするスタイルはウェーブの人が得意とする髪型だったりするんですよね(笑)」 △イマイチなヘア 「ショートは工夫が必要です。コンパクトなデザインのショートヘアは要注意。あとは、胸より下になるスーパーロングと言われるレングスもあまり似合わない。ロングヘアにするなら胸あたりの長さで留めておくのが良いかもしれません」 ☆解決法 「もしコンパクトなスタイルにするなら顔まわりにレイヤーを入れ動きや、少しボリュームをだすスタイルがマスト。ワンカールでシンプルに丸みを出して仕上げるといいと思います」 骨格タイプ:ナチュラル 「骨がしっかりしているのが骨格ナチュラルの特徴。細かいところで言うと、膝のお皿が大きかったり鎖骨の間が広かったり、手首や指の関節なども骨が張っていたり…。全体的に見てフレーム感がある印象です」 骨格ナチュラルさんが似合うヘアスタイルは? ◎似合うヘア 「実はナチュラルタイプの方は、レングスはあまり関係ないんです。どちらかというと、ボリューム感を出す方が大事。なのでコテで巻いた髪型や、ラフな動きが出るパーマスタイルは得意とするヘアスタイルになります」 △イマイチなヘア 「骨格ウェーブと同様コンパクトなショートは要注意。ナチュラルの方はフレーム感が強い分、お洋服はオーパーサイズのものが似合うんですが、そこにヘアをタイトに仕上げてしまうと全体的バランスがかなり悪くなって見えてしまいます」 ☆解決法 「もしコンパクトなスタイルにするなら、前髪に動きを出したり、毛先を外ハネにしたり、どこかに動きを取り入れたスタイリングはマスト。今っぽいレイヤースタイルやウルフヘアにしてあげるのも良いと思います」 ー顔の形じゃなくて、身体全体の骨格パランスをみる理由は? 「首から上だけを意識してスタイルを作っても、全体を見るとバランス的にあれ?ってなることがあるんです。例えば顔の輪郭だけで見ると丸みがあるヘアが似合うけど、身体の骨格上では苦手なタイプならボリュームが出過ぎて逆に太って見えてしまったりとか...。スタイルアップして見せるとなると、顔型だけでは足りないかもしれないですね」 一イマイチな髪型は避けた方が良い? 「あまり似合わないレングスでも、スタイリングや少しの工夫で全然スタイルアップするので決して提案してはいけないということではありません。解決策をお話ししたように、気をつけて施術をしてあげると◎。あくまで骨格診断はスタイルを模索するための指標と思って参考にすれば良いと思います」 顔の輪郭を意識することはあれど、身体の骨格から似合わせを作ることでスタイルアップが叶うとは目からウロコ。骨格カットの奥深さを今回知ることができました。お話いただいた中野渡さん、ありがとうこざいました。 <SALON DATA> LOCCA/ロッカ 東京都中央区銀座1-5-2銀座ファーストビル3階 https://www.locca.tokyo/
わたしの独立物語 【CLENN 弓さんの場合】
憧れの独立、開業。ヘアサロンの数だけ、その裏側には様々なストーリーが秘められているもの。 今回は愛知県名古屋市・鶴舞エリアでオープンして2年目のヘアサロン「CLENN」オーナー、 弓さんの独立ストーリーに迫っていきます。 教えてくれたのは… CLENN オーナー 弓さん 中日美容専門学校卒業後、株式会社サムソン入社。「SUPRAM」のトップスタイリストとしてサロンワークを中心に活躍。36歳で出産、38歳で独立したママ美容師。斬新なファッションやメイクでも注目されている。 Instagram : @clenn_yumi ー 独立を考えたきっかけは? 「初めは『SUPRAM』で働き続けるつもりでした。子どもを産んで、産休から戻ると働き方や給与面が変わるんですね。その時に、ママ美容師の現実はこうなのかと痛感しました。規則だからと受け入れられたけど、何か新しいことがしたかった。けど、面貸しで働くのもほかのサロンに行くのも、なんか違う。ママ美容師の可能性を広げることに挑戦したいと思ったのがきっかけです」 ー 物件はどのように探しましたか? 「複数の不動産にアポを取って、希望条件に合う物件情報を随時送ってもらうようにお願いしました。ギャラリーにもポップアップスペースにもなる場所を作りたくて…。広い物件を探すとなると、希望していたエリアではなかなか見つからず、視野を広げて選択肢を増やしたら、ここが見つかりました」 ー お店づくりでこだわったポイントは? 「いっぱいあります(笑)。一番のこだわりは、お客さま専用の充電器コンセント。美容室に限らず、あると気が利くなって思うんですよ。それで、ひとブースにつき1つ付けました」 ー 確かに、それは便利ですね!空間全体については? 「 『一生通えるサロン、一生働けるサロン』を目指しているので、その想いを体現しています。あえて見えるように配線しているのは、私たちスタッフ全員、心を開いて、取り繕うことなくお客様と向き合いたいから」 ー なるほど、スタッフの皆さんのスタンスが内包されているんですね。ちなみに「CLENN」の名前の意味は? 「縁側の『くれ縁』に由来していて、雨の日も晴れの日も座っているだけで四季を楽しむことができる場所のことを言います。美容室に来てくださるお客様も、座っているだけでワクワクできたらという想いを込めて、『くれ縁』を略してCLENN(クレン)にしました」 ー 実際にオープンしてみて、心境の変化はありますか? 「いまは覚悟が違いますね。今後スタッフが増える予定なんですが、親御さんが頑張って20歳まで育ててくれた子を預かって育てると思うと、責任重大です。仕事も子育ても疎かにしたくないから、お店のこと、スタッフのこと、子どものことを常に考えています。 子どもはわがままで言うことを聞かない(笑)。だからこそ鍛えられたし、将来この子が働く職場としてここ(CLENN)を見たら、考えたら、どうなんだろう?いいサロンかな?って。そういう目線になると、緊張感と隣り合わせ。そういう意味では、親になったタイミングで独立してよかったです」 ー 今後のビジョンを教えてください 「ビジョンとして『一生通えるサロン、一生働けるサロン』を掲げた以上、ここ(CLENN)だけでは難しいと思うんです。