【人気アーカイブ記事】 ヘアサロンのハロウィンが面白い!? 本気の仮装スタイルを覗き見!
ハロウィンシーズンになり、ジワジワと読まれているリバイバル記事をご紹介! 〝美容師さんの本気”を是非是非チェックしてくださいね!
MY RULE【CARTA 相良 悠さん】似合わせのコツは、可愛いポイントを見極めること
多様性のこの時代をサバイブするための、個性の見つけ方やスキルの磨き方を伺うこの企画。 今回登場していただくのは、CARTAでチーフを務める相良 悠さん。老若男女問わず幅広い客層から支持を集めている彼女に、自分流の似合わせ術や大切にしていることを聞きました。 幅広い世代の似合わせヘアを作る ー相良さんといえば【#さがらのデザイン】でSNSを発信されていますが、拝見するとお客さんの層がすごく広いですよね? 「そうなんです(笑)。最年少は5歳くらいのお子さんから、最高齢は85歳のおばあちゃんかな。男女問わず、幅広く担当させてもらってます」 ー幅広い年齢の方を担当するって難しそうなイメージなのですが、共通して気をつけていることはありますか? 「やっぱり一番はヒアリングです。お客さんがイメージする仕上がりと自分のイメージのすり合わせが大切だと思っています。希望するスタイルの写真を見ても、髪質や生えグセによっては難しい場合もあるので、その場合はきちんと説明します。そしてそのスタイルの好きなポイントを教えてもらって再提案する。お客さんに納得してもらってから施術に入るようにしています」 ーやはりヒアリングが大切になってくるんですね! 「特に初めての方はじっくり話すので長くなることもありますが、こちら側もどんどん掴めてくると必然と短くなりますね。最初はこの人すごくこだわりが強いな…と思っていた方でも回数重ねていくと、10秒で決まることもあります(笑)」 ーその人らしさを引き出すコツはありますか? 「感覚的なのですが、自分がその人を見て可愛い!と思うポイントに目が行くようなスタイルにしているのかなと思います。例えば、口が可愛いなと思ったら、リップラインの延長線に毛先がくるようにするとか…。あとは、その人の好きなファッションとかメイクを見て似合うヘアスタイルを提案しています」 ーなるほど。例えばどんな風に? 「この子は服装とかはクール系なんですが、笑顔がすごく可愛らしいんです。だから前髪の透け感を意識して柔らかい雰囲気になるように仕上げつつ、目尻から耳の付け根にかけて、パツっとしたカットラインでモード感を出してみました」 丁寧なブロー&コーミングこそ、仕上がりの明暗を分ける ー技術面で大切にされていることはありますか? 「髪を大切に扱うこと、綺麗に見せることが一番だと思っていて。カットやカラーの細かい技術というより、ブローやコーミングを丁寧にすることを心がけています」 ー意外な答えでした!まず、ブローにこだわる理由を教えてください。 「やっぱり仕上がりに影響するので。いくら上手に切れた!と思ってもブローを雑にしてしまうと全然キレイに仕上がらないんです。その人の毛流れやクセをきちんと見極めてブローをするだけで本当に変わります。」 ーなるほど。仕上がりにかなり影響するんですね。 「雑にしたら仕上がりはイマイチになるし、丁寧に扱ってあげるとキレイになる。つくづく、髪って生き物なんだなって思います(笑)」 ーでは、コーミングはどのような影響があるんでしょうか? 「とにかく髪への負担を最小限にしてあげたいと思っていて。濡れている髪に雑なコーミングをしてしまうと、すごくダメージを与えちゃうんです。それにお客さんも気持ち良くないですし…。後輩やアシスタントが雑にしているところを見るとめっちゃ怒ります(笑)」 ー確かに改めて相良さんのデザインを見返すと、仕上がりがすごく綺麗に思います。丁寧なヒアリングと施術がその人の魅力と髪のポテンシャルを引き立てているのかもしれないですね! 「自分でも無意識にしていたことですが、改めて話すと、割と髪の毛を大切に扱うことを大事にしてるんだなって気付きました。やっぱり基本的なことはこれからも大切にしていきたいですね」 CARTA チーフ スタイリスト 相良 悠さん 関西美容専門学校を卒業後、新卒で『CARTA 』に入社。美容師歴は今年で12年目。アットホームなサロンで、0歳代〜80代(!)まで手がける。イラストを書くことが得意。 Instagram : @sagabeee <SALON DATA> CARTA /カータ 大阪市福島区福島6-16-9 https://hairbook.jp/salons/5484/
