「“大人男子のサードプレイス”『owl心斎橋店 produced by brace』とは【後編】
「soin de brace(ソワンドゥ・ブレス)」など、関西圏にヘアサロンを展開する株式会社ハーベンから、初のメンズサロン「owl(アウル)心斎橋店 produced by brace」が2023年6月にオープンしました。ここでは、スタイリストだけでなくブランドのプロデュースも手掛ける店長の辰井翼さんに、サロンに関するお話をたっぷり伺いました。 →前編はこちら 技術以上に接客を重要視 ―サロンとして最も誇れる技術を教えてください。 辰井:やはり、サロンの売りにもしているパーマですね。エリア的にも学生をメインターゲットとしているサロンが多い中、私たちは20代後半から30代前半の大人男性に振り切っているからこそ、頭皮に優しくて色気のあるハイクオリティなパーマをご提案しています。髪の毛をかき上げられるぐらいのレングスのほうが大人の色気を演出できてオススメです。 ―辰井さんご自身が誇れるものはありますか? 辰井:「ソワンドゥ・ブレス」時代から得意にしていたのは、襟足が長いスタイルのウルフカット。特に、ウルフカットの襟足にゴールドのインナーカラーを差し込んだスタイルを一時期心斎橋エリアでよく見かけましたが、そのスタイルを流行らせたのはおそらく自分だという自負があります。もっとも、デザインソースは私がかっこいいと思っている東京の美容師さんなんですけどね(笑)。 ―サロン内で大切していることとは? 辰井:誰でもSNSで知識や技術を手軽にインプットできる今、美容師に求められるのは接客力です。お客様の理想を引き出すカウンセリング力、理想に近づける提案力や対応力、完成したスタイルの再現性、ご来店のサイクル……。私たちがお客様一人ひとりの1年間のヘアスタイルプランをプロデュースできるぐらいにならないと、お客様にご満足いただけない状況になっていると思っています。その意味でも、私は技術よりも接客のほうに重要性を感じています。 ―スタッフの方にはどのような教育をされているのですか? 辰井:ずっと言い続けているのは、「自分に矢印を向けること」。技術的なミス、お客様からのクレーム、スタッフ間でのコミュニケーションエラーなどは業務で起こり得ることですが、自分に矢印を向けないとただの失敗で終わってしまいます。そうではなく、失敗を経験に変えてほしい。「こういう失敗があったから」ではなく「こういう経験があったから」と先につなげていくことが大切です。技術的な教育というよりは、仕事に対する姿勢や向き合い方を伝えることがほとんどですね。 ―スタッフ一人ひとりが自分事として捉えると。 辰井:お客様にとってのこのサロンは「サードプレイス」ですが、スタッフにとってのここは「セカンドプレイス」です。「アウル」というこの職場を誇れる環境にするためには、すべて自分たちで築いていく必要があります。スタッフ一人ひとりがサロンを動かしているという感覚を持ち、取り組んでほしいと思います。自分に矢印を向けることで、美容師として人として成長し、お客様から信頼を得られる存在になり、「アウル」が誇れる店になる。それが、「セカンドプレイス」の完成形だと思います。 関西圏でさらなる勢力拡大を視野に ―今後、サロンとしてチャレンジしてみたいことはありますか? 辰井:大人男性のメンズサロンとして地域で、関西で一番まで引き上げたいという想いはありますが、そのためにはまず、同じ目標や考えを持つスタッフを増やしていく必要があります。私の目標では2年間隔で1店舗ずつ増やし、35歳までに5店舗を展開するプランを立てています。 ―出店するエリアの目星も立っているのでしょうか? 辰井:今考えているのは、大阪では梅田と天王寺です。梅田には大人男性のカラーをメインとしたサロンを構想に入れています。というのも、メンズカラーの専門店は大阪ではそれほど多くないので、カラーに特化したメンズサロンを展開したいなと。天王寺はまだメンズサロンが浸透し切っていない大きな街なので、参入していきたいと考えています。大阪に3店舗開業した後は、「ソワンドゥ・ブレス」時代に長く勤めていた奈良と、地元の神戸にも1店舗ずつ出店したいですね。 ―どれも比較的大きな街ですね。 辰井:「大人男子のサードプレイス」という第3の場所は、できるだけ都会に出店したいと考えています。都会に出店すれば、競合するサロンが増えてテナント代も上がり、経営は難しくなります。ただ生半可なことを言うようですが、利益よりもブランドを大切にしたい。都会で成功すればブランド力は高まりますし、ブランドのコンセプトに合ったサロンを築くほうが自分たちの第2の場所として居心地が良く、幸せなんです。