若いスタッフが増えてきたら、その子たちがメインのサロンをつくって。ママ美容師が増えたら、お互いが助け合えるママさんサロンをつくりたい。そんな夢はあるけど、お店づくりが先行するのは違う。いま携わってくれているスタッフが幸せであることが大事です。やっていく中で、ママ美容師ならではの価値観が活かされるときがくると思うから、そう信じて続けます」 最後に「デビューも独立も、みんなより遅かったけど、決めたらできます。できました。周りと比べないのが一番」と、弓さん。何事も挑戦することに年齢は関係ないと、教えてもらいました。また、ママ美容師ならではのお話をたくさんありがとうございました!次回の物語をお楽しみに。 <SALON DATA> CLENN/クレン 愛知県名古屋市中区千代田3丁目11−2 シャトー鶴舞 2F Instagram : @clenn.official
NEXT CREATOR'S #2 ADITION 渋谷 室 優菜さん
次世代のスタイリストさんにフォーカスをして、過去から現在、そして未来の美容師像のお話まで、さまざまな角度から迫っていくこちらの企画。 今回お話を聞かせてくれたのは ADITION 渋谷で働く、室 優菜さん。1年半前に大阪から上京した彼女は、今年の2月にカラーリストデビューを果たしたばかりだという。SNSで10万人以上のフォロワーがいる、インフルエンサーとしての一面を持つ彼女の美容師像とは!? ー大阪から最近上京されたそうですが、どんなきっかけがあったんですか? 「私、小学生の頃から美容師になることが夢だったんですね。だから「高校も卒業できたらいいや」という理由で、家の裏の学校を選んだくらい。行きたかった美容専門学校も卒業後に入社したサロンも全部家から自転車で15分圏内。20年以上そんな環境で過ごしてきたから、自分自身に怖くなっちゃって。地元を出て新しいことをしたいと思った時に、「一旦東京行っとくか!」ってなって。それで上京を決めました」 ー小学生の頃からもうすでに美容師の夢を!? 「理由は覚えて無いんですけど(笑)。でも美意識の高い母のおかげで、幼い頃からファッションや美容に関して触れる機会が多かったんです。子供用のメイク道具を誕生日に買ってもらったり、可愛い服をたくさん着せてくれたり…だから自然と容姿に関わることが好きになっていったのかもしれません。中学生になった頃にはもう行きたい専門学校も決めていて、そこに入学することだけを考えてました」 ー中学生でそこまで決めていたんですね。実際に入学してギャップとかはありませんでした? 「なかったです。むしろ美容師になりたい気持ちが強くなりました。というのも、中学生の頃から容姿にコンプレックスがあったんです。だからメイクなど、めちゃくちゃ研究しました。高校生の頃にようやく自分のスタイルを確立できて、そこから変わったんです。専門学校で本格的に勉強をするようになってから「自分がこれだけ変われたんだから、人も変えてあげられるな」って思うようになって。それが本格的な美容師の一歩だったのかなって思います」 ー美容師の夢を叶えてもう4年経ったわけですが…振り返ってどうですか? 「大阪時代は、技術というより接客を学んだ1年半でした。自分のスタイルについて考えるようになったのは東京に来てからです。上京してすぐの頃は専属のアシスタントとしてフリーランスサロンで働いていましたが、そのサロンが無くなることになってしまって。その頃に知り合ったのがADITIONのいさなさんでした。お声がけいただいて、一緒に働くようになってから自分自身の作りたいものや技術面と向き合い始めたように思います」 ー技術面はどうやって磨いていったんですか? 「ADITIONはデザインカラーが得意なので、サロンの先輩方に指導をしていただきました。あとは、営業終わりにカラーモデルを呼んでひたすら練習。入社してから毎日やり続けた甲斐があって、今年の2月にカラーリストとしてデビューさせてもらいました」 ーなるほど。とにかく経験を重ねられたんですね。では今一番頑張っていることはなんですか? 「今はカットを極めてきちんとスタイリストデビューをすることが目標です。私のフォロワーさんが男女半々くらいで、メンズでも私になりたいって言ってくれたりして…。性別関係なく私目当てできてくれるので、メンズもレディースもきちんとできるようになりたい。今日も営業終わりにウルフカットの試験があります(笑)」 ーセンスを磨く上でのインプットはどんなことをされていますか? 「インスタは見ていましたが、結局はバズってる美容師さんのマネじゃないですか。だからあまり参考にしなくなりました。そういえば最近、上野動物園に行ったんですけど色がキレイなカエルがいて。デザインに使えるかもって思って写真に残しておいたんです。そしたらこの前、初めてカラーをする高校生のお客様が来店してくださったんですけど、ブリーチで2色入れたいっていう要望があって。カウンセリングしていくうちにその時見たカエルの色を思い出して、ブルー系のアンブレラカラーにしたんです。これが良かったなと思って。案外、髪と関係ないことの方がインスピレーションになりますね」 ーSNSのフォロワーがかなりいらっしゃるみたいですが、いつから始めましたか? 「SNSの発信を始めたのは専門学生時代。2年生に上がった頃にコロナで学校に行けなくなってしまって。集客とか何かしないとなーって思って、まずはTikTokを始めました。投稿を続けていくうちに、フォロワーさんもバンっと増えていって17万人に。インスタグラムの方は、上京するまで1.7万人くらいだったんですけど、こっちで出会った人に「その感じで3万人くらい(フォロワーが)いないんだ」って言われたのがきっかけで火が着きました。それで絶対抜かしてやるという気持ちで頑張って、今では11万人の方にフォローいただいてます(笑)」 ーすごい!!簡単に抜かせるものですか!? 「とにかくやり続けました(笑)。