あなたに影響を与えた先輩美容師は? #2 QUEEN’S GARDEN by K-two add ニシダマナミさんの場合
美容師人生を歩んでいく中で、自分にとって良い影響を与えてくれた先輩美容師とのエピソードをご紹介していきます。今回登場していただくのはQUEEN’S GARDEN by K-two addのスタイリスト、ニシダマナミさん(Instagram : @add_manami)。美容師歴10年目を迎える彼女は、サロンで出会った先輩美容師との出会いが大きかったとのこと。さっそく聞いていきましょう! ー早速ですが、良い影響を与えてくれた尊敬する先輩美容師はどなたですか? 「同じサロンで働いているアートディレクター、川野美咲さんことmiiさんです! 」 ーmiiさんとの出会いを教えてください。 「就活生の頃、いつか東京や海外に行きたいし、接客をきちんと学びたいからとりあえず大手サロンに行っとくかくらいの気持ちで今のお店に就職を決めたんです。この人に憧れて!とか、そういう気持ちで入った訳ではなくて! 入社してから当時すでにスタイリストで活躍していたmiiさんの存在を知りました」 ー尊敬するようになったきっかけは? 「miiさんは結構自分でクリエイティブなことをされていたんです。コンテストにも出場されていたり、ヘアショーもずっと現役でやってたり…。当時、田舎から出てきたばかりの私はそれに魅了されて、この人が運命の人だ!って感じましたね(笑)。私も興味があった分野で、やってみたいと思っていたので、何がなんでも自分がアシスタント付きたいってアピールして、その座を勝ち取りました」 ー運命を感じるくらいに!(笑)。miiさんのクリエイティブでどんなところに魅了されたんですか? 「とにかくmiiさんが作る作品は可愛いんです。私も年齢を重ねていって経験を積んで、好きな系統は違ったりするんですが、そういう感性の違いを飛び越えて可愛いと思えるものを作れるのが凄いと思います」 ー今も印象に残ってるエピソードを教えて! 「私が2年目の頃、miiさんがコンテストの出場が決まっていたんですが直前でモデルさんがキャンセルになってしまったことがあったんです。それでお店のスタッフ総出で必死になって探して…。なんとか無事にモデルさんが決まり、出場した地区予選でグランプリを取って、全国大会に出ることが決まりました。私もアシスタントで付いていたので、大舞台を経験させてもらえたことは本当にありがたかったです」 ー影響を受けているところは? 「やっぱり精神面と言うか、姿勢的なところが一番大きいです。実は今年度でmiiさん、独立してサロンをされるんです。こうやってやりたいことをどんどん実現している姿は刺激を受けます」 ーアシスタントを卒業してかなり経つと思いますが、最近の関係は? 「昨年、miiさんと一緒にヘアショーの舞台に立つことができたんです。しかもmiiさんが辞めることが決まってから2人で立てるってなったので、その分思い入れも強かったですね。一緒のテーマでそれぞれスタイルを作ることができて、本当に感慨深かった。今までの集大成のようなヘアショーになりました」 ー最後にマナミさん自身はどんな美容師になっていきたいですか? 「今は自分が理想とする美容師像や、今後やっていきたいことも模索中なんです。でも、miiさんのようにいろんなやりたいことを叶えている姿を見ていると、私も何か芯となるものを見つけて頑張っていきたいなと思います」 この人についていきたい!と思える存在に出会えることはなかなか難しいこと。更に尊敬する先輩と一緒にヘアショーの舞台に立ち、集大成を迎えることができたのは本当に凄いことだと感じました。今回素敵なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました! <SALON DATA> QUEEN’S GARDEN by K-two add / クイーンズ ガーデン バイ ケーツー アッド 大阪市中央区西心斎橋2-4-2 難波日興ビルディング2F https://k-two.jp/salon/add/
【美容師あるある】#20 ここまで付いて来たのかい?