ただ、心斎橋店ほど広いサロンを設けることは、今のところ考えていません。 ―その理由とは? 辰井:今の心斎橋店はゆったりとした店内で、立地も満足しているのですが、きめ細やかなサービスと落ち着いた空間を考えれば、店舗面積はもう少し狭いほうがベターだとも思います。心斎橋店の席数は5席ですが、理想は3席。今後は3席か5席のサロンをベースに展開していきたいですね。 ―最後に、大阪エリア、関西エリアで「アウル」はどのような存在でありたいですか? 辰井:「アウル」を冠したお店は数多くありますが、その中でも「大阪の『アウル』と言えばメンズサロンだよね」と言っていただけるような存在になりたいですね。私自身、「アウル」の経営者というよりもブランドプロデューサーとしての気持ちのほうが強いと思います。「アウル=大人男性のサロン」というイメージが定着するよう、これからもブレずに突き進んでいきたいと思います。 <SALON INFO> owl心斎橋店 produced by brace/アウルしんさいばしてん プロデュースド バイ ブレス 大阪市中央区西心斎橋2-18-6 アベニュー心斎橋203号 Instagram :@owl_shinsaibashi
「“大人男子のサードプレイス”『owl心斎橋店 produced by brace』とは【前編】
「soin de brace(ソワンドゥ・ブレス)」など、関西圏にヘアサロンを展開する株式会社ハーベンから、初のメンズサロン「owl(アウル)心斎橋店 produced by brace」が2023年6月にオープンしました。ここでは、スタイリストだけでなくブランドのプロデュースも手掛ける店長の辰井翼さんに、サロンに関するお話をたっぷり伺いました。 仲間にも支えられて初のメンズサロンを実現 ―まず、店名にある「produced by brace」とは? 辰井:私たちが在籍する株式会社ハーベンの中で最も大きなサロングループが、「soin de brace(ソワンドゥ・ブレス)」になります。ハーベンが間もなく100周年を迎えることもあって、「ブレス」から初めてのメンズサロンを展開するという話に。メンズブランドの代表という名誉なポジションを預かり、「owl(アウル)」というブランド名まで命名させていただきました。名付ける際、運営元の「ブレス」から派生したブランドであることを発信するために、「produced by brace」を付けさせていただきました。 ―このサロンをオープンするまでの経緯は? 辰井:話はさかのぼりますが、私がハーベンに入社したのが今から約9年前。最初に配属されたのは、「ソワンドゥ・ブレス」の奈良店でした。当時の会社は女性にターゲットを絞った教育に力を入れていましたが、私はもともと「かっこいいスタイル」が好きで、自己集客のターゲットを男性に絞って営業していました。すると予想以上にニーズがあり、気が付けば一人勝ちしている状態に。次に配属された奈良県のあやめ池店でも同じような成果が得られたんです。 ―メンズ専門のサロンで勝負できる、と。 辰井:ある程度の確信はありました。あとは、仲間との出会いも大きかったですね。美容学生の就職活動や研修などを受け入れることも多い大型サロンの心斎橋店で勤務していた時のこと。ある時、メンズのスタイリングに特化していた私に興味を持って見学に来てくれた美容学生さんがいて、メンズスタイルの話などで盛り上がり、最終的にはハーベンに入社する流れに。最初は私と違う店舗に勤務していましたが、今では「アウル」のスタッフの一人として活躍してくれています。また、奈良店で一緒に働いていた後輩からも「僕もメンズに特化したいです」と想いをぶつけられました。メンズサロンの構想は決して独りよがりの考えではありません。一緒にやりたいと言ってくれる仲間たちが現れ、それに突き動かされたことで、「アウル」の立ち上げに至ったんです。 ワンランク上の大人男性に導く場所 ―サロンのコンセプトを教えてください。 辰井:「オトナ男子のサードプレイス」です。私はブランド名を考えるよりも先にコンセプトを決め、コンセプトに合ったブランド名や空間を考えていきました。大人男性の第3の場所を作りたいと思った理由としては、男性は基本的にバーバーや理髪店に行くことのほうが多いと思いますが、男性のための美容室が増えてきているという事実はまだそれほど認知されているわけではありません。そんな状況の中で、ターゲットは美容に興味・関心を強く持ち始めた世代。このような世代の方々を「アウル」というブランドでプロデュースし、ワンランク上の大人男性に導く場所にしたい、というのが私たちの想いです。 ―コンセプトから決めていったのですね。 辰井:やはり、店舗ごとでコンセプトがしっかり定まっていないと進むべき方向を見失い、スタッフ全員の足並みがそろわないですからね。立場的にも自分のポジションが上がれば上がるほど、後輩たちを同じ方向に導く舵取りが難しくなります。スタッフそれぞれの人生と言えばそれまでですが、せっかく一緒に仕事をしているわけですから、みんなで同じ方向に歩んで良い成果を得たい。大切なスタッフを路頭に迷わせるわけにはいきませんからね。その意味でも、コンセプト設定は本当に大事だと思います。 ―サロンの立地を心斎橋、アメリカ村の三角公園前に決めた理由とは? 辰井:求めている人しか訪れない運が舞い込んできた、という感じでした(笑)。物件を探していた2022年末のタイミングで、この物件が空きになるという連絡が入ってきて、これは運命だなと。契約する前にこの界隈のペルソナを考えた時、心斎橋や南船場、南堀江に勤務・在住の男性像をイメージしました。彼らが若者の集まる三角公園に来るのかと考えれば、おそらく来ないだろう、と。そこで、コンセプトとペルソナをつなぎ合わせるために後付けをしたんです。男性はどんなに早くても髪を切るペースは月1回。その月に1回、普段とは違う空気感を味わえる立地で、来店すればブラックを基調とした空間の中でサードプレイス感が味わえる、と。これが意外としっくりくると思ったので、この物件に決めました。 ―内装のこだわりはありますか? 辰井:「オトナ男子のサードプレイス」のコンセプトを体現するため、ブラック一色という非日常的で、ゆったり落ち着いた空間作りにはこだわりました。今後、スタッフやお客様の数が増えていったとしても、席数を増やすことは後からでも可能ですからね。あと、ご来店いただいたお客様がノスタルジーに浸っていただけるJ-POPやアニメソングをBGMで流しているのもポイントですかね(笑)。 ―BGMが邦楽とは珍しいですね。 辰井:お客様は20代後半から30代前半がコアターゲットになるので、その世代の方々が子どもの頃によく聞いていた曲、お父さんの車から流れていたような曲をBGMで流しています。こうしたサービスもメンズサロンならではだと思います。かっこよくなっていただくだけでなく、「寛ぎたい」「気分を上げたい」といった感覚的な付加価値にも働きかけたいと思っています。 後編に続きます。 <SALON INFO> owl心斎橋店 produced by brace/アウルしんさいばしてん プロデュースド バイ ブレス 大阪市中央区西心斎橋2-18-6 アベニュー心斎橋203号 Instagram :@owl_shinsaibashi
大阪・北加賀屋の新サロン『DOUBLE M』の的場ご夫妻を直撃④
スタイリスト歴16年の美容師と元ウェディングプランナーの的場さんご夫妻が営む『DOUBLE M』は、2023年2月に大阪・北加賀屋にオープンしたばかりの新サロン。サロンの特徴、開業準備、役割分担、今後の目標など、お二人のリアルなエピソードを全4回にわたってお届けします。 →大阪・北加賀屋の新サロン『DOUBLE M』の的場ご夫妻を直撃①はこちら →大阪・北加賀屋の新サロン『DOUBLE M』の的場ご夫妻を直撃②はこちら →大阪・北加賀屋の新サロン『DOUBLE M』の的場ご夫妻を直撃③はこちら 左:オーナー/スタイリスト 的場 千敏さん 石川県出身。22年間勤めた大正区のサロンから独立。きめ細やかで丁寧なカウンセリング・スタイリングで、お客様一人ひとりの理想を叶える。 右:アシスタント/エステティシャン 的場 麻美さん 大阪府出身。受付や経理、着付けなどヘアスタイリング以外の部分で千敏さんをサポート。その傍ら、店内の一角でエステサロンも営む。 いつかサロンとともにカフェの経営も実現したい ―例えばSNSなど、サロンを周知してもらうための取り組みは? 千敏:本来であればInstagramでも定期的に発信してフォロワーを増やしていきたいところですが、今はスタイリストが私一人だけなので、正直なところセーブしている部分もあります。まずはサロンに来てくださったお客様一人ひとりを丁寧にカウンセリング・スタイリングすることで、信頼をコツコツと積み上げていくことが先決だと思っています。 麻美:それに、知らないお客様同士がこの狭い空間にいるのは、きっと気を遣うはず(笑)。ゆったり寛げる空間を提供し、ファミリーで来ていただけるサロンのコンセプトに反してしまいますからね。その分、お客様の予約が時間帯によってぽっかり空かないように気を付けています。 ―今後、チャレンジしてみたいことはありますか? 