あとはフォロワーと相性がいいものを考えて音源を選んだりとか、細かいところも気にしながら。でもカラーリストデビューするまで自分のスタイルを載せてこなかったので、11万人もフォロワーがいる割には全然集客に繋がらなかったんです。いさなさんに話を聞いてもらって「室(むろ)は美容師としての準備が弱かったな」とか言われたり(笑)。ようやく自分らしさもわかり、スタイルを載せ始めたのでこれからもっと集客に繋がっていけばいいな」 ー最後に理想の美容師像を教えてください。 「やっぱりお客様に憧れられる美容師ですね。SNSで自分の顔を上げていた分、私になりたい!って言ってくれる子もいて。実際に私を見て美容師になりたいって思ってくれた子が、今年美容専門学校を卒業して美容師になるんですよ。そんな話を聞くと容姿以外の部分でも人の人生って変えられるんだなって思って。美容師以前に「この人になりたい!」って思ってもらえる存在でありたいです。そのためにはファッションやメイクのことももっと知りたい。お客様に携わっていくならそれ以上の知識を持っておくべきだと思うし、そこに技術面もつくようになれば怖いものはないなと思っているので。長い目で見てそういう美容師になりたいですね」 小学生の時からの夢を叶えて、本格的に美容師としての人生を歩み始めた室(むろ)さん。独自の感性を磨き続ける彼女のスタイルに今後注目していきたいですね。 <PROFILE> ADITION 渋谷 カラーリスト 室 優菜さん 2001年大阪生まれ。関西美容専門学校卒業後、大阪・梅田のサロンで1年半働いたのち、東京へ。Tiktokで人気を集め、Instagramでも11万人のフォロワーを持つ注目のインフルエンサー美容師。 Instagram : @jilliy_61__ 〈SALON DATA〉 ADITION 渋谷 / アディション渋谷 東京都渋谷区神宮前5-29-10 クリプトメリア神宮前ビル3F URL : https://adition.jp/
NEXT CREATOR'S #1 IRO 高橋拓海さん
「NEXT CREATOR'S」では次世代のスタイリストさんにフォーカスをして、過去から現在、そして未来の美容師像のお話まで、さまざまな角度から迫ります。 今回お話を聞かせてくれたのは、IROスタイリストの高橋拓海さん。メンズのヘアスタイルを得意とし、彼のゆるやかな雰囲気に惹かれてやってくるお客さんが多いのだとか。そんな高橋さんの美容師としての歩みを伺っていきましょう。 ー本日はありがとうございます!早速ですが、まずは美容師になろうと思ったきっかけを教えてください。 「幼なじみのご両親が自宅で美容室をされていて。当時、その子の家にほぼ毎日遊びに行っていたので、自然と良いなって思うようになったんです。出身が神戸の田舎の方なのですが、将来はのんびりと美容師が出来れば…みたいな感じでしたね」 ー将来に対しての考えは今も変わらずですか? 「専門学生の時に、大阪へ来てから変わりました。都会で頑張ってる美容師さんと会う機会が多かったのと、サロンモデルも経験して「こういう世界もあるんだ!」と刺激を受けて。それからはこっちで頑張ろうと思うようになりました。東京は今のところ考えてないですが、僕が担当しているお客様が20代の方が多く、転勤や就職で上京する人が増えてきたので、ゆくゆくは…って考えることもあります。でも今は大阪で地盤を築いていきたいですね」 ー今のサロンが2店舗目ということですが、一番最初に就職した時はどうでした? 「最初のサロンは厳しいところだと聞いていましたが、僕自身そういう環境じゃないと出来ないタイプだし、基礎はちゃんとしたいなという気持ちがあったので就職を決めました。当時はたくさん練習しましたね。それこそ朝7時半に行って夜は終電で帰るを繰り返し。同じスタイルのテストも半年くらい落ちまくったりして…。とにかく基礎を叩き込んでもらいました」 ー相当な練習を積まれたんですね…!そこからIROへ転職を決めた理由はなんですか? 「IROのオーナーも同じサロンのOBだったんです。それで、たまたまお話する機会があって。共感する部分も多かったし、IROに通っているお客様の層も自分と合いそうだし、やってみたいって思ったので転職しました。最近はカフェを併設したサロンがオープンしたので、月交代で行き来しています。IROとまた違った雰囲気を楽しめるのが新鮮で楽しいですね」 ー高橋さんはメンズのスタイルに特化されているそうですね! 「スタイリストデビューをしたばかりの頃はメンズもレディースもSNSにアップしていたんですが、メンズの方がすごく反応が良くて。半年経ったくらいの時に絞って極めてみようかなって思うようになったんです。スパイキーショートヘアが最初人気だったので、このスタイルを多くアップしていましたね。でもショートに特化したいわけではなく、色んな見せ方ができるようになりたかったので、今はレングスにこだわらずアップするようにしています」 ーメンズスタイルをインプットする上で意識されていることは? 「映画をよく見るので、出てきた髪型がカッコいいと思ったらその感じを覚えてスタイルをミックスさせたりはしますね。あとは、自分のお客さんが読んでそうな雑誌は読むようにするとか。でも結局、自分が通っている服屋と同じ店で買っている人が多かったりするので、意図せず結構ハマることもあります(笑)」 ーなるほど。高橋さんの空気感に惹かれて通うお客様も多いのでは? 「もしかしたら、そうかもしれないですね(笑)。気張った感じよりかは、抜け感があるスタイルが好きというか。僕自身ナチュラルだけど人と違う雰囲気は出したいと思っているので、そういうところを汲み取って来てくれる人が多いのかもしれないです」 ー最近気になっているヘアスタイルはありますか? 「海外の男の子のスタイルをよく見ていて、ボブスタイルで前髪を作っているヘアとかナチュラルなパーマウルフヘアとかやってみたいですね。ちょっとアンニュイな感じとか」 ー最後に理想の美容師像&将来のビジョンを教えてください 「今はメンズに特化していますが、最終的にはいろんな世代の人を切れるのが理想ですね。