帰宅してひと息ついたときに、服の袖か裾にダッカール(髪の毛をとめるクリップ)を付けたまま帰ってきたことに気づく・・・。これはかなり恥ずかしいです。仕事終わってから飲みに行ったりもするので、「クリップ付いてるやんな?」的な陰口とか言われてそうで地獄です。「オシャレでやってるんですけどー」とは言えないレベルですね。
わたしの独立物語 【CLENN 弓さんの場合】
憧れの独立、開業。ヘアサロンの数だけ、その裏側には様々なストーリーが秘められているもの。 今回は愛知県名古屋市・鶴舞エリアでオープンして2年目のヘアサロン「CLENN」オーナー、 弓さんの独立ストーリーに迫っていきます。 教えてくれたのは… CLENN オーナー 弓さん 中日美容専門学校卒業後、株式会社サムソン入社。「SUPRAM」のトップスタイリストとしてサロンワークを中心に活躍。36歳で出産、38歳で独立したママ美容師。斬新なファッションやメイクでも注目されている。 Instagram : @clenn_yumi ー 独立を考えたきっかけは? 「初めは『SUPRAM』で働き続けるつもりでした。子どもを産んで、産休から戻ると働き方や給与面が変わるんですね。その時に、ママ美容師の現実はこうなのかと痛感しました。規則だからと受け入れられたけど、何か新しいことがしたかった。けど、面貸しで働くのもほかのサロンに行くのも、なんか違う。ママ美容師の可能性を広げることに挑戦したいと思ったのがきっかけです」 ー 物件はどのように探しましたか? 「複数の不動産にアポを取って、希望条件に合う物件情報を随時送ってもらうようにお願いしました。ギャラリーにもポップアップスペースにもなる場所を作りたくて…。広い物件を探すとなると、希望していたエリアではなかなか見つからず、視野を広げて選択肢を増やしたら、ここが見つかりました」 ー お店づくりでこだわったポイントは? 「いっぱいあります(笑)。一番のこだわりは、お客さま専用の充電器コンセント。美容室に限らず、あると気が利くなって思うんですよ。それで、ひとブースにつき1つ付けました」 ー 確かに、それは便利ですね!空間全体については? 「 『一生通えるサロン、一生働けるサロン』を目指しているので、その想いを体現しています。あえて見えるように配線しているのは、私たちスタッフ全員、心を開いて、取り繕うことなくお客様と向き合いたいから」 ー なるほど、スタッフの皆さんのスタンスが内包されているんですね。ちなみに「CLENN」の名前の意味は? 「縁側の『くれ縁』に由来していて、雨の日も晴れの日も座っているだけで四季を楽しむことができる場所のことを言います。美容室に来てくださるお客様も、座っているだけでワクワクできたらという想いを込めて、『くれ縁』を略してCLENN(クレン)にしました」 ー 実際にオープンしてみて、心境の変化はありますか? 「いまは覚悟が違いますね。今後スタッフが増える予定なんですが、親御さんが頑張って20歳まで育ててくれた子を預かって育てると思うと、責任重大です。仕事も子育ても疎かにしたくないから、お店のこと、スタッフのこと、子どものことを常に考えています。 子どもはわがままで言うことを聞かない(笑)。だからこそ鍛えられたし、将来この子が働く職場としてここ(CLENN)を見たら、考えたら、どうなんだろう?いいサロンかな?って。そういう目線になると、緊張感と隣り合わせ。そういう意味では、親になったタイミングで独立してよかったです」 ー 今後のビジョンを教えてください 「ビジョンとして『一生通えるサロン、一生働けるサロン』を掲げた以上、ここ(CLENN)だけでは難しいと思うんです。若いスタッフが増えてきたら、その子たちがメインのサロンをつくって。ママ美容師が増えたら、お互いが助け合えるママさんサロンをつくりたい。そんな夢はあるけど、お店づくりが先行するのは違う。いま携わってくれているスタッフが幸せであることが大事です。やっていく中で、ママ美容師ならではの価値観が活かされるときがくると思うから、そう信じて続けます」 最後に「デビューも独立も、みんなより遅かったけど、決めたらできます。できました。周りと比べないのが一番」と、弓さん。何事も挑戦することに年齢は関係ないと、教えてもらいました。また、ママ美容師ならではのお話をたくさんありがとうございました!次回の物語をお楽しみに。 <SALON DATA> CLENN/クレン 愛知県名古屋市中区千代田3丁目11−2 シャトー鶴舞 2F Instagram : @clenn.official