千敏:今のやり方がしっくりきているので、当面は維持していこうかと思っています。ただ、私も妻もカフェ巡りが好きなので、いつかサロンに併設する形でカフェも経営できれば最高ですね。店頭の木製の格子窓からコーヒーを手渡したいなとシミュレーションしています(笑)。ここを地域の憩いの場にすることが今の夢ですね。 麻美:私は何より、美容師免許を取得することが先決です。あとは着付けやエステを身に着けたので、次はまつ毛・眉毛にもトライしてみたいですね。夫がヘア、私がその他の美容を担当できれば、このサロンの可能性はまだまだ広がると思います。 千敏:つまり、このサロンの伸びしろですね(笑)。キーパーソンは妻で間違いないです。 夫婦二人三脚でサロンのオープンに至った的場さんご夫妻。「お客様一人ひとりを大切にする」という強い想いのもと、コンパクトな店舗でプライベート空間を演出し、それぞれの個性を合わせたお二人ならではのサロンワークが印象的でした。ご夫婦でのサロン経営、地域密着型のサロン経営を考える際の参考にしてみてはいかがですか? <SALON DATA> DOUBLE M(ダブルエム) 大阪市住之江区北加賀屋5-6-18 リアライズ北加賀屋T02 Instagram :@double_m_hair
大阪・北加賀屋の新サロン『DOUBLE M』の的場ご夫妻を直撃③
スタイリスト歴16年の美容師と元ウェディングプランナーの的場さんご夫妻が営む『DOUBLE M』は、2023年2月に大阪・北加賀屋にオープンしたばかりの新サロン。サロンの特徴、開業準備、役割分担、今後の目標など、お二人のリアルなエピソードを全4回にわたってお届けします。 →大阪・北加賀屋の新サロン『DOUBLE M』の的場ご夫妻を直撃①はこちら →大阪・北加賀屋の新サロン『DOUBLE M』の的場ご夫妻を直撃②はこちら 左:オーナー/スタイリスト 的場 千敏さん 石川県出身。22年間勤めた大正区のサロンから独立。きめ細やかで丁寧なカウンセリング・スタイリングで、お客様一人ひとりの理想を叶える。 右:アシスタント/エステティシャン 的場 麻美さん 大阪府出身。受付や経理、着付けなどヘアスタイリング以外の部分で千敏さんをサポート。その傍ら、店内の一角でエステサロンも営む。 私のできることが増えればこのサロンの可能性はさらに広がる ―千敏さんはスタイリストですが、麻美さんはどのような役割を? 麻美:私は出産するまでブライダルの仕事に携わっていて、そもそも美容師免許は持っていないので、受付や掃除、経理、それから着付けを担当しています。着付けはブライダルの専門学校時代に資格を取っていて、サロンの開業を考え始めた頃から着付け教室で習い直しました。あとは、産後にエステを学んだこともあって、店内の一角のスペースでエステサロンも営んでいます。 ―店内にエステサロンがあると? 麻美:そうなんです。「REVI」を導入するために研修し、加盟店になりました。店内の奥には半個室のエステルームを設けています。それもあって、ヘアサロンのスペースがさらに狭くなったんですけど(笑)。 ―今後、美容師免許を取得する予定は? 麻美:実は今、通信教育で美容師免許の取得に向けて勉強している最中なんです。ヘアサロンで働く以上は仕事上の不便も多いですし、やっぱり免許は必要だなと。私のできることが増えれば夫の負担も減り、このサロンに新しい可能性が広がるということですからね。 夫婦で円満に仕事ができる秘訣は仕事上の関係性を崩さないこと ―仕事上で千敏さんにアドバイスをすることはありますか? 麻美:私はできることが少ないので、技術面での口出しは一切しません。もちろん、スタッフは二人しかいませんから、より効率良く回るような提案はしますが、その場合も「こうしたほうがいいよね」という言い方ではなく「こうするのはどうかな?」と、お伺いを立てるスタンスです。夫婦とは言っても公私混同しすぎないよう、仕事上の関係性を崩さないことが、円満に仕事ができる秘訣だと思います。家では立場が逆転しますけど(笑)。 ―ちなみに、平日の子育てはどのようにしているのですか? 麻美:平日は10時オープンなので、小学生の長女と保育園児の次女を送り届けてから出勤。17時で業務を終えたあとは次女を迎えに行き、それから小学生の長女を自宅の近くにある私の実家に迎えに行きます。17時以降は夫一人にお店を任せる形になりますね。 ―夫婦で働くことのメリットとは? 麻美:夫ということもあってコミュニケーションがスムーズで、個人的にはのびのび仕事ができていますね。 千敏:スタッフが多いサロンだと、一人ひとりの目標がそれぞれ違うことも多く、同じゴールに向かってお店を経営するのがすごく大変です。その点、妻とはサロンとしての目標設定がしやすい。やっぱり同じ歩幅で、同じ目標に向かって歩んでいけるところは大きなメリットだと思います。 次回最終回は、サロンとしてのチャレンジ、今後の目標をお届けします! <SALON DATA> DOUBLE M(ダブルエム) 大阪市住之江区北加賀屋5-6-18 リアライズ北加賀屋T02 Instagram :@double_m_hair