そして将来的には自分のお店を持ちたいです。今はSNSで集客をしていますが、もし自分のお店を構えるなら地域密着型のスタイルでやりたい。だからこそ女性の方や年齢の高い方もきちんとできるように勉強してるところです」 彼の穏やかな話し方とゆるい雰囲気とは裏腹に、やるべきことは厳しい環境に身を置いて極めていく姿勢が印象的でした。「これからやりたいことがたくさんある」と、教えてくれた高橋さん。今後の展開が楽しみです! <PROFILE> IRO スタイリスト 高橋拓海さん 1998年兵庫県出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒業後、大阪・南船場のサロンを経て、3年前に IRO へ入社。SNSではメンズスタイルに特化している。 Instagram : @_takumi_takahashi_ 〈SALON DATA〉 IRO /イロ 大阪市西区南堀江2丁目7-17-105 URL : http://iro-hair.com/
「“大人男子のサードプレイス”『owl心斎橋店 produced by brace』とは【後編】
「soin de brace(ソワンドゥ・ブレス)」など、関西圏にヘアサロンを展開する株式会社ハーベンから、初のメンズサロン「owl(アウル)心斎橋店 produced by brace」が2023年6月にオープンしました。ここでは、スタイリストだけでなくブランドのプロデュースも手掛ける店長の辰井翼さんに、サロンに関するお話をたっぷり伺いました。 →前編はこちら 技術以上に接客を重要視 ―サロンとして最も誇れる技術を教えてください。 辰井:やはり、サロンの売りにもしているパーマですね。エリア的にも学生をメインターゲットとしているサロンが多い中、私たちは20代後半から30代前半の大人男性に振り切っているからこそ、頭皮に優しくて色気のあるハイクオリティなパーマをご提案しています。髪の毛をかき上げられるぐらいのレングスのほうが大人の色気を演出できてオススメです。 ―辰井さんご自身が誇れるものはありますか? 辰井:「ソワンドゥ・ブレス」時代から得意にしていたのは、襟足が長いスタイルのウルフカット。特に、ウルフカットの襟足にゴールドのインナーカラーを差し込んだスタイルを一時期心斎橋エリアでよく見かけましたが、そのスタイルを流行らせたのはおそらく自分だという自負があります。もっとも、デザインソースは私がかっこいいと思っている東京の美容師さんなんですけどね(笑)。 ―サロン内で大切していることとは? 辰井:誰でもSNSで知識や技術を手軽にインプットできる今、美容師に求められるのは接客力です。お客様の理想を引き出すカウンセリング力、理想に近づける提案力や対応力、完成したスタイルの再現性、ご来店のサイクル……。私たちがお客様一人ひとりの1年間のヘアスタイルプランをプロデュースできるぐらいにならないと、お客様にご満足いただけない状況になっていると思っています。その意味でも、私は技術よりも接客のほうに重要性を感じています。 ―スタッフの方にはどのような教育をされているのですか? 辰井:ずっと言い続けているのは、「自分に矢印を向けること」。技術的なミス、お客様からのクレーム、スタッフ間でのコミュニケーションエラーなどは業務で起こり得ることですが、自分に矢印を向けないとただの失敗で終わってしまいます。そうではなく、失敗を経験に変えてほしい。「こういう失敗があったから」ではなく「こういう経験があったから」と先につなげていくことが大切です。技術的な教育というよりは、仕事に対する姿勢や向き合い方を伝えることがほとんどですね。 ―スタッフ一人ひとりが自分事として捉えると。 辰井:お客様にとってのこのサロンは「サードプレイス」ですが、スタッフにとってのここは「セカンドプレイス」です。「アウル」というこの職場を誇れる環境にするためには、すべて自分たちで築いていく必要があります。スタッフ一人ひとりがサロンを動かしているという感覚を持ち、取り組んでほしいと思います。自分に矢印を向けることで、美容師として人として成長し、お客様から信頼を得られる存在になり、「アウル」が誇れる店になる。それが、「セカンドプレイス」の完成形だと思います。 関西圏でさらなる勢力拡大を視野に ―今後、サロンとしてチャレンジしてみたいことはありますか? 辰井:大人男性のメンズサロンとして地域で、関西で一番まで引き上げたいという想いはありますが、そのためにはまず、同じ目標や考えを持つスタッフを増やしていく必要があります。私の目標では2年間隔で1店舗ずつ増やし、35歳までに5店舗を展開するプランを立てています。 ―出店するエリアの目星も立っているのでしょうか? 辰井:今考えているのは、大阪では梅田と天王寺です。梅田には大人男性のカラーをメインとしたサロンを構想に入れています。というのも、メンズカラーの専門店は大阪ではそれほど多くないので、カラーに特化したメンズサロンを展開したいなと。天王寺はまだメンズサロンが浸透し切っていない大きな街なので、参入していきたいと考えています。大阪に3店舗開業した後は、「ソワンドゥ・ブレス」時代に長く勤めていた奈良と、地元の神戸にも1店舗ずつ出店したいですね。 ―どれも比較的大きな街ですね。 辰井:「大人男子のサードプレイス」という第3の場所は、できるだけ都会に出店したいと考えています。都会に出店すれば、競合するサロンが増えてテナント代も上がり、経営は難しくなります。ただ生半可なことを言うようですが、利益よりもブランドを大切にしたい。都会で成功すればブランド力は高まりますし、ブランドのコンセプトに合ったサロンを築くほうが自分たちの第2の場所として居心地が良く、幸せなんです。ただ、心斎橋店ほど広いサロンを設けることは、今のところ考えていません。 ―その理由とは? 辰井:今の心斎橋店はゆったりとした店内で、立地も満足しているのですが、きめ細やかなサービスと落ち着いた空間を考えれば、店舗面積はもう少し狭いほうがベターだとも思います。