わたしの独立物語 【snuw 福山 祥太さんの場合】
憧れの独立、開業。ヘアサロンの数だけ、その裏側には様々なストーリーが秘められているもの。 今回は名古屋・伏見エリアで2023年5月にオープンしたヘアサロン「snuw」の代表、 福山 祥太さんの独立ストーリーに迫っていきます。 教えてくれたのは… snuw 代表 福山 祥太さん 中日美容専門学校卒業後、名古屋の大手美容室に入社。フリーランスへの転身を機にSNS発信に力を入れ始め、半年で1万人のフォロワーを獲得。「snuw」オープン直後「カミカリスマ2023 Greaty∞ カット部門」受賞したほかコンテスト受賞歴多数。 Instagram : @snuw_fukuyama ー いつごろから独立を視野に入れ始めましたか? 「スタイリストになる前は、とにかく早くデビューしたい一心でした。デビューが見えてきたタイミングで、今後どんなスタイリストになりたいかを考えるようになりましたね。もっとこういう空間(サロン)を作りたい、という思いが芽生え始めて退職しました。お店を持つには資金もスタッフも必要。そのために、まずはフリーランスになって独立開業準備をしようと、人生プランを立てました」 ー フリーランスになってから、どんな変化がありましたか? 「時間の制約がない分、作品撮りに注力して、美容師さんに注目してもらえるように、ヘアスタイルのビフォーとアフター、どちらも投稿するようにしていました。それだけでは…と思って、積極的にコンテストにも参加するようにもなりました」 ー コンテストの経験を通して得たことは? 「数ヶ月間、一人のモデルさんと向き合って、本気で悩んで準備します。骨格や顔のパーツなどを見て、黄金比率になるように『似合わせ』を考えたり、その人自身の髪のお悩みやライフスタイルも聞いたりコミュニケーションを取る中で、ふとした表情とか話し方からも汲み取るように意識しています。そういった経験を重ねることで、日々のサロンワークでも幅広い提案ができるようになって、強みになっています」 ー snuw(スニュウ)が大事にしていることは? 「コンセプトは『新しい自分に出会う場所』。おしゃれになりたい、可愛くなりたい、という人は多いですが、どうしたらいいかわからない方も多い。一人ひとりの魅力を最大限に引き出せるように提案します」 ー 内装デザインでこだわったポイントは? 「『DREAM PLUS』でグランプリを受賞して、パリコレのランウェイやバックステージに招待していただいたのが、このサロンがオープンする2ヶ月前くらいのことで。その時に現地で目に入った建物がクリームイエローで可愛かったんです。そこから着想を得て、素材は洞窟っぽい質感に。曲線を多く取り入れることで“女性らしさ”を感じるテイストにしました」 ー 実際にオープンしてみてどうですか? 「スタッフのみんなと高め合えて、日々わくわくしています。朝礼の時間に共有する僕のノウハウをそれぞれが自分なりに落とし込んで、お客様に提案している姿。そして、その仕上がりを見てお客様が喜ぶ姿。数字でいうとお客様の人数。どれもみんなの成長ですし、それが僕のやりがいになっています」 ー 今後のビジョンを教えてください 「僕が先陣を切って、背中を見せることでチームを鼓舞していくという1年でしたが、2年目はいままで以上にみんなと一緒にサロンを作っていきたいです。スタッフのやりたいことをなるべく叶えてあげたい。僕からはそれぞれのいいところを見つけて、伸ばしていけるように伝えていけたらなと思っています」 会社員からフリーランス、そして独立。これまでにさまざまな働き方をご経験された福山さんは、志が高く、行動力のある人です。努力の積み重ねが大事だと、教わりました。また次回の物語をお楽しみに。 <SALON DATA> snuw/スニュウ 名古屋市中区栄1-6-1 C-ForestⅦ 2A Instagram : @snuw.hairsalon
NEXT CREATOR'S #2 ADITION 渋谷 室 優菜さん