大阪・北加賀屋の新サロン『DOUBLE M』の的場ご夫妻を直撃②
スタイリスト歴16年の美容師と元ウェディングプランナーの的場さんご夫婦が営むヘアサロン『DOUBLE M』は、2023年2月に大阪・北加賀屋にオープンしたばかり。サロンの特徴、開業準備、役割分担、今後の目標など、お二人のリアルなエピソードを全4回にわたってお届けします。 →大阪・北加賀屋の新サロン『DOUBLE M』の的場ご夫妻を直撃①はこちら 左:オーナー/スタイリスト 的場 千敏さん 石川県出身。22年間勤めた大正区のサロンから独立。きめ細やかで丁寧なカウンセリング・スタイリングで、お客様一人ひとりの理想を叶える。 右:アシスタント/エステティシャン 的場 麻美さん 大阪府出身。受付や経理、着付けなどヘアスタイリング以外の部分で千敏さんをサポート。その傍ら、店内の一角でエステサロンも営む。 店舗を小規模にすることでお客様と向き合える時間が増えた ―ここからはサロンを開業するまでの話についてお伺いします。まずは開業のきっかけを教えてください。 千敏:アシスタント時代から大正区のサロンで20年以上勤務し、後半の5年間は前オーナーから5年契約で店舗を譲り受け、私自身がスタイリスト兼オーナーという立場を預かっていました。サロンとの契約満了が近づくにつれ、今まで通り働くか、自分たちのお店を持つかを考えたとき、夫婦でお店をオープンさせたいなと。 ―ご夫婦でサロンを営むという将来プランはもともと考えていたのですか? 千敏:結婚した時から「いずれは自分たちのお店を持ちたい」とは漠然と考えていましたね。それに、もともと私はマネージャーというよりもスタイリスト気質。お客様一人ひとりとじっくり向き合い、最初から最後までマンツーマンで担当したいタイプなので、サロンを営むなら小規模の店舗がぴったり合うと思っていました。 ―オーナーでもあった前サロンでは気苦労も多かったのでは? 千敏:そうですね。複数のスタッフを抱えていたので、お客様のスタイリングを任せることも多くなり、自分が担当できないことでストレスになってしまうことも。もちろん、不慣れな経営・人材の管理も重なってくるので、苦労は絶えなかったですね。そういう意味でも、今は妻とともに無理のない経営ができて、お客様と向き合える時間が増えたので、毎日が楽しく充実していますね。 予定していたオープンが遅れ、お客様を待たせてしまったことが最も辛かった ―サロンの立地、物件はどのように決めたのですか? 千敏:前サロンで担当していたお客様にはご年配の方も数多くいらっしゃいましたし、当初は前サロンがあった大正区で探していましたが、なかなか思うような物件が見当たらず……。エリアを自宅近辺の北加賀屋に移すと、たまたまマンション1階にコンパクトな広さの空きテナントを見つけ、「ここだ」と。場所は大通りに面していて分かりやすいですし、アクセスもバスや地下鉄などの交通手段が充実していて、大正区に住まれているお客様も比較的足を運びやすいですからね。 麻美:それに、子どものことを考えても、この立地がベストでした。保育園の送り迎えがしやすいですし、急な連絡が入ってもすぐに駆けつけることができますから。 ―開業準備を進めるうえで大変だったことは? 千敏:当初は2023年1月のオープンを予定していましたが、業者さん探しに苦労したこともあって、予定より1カ月遅れの2月にオープンしました。この物件を成約したのが2022年9月で、着工したのが年明け。内外装の打ち合わせや設備の発注などをこなしつつ、前サロンも成人式までは営業していたこともあり、新サロンの開業準備と旧サロンの業務との同時進行で、目が回るような毎日を過ごしていました。 麻美:普段は穏やかな夫があからさまにイライラしていて……。 千敏:あの時は大荒れでした(苦笑)。忙しさもそうですが、新サロンのオープン日が遅れていたこともあって、お客様が離れていくのではないかという不安と、待たせてしまっている申し訳なさが重なり、何とも言えない感情がこみ上げてきて……。これまでのキャリアで一番辛かった時期でしたね。 次回は、ご夫婦の役割のお話を中心にお届けします! <SALON DATA> DOUBLE M(ダブルエム) 大阪市住之江区北加賀屋5-6-18 リアライズ北加賀屋T02 Instagram :@double_m_hair