心斎橋店の席数は5席ですが、理想は3席。今後は3席か5席のサロンをベースに展開していきたいですね。 ―最後に、大阪エリア、関西エリアで「アウル」はどのような存在でありたいですか? 辰井:「アウル」を冠したお店は数多くありますが、その中でも「大阪の『アウル』と言えばメンズサロンだよね」と言っていただけるような存在になりたいですね。私自身、「アウル」の経営者というよりもブランドプロデューサーとしての気持ちのほうが強いと思います。「アウル=大人男性のサロン」というイメージが定着するよう、これからもブレずに突き進んでいきたいと思います。 <SALON INFO> owl心斎橋店 produced by brace/アウルしんさいばしてん プロデュースド バイ ブレス 大阪市中央区西心斎橋2-18-6 アベニュー心斎橋203号 Instagram :@owl_shinsaibashi
「“大人男子のサードプレイス”『owl心斎橋店 produced by brace』とは【前編】
「soin de brace(ソワンドゥ・ブレス)」など、関西圏にヘアサロンを展開する株式会社ハーベンから、初のメンズサロン「owl(アウル)心斎橋店 produced by brace」が2023年6月にオープンしました。ここでは、スタイリストだけでなくブランドのプロデュースも手掛ける店長の辰井翼さんに、サロンに関するお話をたっぷり伺いました。 仲間にも支えられて初のメンズサロンを実現 ―まず、店名にある「produced by brace」とは? 辰井:私たちが在籍する株式会社ハーベンの中で最も大きなサロングループが、「soin de brace(ソワンドゥ・ブレス)」になります。ハーベンが間もなく100周年を迎えることもあって、「ブレス」から初めてのメンズサロンを展開するという話に。メンズブランドの代表という名誉なポジションを預かり、「owl(アウル)」というブランド名まで命名させていただきました。名付ける際、運営元の「ブレス」から派生したブランドであることを発信するために、「produced by brace」を付けさせていただきました。 ―このサロンをオープンするまでの経緯は? 辰井:話はさかのぼりますが、私がハーベンに入社したのが今から約9年前。最初に配属されたのは、「ソワンドゥ・ブレス」の奈良店でした。当時の会社は女性にターゲットを絞った教育に力を入れていましたが、私はもともと「かっこいいスタイル」が好きで、自己集客のターゲットを男性に絞って営業していました。すると予想以上にニーズがあり、気が付けば一人勝ちしている状態に。次に配属された奈良県のあやめ池店でも同じような成果が得られたんです。 ―メンズ専門のサロンで勝負できる、と。 辰井:ある程度の確信はありました。あとは、仲間との出会いも大きかったですね。美容学生の就職活動や研修などを受け入れることも多い大型サロンの心斎橋店で勤務していた時のこと。ある時、メンズのスタイリングに特化していた私に興味を持って見学に来てくれた美容学生さんがいて、メンズスタイルの話などで盛り上がり、最終的にはハーベンに入社する流れに。最初は私と違う店舗に勤務していましたが、今では「アウル」のスタッフの一人として活躍してくれています。また、奈良店で一緒に働いていた後輩からも「僕もメンズに特化したいです」と想いをぶつけられました。メンズサロンの構想は決して独りよがりの考えではありません。一緒にやりたいと言ってくれる仲間たちが現れ、それに突き動かされたことで、「アウル」の立ち上げに至ったんです。 ワンランク上の大人男性に導く場所 ―サロンのコンセプトを教えてください。 辰井:「オトナ男子のサードプレイス」です。私はブランド名を考えるよりも先にコンセプトを決め、コンセプトに合ったブランド名や空間を考えていきました。大人男性の第3の場所を作りたいと思った理由としては、男性は基本的にバーバーや理髪店に行くことのほうが多いと思いますが、男性のための美容室が増えてきているという事実はまだそれほど認知されているわけではありません。そんな状況の中で、ターゲットは美容に興味・関心を強く持ち始めた世代。このような世代の方々を「アウル」というブランドでプロデュースし、ワンランク上の大人男性に導く場所にしたい、というのが私たちの想いです。 ―コンセプトから決めていったのですね。 辰井:やはり、店舗ごとでコンセプトがしっかり定まっていないと進むべき方向を見失い、スタッフ全員の足並みがそろわないですからね。立場的にも自分のポジションが上がれば上がるほど、後輩たちを同じ方向に導く舵取りが難しくなります。スタッフそれぞれの人生と言えばそれまでですが、せっかく一緒に仕事をしているわけですから、みんなで同じ方向に歩んで良い成果を得たい。大切なスタッフを路頭に迷わせるわけにはいきませんからね。その意味でも、コンセプト設定は本当に大事だと思います。 ―サロンの立地を心斎橋、アメリカ村の三角公園前に決めた理由とは? 辰井:求めている人しか訪れない運が舞い込んできた、という感じでした(笑)。物件を探していた2022年末のタイミングで、この物件が空きになるという連絡が入ってきて、これは運命だなと。契約する前にこの界隈のペルソナを考えた時、心斎橋や南船場、南堀江に勤務・在住の男性像をイメージしました。彼らが若者の集まる三角公園に来るのかと考えれば、おそらく来ないだろう、と。そこで、コンセプトとペルソナをつなぎ合わせるために後付けをしたんです。男性はどんなに早くても髪を切るペースは月1回。その月に1回、普段とは違う空気感を味わえる立地で、来店すればブラックを基調とした空間の中でサードプレイス感が味わえる、と。これが意外としっくりくると思ったので、この物件に決めました。 ―内装のこだわりはありますか? 辰井:「オトナ男子のサードプレイス」のコンセプトを体現するため、ブラック一色という非日常的で、ゆったり落ち着いた空間作りにはこだわりました。