次世代のスタイリストさんにフォーカスをして、過去から現在、そして未来の美容師像のお話まで、さまざまな角度から迫っていくこちらの企画。 今回お話を聞かせてくれたのは ADITION 渋谷で働く、室 優菜さん。1年半前に大阪から上京した彼女は、今年の2月にカラーリストデビューを果たしたばかりだという。SNSで10万人以上のフォロワーがいる、インフルエンサーとしての一面を持つ彼女の美容師像とは!? ー大阪から最近上京されたそうですが、どんなきっかけがあったんですか? 「私、小学生の頃から美容師になることが夢だったんですね。だから「高校も卒業できたらいいや」という理由で、家の裏の学校を選んだくらい。行きたかった美容専門学校も卒業後に入社したサロンも全部家から自転車で15分圏内。20年以上そんな環境で過ごしてきたから、自分自身に怖くなっちゃって。地元を出て新しいことをしたいと思った時に、「一旦東京行っとくか!」ってなって。それで上京を決めました」 ー小学生の頃からもうすでに美容師の夢を!? 「理由は覚えて無いんですけど(笑)。でも美意識の高い母のおかげで、幼い頃からファッションや美容に関して触れる機会が多かったんです。子供用のメイク道具を誕生日に買ってもらったり、可愛い服をたくさん着せてくれたり…だから自然と容姿に関わることが好きになっていったのかもしれません。中学生になった頃にはもう行きたい専門学校も決めていて、そこに入学することだけを考えてました」 ー中学生でそこまで決めていたんですね。実際に入学してギャップとかはありませんでした? 「なかったです。むしろ美容師になりたい気持ちが強くなりました。というのも、中学生の頃から容姿にコンプレックスがあったんです。だからメイクなど、めちゃくちゃ研究しました。高校生の頃にようやく自分のスタイルを確立できて、そこから変わったんです。専門学校で本格的に勉強をするようになってから「自分がこれだけ変われたんだから、人も変えてあげられるな」って思うようになって。それが本格的な美容師の一歩だったのかなって思います」 ー美容師の夢を叶えてもう4年経ったわけですが…振り返ってどうですか? 「大阪時代は、技術というより接客を学んだ1年半でした。自分のスタイルについて考えるようになったのは東京に来てからです。上京してすぐの頃は専属のアシスタントとしてフリーランスサロンで働いていましたが、そのサロンが無くなることになってしまって。その頃に知り合ったのがADITIONのいさなさんでした。お声がけいただいて、一緒に働くようになってから自分自身の作りたいものや技術面と向き合い始めたように思います」 ー技術面はどうやって磨いていったんですか? 「ADITIONはデザインカラーが得意なので、サロンの先輩方に指導をしていただきました。あとは、営業終わりにカラーモデルを呼んでひたすら練習。入社してから毎日やり続けた甲斐があって、今年の2月にカラーリストとしてデビューさせてもらいました」 ーなるほど。とにかく経験を重ねられたんですね。では今一番頑張っていることはなんですか? 「今はカットを極めてきちんとスタイリストデビューをすることが目標です。私のフォロワーさんが男女半々くらいで、メンズでも私になりたいって言ってくれたりして…。性別関係なく私目当てできてくれるので、メンズもレディースもきちんとできるようになりたい。今日も営業終わりにウルフカットの試験があります(笑)」 ーセンスを磨く上でのインプットはどんなことをされていますか? 「インスタは見ていましたが、結局はバズってる美容師さんのマネじゃないですか。だからあまり参考にしなくなりました。そういえば最近、上野動物園に行ったんですけど色がキレイなカエルがいて。デザインに使えるかもって思って写真に残しておいたんです。そしたらこの前、初めてカラーをする高校生のお客様が来店してくださったんですけど、ブリーチで2色入れたいっていう要望があって。カウンセリングしていくうちにその時見たカエルの色を思い出して、ブルー系のアンブレラカラーにしたんです。これが良かったなと思って。案外、髪と関係ないことの方がインスピレーションになりますね」 ーSNSのフォロワーがかなりいらっしゃるみたいですが、いつから始めましたか? 「SNSの発信を始めたのは専門学生時代。2年生に上がった頃にコロナで学校に行けなくなってしまって。集客とか何かしないとなーって思って、まずはTikTokを始めました。投稿を続けていくうちに、フォロワーさんもバンっと増えていって17万人に。インスタグラムの方は、上京するまで1.7万人くらいだったんですけど、こっちで出会った人に「その感じで3万人くらい(フォロワーが)いないんだ」って言われたのがきっかけで火が着きました。それで絶対抜かしてやるという気持ちで頑張って、今では11万人の方にフォローいただいてます(笑)」 ーすごい!!簡単に抜かせるものですか!? 「とにかくやり続けました(笑)。