大阪・北加賀屋の新サロン『DOUBLE M』の的場ご夫妻を直撃①
スタイリスト歴16年の美容師と元ウェディングプランナーの的場さんご夫妻が営む『DOUBLE M』は、2023年2月に大阪・北加賀屋にオープンしたばかりの新サロン。サロンの特徴、開業準備、役割分担、今後の目標など、お二人のリアルなエピソードを全4回にわたってお届けします。 左:オーナー/スタイリスト 的場 千敏さん 石川県出身。22年間勤めた大正区のサロンから独立。きめ細やかで丁寧なカウンセリング・スタイリングで、お客様一人ひとりの理想を叶える。 右:アシスタント/エステティシャン 的場 麻美さん 大阪府出身。受付や経理、着付けなどヘアスタイリング以外の部分で千敏さんをサポート。その傍ら、店内の一角でエステサロンも営む。 アットホームで気取らない地元で愛されるサロンに ―今年2月にサロンをオープンしたばかりということですが、まずはお店のコンセプトを教えてください。 千敏:見ての通り、店内はこじんまりとしています(笑)。独立前のサロンは今よりも規模が大きく、いつもバタバタ忙しかったので、これぐらいの規模がちょうどいいなと。シートは2席しかありませんから、お客様のスタイリング中は貸し切り状態で、プライベートな空間がしっかり確保されているのが魅力です。 ―周りを気にせずリラックスできますね。 麻美:髪のお悩みやオーダーしづらいご要望も気軽に相談していただけると思いますし、一緒に来店されたお子様が騒いだり動き回ったりしても平気(笑)。貸し切り空間のなか、家族そろってリラックスした時間が過ごせると思います。アットホームな雰囲気で気取らず、お客様がゆったり寛いでいただける、地元で愛されるサロンを目指しています。 ―外観・内観もすごくオシャレですね。 麻美:年季は入っていますが、雰囲気のあるレトロな物件なので、デザイナーさんと相談しながら活かせる部分は活かそうと。コンクリートむき出しのゴツゴツとした壁やレトロ柄の床のタイルはヴィンテージ感が良い具合だったので、比較的そのまま活かしています。 千敏:妻とも話し合って、店舗のデザインはサロンというよりもカフェっぽい雰囲気にしたいなと。そんな雰囲気なので、近所の方がカフェと間違えて、ふらっと入って来られることも何度かありましたね(笑)。 足の不自由な前サロンのお客様が来られたときは特にうれしかった ―お客様はどういった方が多いですか? 千敏:当初は前サロン時代の顧客様がメインでしたが、最近では地元でも少しずつ知られてきて、新規のお客様も増えてきた印象です。幅広い年代のお客様にご来店いただいていますが、特にファミリーや40代以上の方が多いですね。 ―オススメのサロンメニューを教えてください。 千敏:サロンをオープンするにあたって導入した頭浸浴ですね。高濃度炭酸水のお湯をフェイスラインからかけ流して、溜まったお湯で頭全体を5分間浸すメニューです。頭皮や髪のデトックス効果が期待できて、お湯の温もりとせせらぎのような音に癒されます。髪や頭皮をキレイにしたい方、カラーの色持ちを高めたい方、気分をリフレッシュしたい方は、ぜひ一度試してみてください。 ―スタイリングで気を付けていることはありますか? 千敏:月並みながら、お客様の理想のヘアスタイルに近づけることです。顔立ちや骨格、髪質などを踏まえて長さやバランスを細かく調整し、理想のスタイルに近づけていきます。あと、自分では特別意識していなかったんですが、以前お客様からセニングカットのタッチが優しいと言っていただいたことがあって。やっぱり、お客様に寛いでいただくことをコンセプトにしていますから、癒しを提供できるサービスをもっと磨いていきたいと感じました。 ―オープンして半年が経ちましたが、そのなかで最も印象的な出来事は? 千敏:以前勤めていたサロンで担当していたお客様が足を運んでくださることですね。なかでも、足の不自由なご年配のお客様がわざわざバスに乗って、ここ北加賀屋まで来てくださったときは本当にうれしかった。長くお付き合いのあるお客様と独立後も関係が続いていくのは、美容師冥利に尽きるというか、とても励みになりますね。 次回は、開業準備のお話を中心にお届けします! <SALON DATA> DOUBLE M(ダブルエム) 大阪市住之江区北加賀屋5-6-18 リアライズ北加賀屋T02 Instagram :@double_m_hair
全室個室の大型サロン×大規模サロン専売品ショップ「alotta 梅田茶屋町」堂々オープン!