今後、スタッフやお客様の数が増えていったとしても、席数を増やすことは後からでも可能ですからね。あと、ご来店いただいたお客様がノスタルジーに浸っていただけるJ-POPやアニメソングをBGMで流しているのもポイントですかね(笑)。 ―BGMが邦楽とは珍しいですね。 辰井:お客様は20代後半から30代前半がコアターゲットになるので、その世代の方々が子どもの頃によく聞いていた曲、お父さんの車から流れていたような曲をBGMで流しています。こうしたサービスもメンズサロンならではだと思います。かっこよくなっていただくだけでなく、「寛ぎたい」「気分を上げたい」といった感覚的な付加価値にも働きかけたいと思っています。 後編に続きます。 <SALON INFO> owl心斎橋店 produced by brace/アウルしんさいばしてん プロデュースド バイ ブレス 大阪市中央区西心斎橋2-18-6 アベニュー心斎橋203号 Instagram :@owl_shinsaibashi
ママ美容師の働き方、どうしてる? #2 liberta マツイ マイさん
妊娠・出産は美容師女性にとっても、今後の人生に影響する大事なこと。ママになっても活躍する美容師さんってどうやって仕事をしているの?育児とサロンワークのバランスは?今回は京都のヘアサロン「liberta」で働くマツイ マイさんにその実態を聞いてみました。 ▼今回教えてくれたのはこの人 liberta スタイリスト マツイ マイさん 9歳と1歳の女の子を持つ二児の母。2011年に京都にあるデザイナーズサロン「liberta」へ入社。第1子と第2子の妊娠〜出産まで、サロンで働きながら経験。スタイルを作る上で意識していることは「その人らしさ」を大切にすること。 Instagram:@liberta_mai Q.美容師とママ、1日のスケジュールを教えて! 「朝7時頃に起床して、長女が学校に行くのが7時40分頃なので、それまでに朝ごはんを食べさせたり、準備をしたりします。8時40分頃に次女を保育園へ送ってから一旦家に帰って家事とかをします。10時頃に家を出て11時頃からサロンワーク。17時には退勤して18時頃に次女のお迎えと長女が帰宅。そしてみんなでお風呂タイムをして、夕食を食べて21時には寝ているというのが基本的な1日の流れですね」 Q.第1子の妊娠の時、産休・育休制度はどうだった? 「当時はまだ小さいサロンだったので福利厚生というものが整備されていなかったんです。私もその時は社会保険ではなく、国保(国民健康保険)だったくらい。なので最初の子を妊娠した時に1回辞めて無職になったんですよ。それから出産を経て、子供が保育園に入った頃にまた同じところで働き始めました。なので第1子の時は本当に大変でしたね」 Q.それから月日が経って、第2子の妊娠・出産はどうだった? 「長女の時が本当に大変だったので、第2子を考えた時は旦那さんとすごく話し合いました。旦那さんが1人目の時「ちょっと飲みに行ってくる」っていうのが本当に多くて。それだと2人目はなかなか難しいと思っていたし、私自身はすごく慎重に考えていました。でも旦那さんが望んでくれたし、実際に下の子が産まれてからはすごく意識も変わって、今ではすごくサポートをしてくれています。サロンも7年間で大きく変わって、福利厚生がしっかり整えられました。社会保険にも入れてもらって、産休・育休もちゃんといただきました。でも住んでいる地域の保育所事情もあって、12月に出産して結局4月には復帰していましたが(笑)」 Q.ママになってからのサロンの働き方は? 「オーナーとはその都度話し合いを重ねて、2段階で働き方が変化していきました。最初は時間給+歩合で働いていたのですが、色々ややこしくなってしまって。今は完全歩合制で働いています。そういう働き方になったことで、予約を自由に調整することができて今は本当に働きやすい環境になりました。働く時は働く、休む時は休むっていうメリハリが良いですね。でもサロンで出来ることは限られているので、ミーティングの参加やスタッフの技術レッスンなど、出来ることはなるべく参加するようにしています」 Q ママ美容師の大変なことは? 「私にしかできない仕事だからこそ、子供が熱を出すといったようなイレギュラーなことが起きるとやっぱり大変です。別のスタッフで対応が可能な時は代わってもらうこともありますが、基本的にはやっぱり子供を見てもらえる人を探すことが優先になっちゃう。少し可哀想な気持ちもありますが、仕事はどうしても責任が伴ってしまうので…。なので子供も含めて周りとは常に仲良しの関係性を築いていくことを大切にしています」 Qママと美容師、楽しむコツは? 「美容師をしていて良かったなって思うことが、例えばプライベートでイベントに行ったり、ご飯を食べに行ったり、遊びに行ったとしても自分の広告になるんですよ。それに「liberta」という看板を背負って楽しそうに美容師をやっているとサロンにとっても良い印象になる。子供のお陰で今は休みやすい環境になったので、一緒に遊びに行って楽しみつつも美容師としての顔も広めていく。そうしていると自分自身も楽しいし、結果的に美容師のお仕事にも繋がっているのでそれはすごく良いですね」 Q ママになってからサロンの客層って変化した? 「変化しました。最近はママでもオシャレをしたい人がお客さんで多いような気がしています。同じママという立場だからこそ、提案できるスタイルがあると思うんですよね。あとは、意外に話し相手がいないっていうママって多くて。そうなるとやっぱり同じ立場の人の方が話しやすいからという理由でサロンに来てくれる方も増えました。なので最近はファミリーやママのお客様が多いですね」 Q 将来の夢は? 「いつか自分のお店を持つこと。自分が決めたモノに囲まれた環境でサロンワークをしてみたいという願望がありますね。でも今はまだ下の子も小さいし、まだまだサロンに恩返しをしたい気持ちもあるのでこれは少し先の夢となりそうですが…。なので子供が小さいうちにできることをしっかりして、いつかは自分のお店を持てるように頑張っていきたいと思います!」 サロンと一緒にお互いにとって良い方法を模索して、美容師としてもママとしても楽しまれているところがとても印象的でした。今回登場していただいたマツイ マイさんありがとうございました。 <SALON DATA> liberta /リベルタ 京都市中京区六角通高倉東入ル南側2F http://www.liberta-kyoto.com/ Instagram:@liberta_kyoto