サロンでありショップである、2つの顔を持った「alotta」が関西初上陸! 2023年8月10日、理美容雑貨・家電メーカーや商社から成るトリコヘアラボグループより、株式会社アロッタ運営のヘアサロン「alotta 梅田茶屋町」が大阪・梅田にオープンしました。 「alotta」の特徴は、サロンとショップの両面を兼ね備えていること。サロンの脇にショップスペースがあるのではなく、それぞれでフロアを二分し、どちらも大々的に展開しているのです。 1号店は2016年4月、東京・吉祥寺にオープンした「alotta 吉祥寺」。当初から話題を集め、今では関東全域からリピーターが訪れる人気店となっています。そのノウハウを生かしてオープンする2号店が「alotta 梅田茶屋町」。満を持して関西初上陸です! ▲130坪超を誇る大型美容室兼ショップ「alotta 梅田茶屋町」の全容 全室個室型! プライベート感満載のヘアサロン。 サロンスペースは、すべて仕切られた全室個室型。セット面14室(内シャンプー台付個室4室)を完備しています。 お客様は一人の時間を大切に、例えばカットやカラーの合間に仕事のメールをチェックしたり、ちょっとお昼寝をしたり。思い思いの過ごし方ができます。 また、髪質やクセ、日々のヘアケアやスタイリングについてじっくり聞きたい、脱毛や薄毛など深い悩みを相談したいといったニーズにもぴったり。周りを気にせず、スタイリストと一対一で話せます。 その他、小さな子ども連れだと美容室に行きにくいパパ・ママの需要も。他者と区切られたスペースで気兼ねなく、のびのびと子どもを遊ばせながら施術が受けられます。 ▲他者の目に触れず、マイペースになりたい自分になれるプライベート空間 ▲シャンプー台付個室も! ゆったりと贅沢な時間が過ごせます 中には、仕切りを取り払うことで二人部屋になる個室も6室(=二人部屋としては最大3室)確保。カップルや親子、友人同士といったペアでの来店でもプライベートな時間を楽しめます。 ▲仕切りを外して生まれる、広々とした二人部屋 一方、理美容雑貨・家電メーカーや商社をグループ会社に持つことから、「alotta」のサロンではプロ仕様の最新美容機器やヘアケア用品を大いに体感できるのも魅力。 次々と新商品が発売される中、サロンで使用するアイテムを厳選して取り入れ、スタッフの商品知識・技術もアップデートしているのだとか。お客様は、日々進化する美容業界の最先端に触れることができるのです。 ▲最新機器&技術を提供。一部アイテムは併設ショップで販売している点も強み また、希望すれば施術の際、通常のシャンプーに替えてショップの販売商品を試せるサービスも。施術内容・商品によっては、アウトバストリートメントやワックス、スプレーなども試用できます。 ▲プロが本当におすすめする、個々に合った“良いモノ”が分かる&試せる 400ブランド5,000種類! 充実のサロン専売品ショップ。 ショップスペースには、400ブランド以上のサロン専売品を約5,000種類、総数15,000点以上ラインナップ。プロユースの高品質なものの中から、さらに厳選したシャンプー・トリートメントをはじめ、ドライヤーやヘアアイロンなどの美容機器、アウトバスアイテム、ブラシなどカテゴリー別に展開しています。 ▲1階の大部分を占める広大なショップスペース サロン専売品は市販品に比べて専門性が高く、その特徴を十分に理解し、髪質や髪の状態に合わせて使うことではじめて効果が得られるものがほとんど。 初心者にはややハードルが高いところ、同店では豊富な知識と確かな目を持ったスタッフが、お客様一人ひとりの髪質や用途に合わせて最適な商品を提案する点が大きな魅力となっているのです。 ▲迷ったら気軽に相談OK。プロによる的確なアドバイスで有意義なショッピングを実現 ヘアサロンとしてもショップとしても見ごたえたっぷりの同店。関東に続き関西でも注目の店舗となりそうです。 【店舗情報】 alotta 梅田茶屋町 @alotta_shop_umeda @alotta_salon_umeda https://umeda.alotta-hair.com/ 大阪市北区茶屋町2-28 Central茶屋町1、2F
WHAT'S NEW SALON 【HIKARIS NAKAZAKI &】
ゲストの魅力を最大限に引き出し、カット技術に定評のある『HIKARIS』。既に中崎町ではシンボルサロンとなりつつある『HIKARIS NAKAZAKI』に続き、2号店となる『HIKARIS NAKAZAKI &』がオープン。7月29日に行われたレセプションに編集部が伺いました。 ―近隣にHIKARIS NAKAZAKIがありますが、どうして近隣に新店をオープンしたのですか? 世並 1番の理由としては、大通りにあるNAKAZAKI店のキャパがちょっと狭くなってきたというのがあるのですが『中崎といえばHIKARISやで!』というのを打ち出して行きたいっていうのもありますね。&店はヘアだけでなく、アイブロウなども含めて顔より上をトータルでできるのも特徴です。どっちかと言えば女性向けメニュー展開が豊富という印象があると思いますが、性別問わずいろいろな人に来ていただきたいですね。 ―中崎町という街の魅力は何でしょう? 世並 中崎町の魅力は梅田とはまた違った、都会の中に残った古い街並みというノスタルジックな雰囲気ですね。お店とかもその雰囲気を残しつつ、今っぽくアレンジしたところが多いですし、歩いている人もとてもオシャレな人が多いですよね。サロンさんもすごく多いんですけど、お客様と1対1で親身になれるような小型店が多いと思います。 ―『NAKAZAKI &』の魅力と店内のこだわりは? 世並 さきほどの『顔から上を1つのサロンで全部できる』という部分もそうなのですが、古民家の骨組みをそのまま活かしたデザインも見てほしいですね。土間スペースもそのまま残っていますし、柱や土壁もそのままです。天井を見てもらえばよくわかるのですが、屋根の内側を白く塗っているだけなんですよね。古民家の良さを残しつつ、白くて優しいイメージでデザインしてもらってます。 ―本日はレセプションのパーティー中にお時間を頂いていますが、ほんとにたくさんの人が来られていますね。 世並 『ヒトとヒト・ヒトとモノ・ヒトとコトをツナグ場所』というコンセプトがあるのですが、デザイナーさんやフォトグラファーさんといったクリエイターの方々も来てくれています。今もちょうど手品師さんがショーをしてくれているみたいで、スタッフも楽しんでいるようです。弊社は創業93年ということもあり、たくさんのご縁をいただいてます。ちなみに社長は次の100年を超えて、創業200年を目指してるんですよ(笑) ―今後の展望を教えてもらえますか? 世並 『&』という文字には『安堵(あんど)』という意味を含めていまして、お客様がホッとするような空間づくりをしていきたいと思っています。結婚式や成人式だけじゃないですけど、節目節目でその人にとって大切な時になくてはならないサロンになれればなと思います。その人の一部になりたいと言いますか、そんな存在になりたいです。美容だけじゃなくて、ギャラリーを見るために入ってこられたお客様とも繋がっていきたいですね。 『&』という言葉にたくさんの意味が込められていることに少なからず驚きました。ヒトとモノとコトの繋がりを広げていくサロンというコンセプトはとても魅力的ですね。自分の町になくてはならない場所があるというのは幸せなことなんだなと思いました。 世並 奈津紀 Instagram:@hikaris_senami <SALON DATA> HIKARIS NAKAZAKI & 大阪市北区中崎3-2-14 Instagarm:@hikaris1930