【My Rules】若手人気美容師、いさなさんに聞く5つのルール
入社1年目でデビュー、美容師、美容学生が選ぶ人気美容師ランキングに史上最年少でランクインを果たしインスタグラムのフォロワーも11万人以上…。数々の輝かしい経歴を更新し続ける今大注目の若手美容師、いさなさんにマイルールを教えていただきました。若くして成功する秘訣は一体…!? ▼今回教えてくれたのは… ADITION 渋谷 トップスタイリスト いさなさん 大阪府出身。美容師歴3年目。入社1年目でカラーリストとしてデビューを果たし、初月の売り上げ100万円を達成するという異例の経歴の持ち主。美容業界でも注目を集める若手美容師。 Instagram :@__07hria #1 スタッフ全員と毎朝グータッチしておはようの挨拶 「僕のルールというより、お店のルールなんです。一人ひとりちゃんと“触れて”挨拶することを心がけています。グータッチしながら、おはようと言うことで絶対目を見て挨拶できるんですよね。そういったスタッフ同士のコミュニケーションっていうところは大事にしています」 #2 早寝早起き。生活リズムを整えること 「特に大切なのは余裕を持って起きること。出勤の2時間前くらいには起きるようにしています。美容師の仕事ってコミュニケーションを取りながら色々なことを考えないといけない。だから脳をしっかり起こしてあげることが大事なのかなと。そういう生活をしていると必然的に早く寝るようになりました」 #3大切なことはメモに残す。 「自分の中での接客のルールなどは日頃からスマホにメモをしています。例えば、一番大切にしていることなんですが、お客様目線のカウンセリングを考えてあげるとか。こういう習慣が付いたのは自分自身でセミナーを開くようになってからですね。セミナーって自分のことを話さないといけないので必ず予習、復習の時間がいる。そういう資料作りに役立てられるように始めたのがきっかけです」 #4 SNSは0から1を作っていく気持ちで 「僕のSNSって実はあまり中身が無いんですよ(笑)。というのも、他の美容師さんってトレンドとかフィードの上げ方にこだわったりすると思うのですが、僕は基本的にアップしたいものを投稿していくスタイル。流行りとかに合わせて投稿するって1を100にする作業だと思うのですが、そうじゃなくって0を1に出来るのかっていうところを心がけています。トレンドは気にせず自分の作りたいものを作る、結果それがトレンドになれば良いなと」 ちなみに、いさなさんのインスタグラムがこちら。フォロワーは11万人を超えている(※取材日時点)。メンズのグラデーションカラーが話題を呼び、最高で85,000イイねがついたこともあるのだとか…!有言実行とはまさにこのこと! #5 リフレッシュにサウナタイム! 「サウナにハマっていて、週に3〜4日くらい通っていますね。だいたいサロンワークの終わりに行くことが多いのかな。2番目のルールで早起きを挙げたんですけど、サウナに入った次の日は自分が決めている時間に起きれないこともよくあります(笑)。でもそれが良かったりするんですよね。ちなみに最近のお気に入りは恵比寿にあるサウナです!」 人気美容師、いさなさんに聞いた5つのルール、いかがでしたでしょうか。弱冠23歳とは思えないほどの様々な功績を残している裏で、日々の積み重ねを大切にされている印象でした。今回貴重なお話を聞かせていただいた、いさなさん。本当にありがとうございました! 〈SALON DATA〉 ADITION 渋谷 / アディション渋谷 東京都渋谷区神宮前5-29-10 クリプトメリア神宮前ビル3F URL : https://adition.jp/
わたしの独立物語 【RUKA hair make 前川 明日香さんの場合】
憧れの独立、開業。ヘアサロンの数だけ、その裏側には様々なストーリーが秘められているもの。 今回は6年前に大阪・四ツ橋で「RUKA hair make」をオープンさせた、前川 明日香さんの独立ストーリーに迫っていきます。 ▼今回教えてくれたのは… RUKA hair make オーナー 前川 明日香さん 美容師歴19年目。大型サロンをはじめとする3店舗で美容師としての経験を重ねる。2018年に大阪・四ツ橋に「RUKA hair make 」をオープン。その人らしさはもちろん、ゲストの「その時々の気分」を汲み取ることを大切にしている。 Instagram : @maekawa__asuka ー 独立をしようと思ったきっかけは? 「前のサロンでは10年勤めていたんですが、店舗責任者という立場だったのでスタッフ教育とか任されるんですね。そうすると若い子たちがどんどん入ってきて、そしてその子たちもスタイリストになっていく。それに伴って客層も変わっていくんですよ。当時30歳だったんですが、20代前半の子が連れてくるお客様と自分のお客様が同じ空間にいることに少し違和感を感じてしまったことがあったんです。それが最初のきっかけでした。あとは、自分が独立をすることでジュニアスタイリストの子たちが更に成長をするきっかけになれば良いなと思ったので、最初は前のサロンのフランチャイズという形でお店をオープンさせました」 ー フランチャイズという形をとった理由は? 「長く働いた分、愛着もあったということと、スタッフの教育を任されている立場だったということもあって。私がまだ出来る事が残っているかもしれないし…このサロンは出るけど、いつでも相談しにきていいよみたいな感じにしたくて。そういう風に繋がっている方が良いのかなと思ったんです。なので最初の数年間はフランチャイズにして、後々完全独立するっていう形にしました」 ー 独立を決めてからオープンまで、準備期間はどれくらい? 「30歳の時にオーナーには32歳でフランチャイズで独立したいってことを伝えていました。最初の1年間は前のサロンの引き継ぎとか店舗体系を整えていきつつ、残りの1年間で自分のサロンの準備をしていったって感じですかね。店舗探しから施工まではサロンワークと並行して進めていて、オープンする1週間前まで前のサロンで働いていました(笑)。ここは元々居抜き物件だったということもあり、施工は1ヶ月くらいだったと思います」 ー 元々お店のイメージとかはあったんですか? 「そんなに派手にはしたくなくて、ナチュラルにしたというくらいですかね。あとは入口とかに植物を増やすっていうのは決まってたんです。それと小さい観葉植物とかも増えていくんだろうなっていうのは思っていて。商品やお花とか植物が増えても気持ち良く並ぶように、シンプルに抑えつつも全体の店舗のトーンや色味は統一してもらいました」 ー RUKAというサロンで大切にしていることは? 「自然体でいられること。なのでサロンの名前も光や水といった自然の要素の意味合いを持つ言葉を組み合わせて考えました。例えば40歳だからブリーチは年相応じゃないとか、何歳になったからこうしないといけないという考え方が結構苦手で。自分がテンション上がるならいいやんっていう思いが純粋にあったんですけど。でもどうしても気になる方は気にしちゃうと思うんですよね。だからこのRUKAに通われる方は、自分がいいと思うスタイルをしてもらいたし、それが手助けできるサロンであれたらいいなっていう思いでやっています」 ー 1日何人くらいのお客さんを対応していますか? 「今は完全に一人でしているので、ベースは5人ですね。それぞれキャパがあると思うんですけど、私は最初から最後まで同じテンションと空気感が一定でいける限度が5人ということがこの6年でわかりました(笑)。最初はアシスタントもいたので、5人以上でも問題は無かったのですが、完全に独立してから同じテンションでやっているとめちゃくちゃ疲れるんですよ。施術はもちろん何年もやってるから漏れがあるわけではないけれど、朝一番のお客様と一番最後のお客様に同じ金額を払っていただくのに自分の体力の関係で接客が変わるのが良くないなと思って。やっぱり疲れているのがわかるような接客をされるとお客様も心地よくないし、自分もやっていて楽しくないですし。そういう意味で基本的には1日5人という形を取っています」 ーサロンの話から少し逸れるのですが、前川さんは「香り」のブランドもされていますよね。そもそも始めたきっかけというのは? 「最初はRUKAのオープンに合わせて、調香師さんにお願いしてオリジナルの香りを調合したミストを販売していたんです。元々私が髪を切る時に「色香」っていう言葉を大切にしていて。その人のムードとか香りってなんとなく覚えているじゃないですか。この人っぽい!みたいな。それで私も髪型を作った時に、RUKAっぽいスタイルっていうものが出来ると思うんですが、そこに香りが足されると更にムードが出て良いんじゃないかと思って香りを作り始めたところからですね」 ー 美容室のオリジナルアイテムではなくブランドとして確立させた理由は? 「サロンを作るときも今もずっと思っていることなんですが、出来るだけ固定概念って無い方がいいなって思うんです。美容室だからこれを販売しているっていうのが無い方が自分の中ではやりやすいと感じたんです。もちろんそれが売りになることだってあるじゃないですか。このサロンが取り扱っているなら、安心して買えるみたいな。でもサロンは関係なく、良い物は良いし逆に美容室っていう枠があることで色々囚われてしまうように感じてしまって。そういう枠を飛び出して自由にいろんな人に広まって欲しいと思ったので、いっそのこと香りに関しては美容室と切り離して「Fyeeka(フィーカ)」というブランドにしました。今はオリジナルのエッセンシャルオイルを3種類と髪に直接つけられるバームを2種類、それとお香などをセレクトして販売しています」 ー 最後に今後のビジョンを教えてください 「ここでお花屋さんとかお菓子屋さんを呼んできて、美容室とは関係なくポップアップとかワークショップのイベントを不定期に開催しているんです。っていうのも美容室に通われる方って髪を切りに行くという共通の目的があるじゃないですか、自分自身が綺麗になるという。でもそういう場所でイベントをするとそこがちょっと崩れる。そうする事で元々出会うはずだったかもしれないけど、今まで出会ってこなかった人たちがサロンに集まったりする。逆にインスタを見ていて、別に髪を切る用事はないけどサロンは気になるみたいな人も気兼ねなく来れるんですよね。そういう出会いを提供できる場作りはこれからもしていきたいと思っています。でも全く一緒の人を集めたいわけじゃなくて、今までの概念を崩してくれる人との出会いがあれば更に良いですね。そうなるともっと楽しいんじゃないかな。元々このサロンの空気感が好きで通ってくれている人たちなら尚更、この世界観での新たな出会いを通して違うことにチャレンジしてみようかなって思うきっかけになって欲しいですね。例えば髪型も50歳過ぎてからでも金髪にしても良いんだ! みたいな、そういうきっかけを楽しんでもらえる場を提供し続けたいです」 独立しようと思ったきっかけから、サロンでの大切にしていること、そして香りのブランドに今後のこと。全てが「自然体であること」「枠にとらわれないこと」という軸を持ってチャレンジしている姿勢がとても素敵でした。貴重なお話を聞かせていただいた前川さん、ありがとうございました!また次回の物語をお楽しみに。 <SALON DATA> RUKA hair make/ルカ ヘアメイク 大阪市西区新町1-8-10 HP : https://www.rukahairmake.com/ Instagram : @rukahairmake