あとはフォロワーと相性がいいものを考えて音源を選んだりとか、細かいところも気にしながら。でもカラーリストデビューするまで自分のスタイルを載せてこなかったので、11万人もフォロワーがいる割には全然集客に繋がらなかったんです。いさなさんに話を聞いてもらって「室(むろ)は美容師としての準備が弱かったな」とか言われたり(笑)。ようやく自分らしさもわかり、スタイルを載せ始めたのでこれからもっと集客に繋がっていけばいいな」 ー最後に理想の美容師像を教えてください。 「やっぱりお客様に憧れられる美容師ですね。SNSで自分の顔を上げていた分、私になりたい!って言ってくれる子もいて。実際に私を見て美容師になりたいって思ってくれた子が、今年美容専門学校を卒業して美容師になるんですよ。そんな話を聞くと容姿以外の部分でも人の人生って変えられるんだなって思って。美容師以前に「この人になりたい!」って思ってもらえる存在でありたいです。そのためにはファッションやメイクのことももっと知りたい。お客様に携わっていくならそれ以上の知識を持っておくべきだと思うし、そこに技術面もつくようになれば怖いものはないなと思っているので。長い目で見てそういう美容師になりたいですね」 小学生の時からの夢を叶えて、本格的に美容師としての人生を歩み始めた室(むろ)さん。独自の感性を磨き続ける彼女のスタイルに今後注目していきたいですね。 <PROFILE> ADITION 渋谷 カラーリスト 室 優菜さん 2001年大阪生まれ。関西美容専門学校卒業後、大阪・梅田のサロンで1年半働いたのち、東京へ。Tiktokで人気を集め、Instagramでも11万人のフォロワーを持つ注目のインフルエンサー美容師。 Instagram : @jilliy_61__ 〈SALON DATA〉 ADITION 渋谷 / アディション渋谷 東京都渋谷区神宮前5-29-10 クリプトメリア神宮前ビル3F URL : https://adition.jp/
【美容師あるある】#19 幻聴が・・・
新人アシスタントの頃。半年経たないくらいで少し慣れてきたとき、自宅でお風呂に入っていたら、シャワーの音の向こうでサロンの電話のベル音やカラー放置中に使うタイマー音が聞こえてくる・・・気がする。新人時代はお客様の髪を洗い流すことが多いので、シャワーの音が職場の音になっているのか・・・。信じるか信じないかはあなた次第。
New sense 新しいカタチで魅せる美容室 【pif編】
ヘアカットやヘアケアをするだけではなく、他の美容室では味わえない“コト”を提供する美容室を紹介していくこちらの企画。 今回登場するのは、名古屋駅より地下鉄で5分の本陣にある美容室『pif』。こちらではティースタンド&フレグランスショップ『meture』を併設し、心が潤うライフスタイルを提案しています。 このサロンは吉田さんご夫婦で経営しています。旦那さんの吉田昌弘さんが名古屋市内のサロン3店舗を経て独立。ただ髪を切るのではなく、心を落ち着けるリトリートサロンになるようにと空間づくりにはこだわったのだとか。 「emiさんのこれまでの経験を活かせることで、お客様に内側からもきれいになってもらうには…と考えて、ハーブティースタンドを始めました」と、吉田さん。 奥さんのemiさんは、過去にナチュラル・オーガニックコスメを扱うお店での販売経験があり、そこで身につけた知識を活かして『meture』のディレクターを務めているそう。 「『meture』をきっかけに香りを作ることにも興味を持つようになって、フレグランスをスタートさせました。ハーブティーと香りは、つくる工程が似ているんですよね」と、emiさん。 エントランスには、ご自身で調香したオリジナルフレグランスやご夫婦でセレクトした香りなど、贈り物にぴったりな商品も並びます。さらに2階では、世界にたった1つだけのフレグランスを作る調香体験も可能(※予約制)。目の前に香りのグラスが並んでいく、まるでレストランのコース料理のようなスタイルを楽しめるんです…! オープンから2年経った今。これまでを振り返って「“心が潤う選択を”がテーマ。その軸を大切に『やってみよう』の精神でやってきました。2人で見つけた“好き”と真摯に向き合いたい」と、吉田さん。近い将来、香りの良いオリジナルのヘアケアラインを作りたいという構想もあるそう。 吉田さんご夫妻がお店を続けていく中で“好き”を見つけたように、あなたもこの場所で“好き”と思える出会いがあるかも。心が潤う体験が待っています。 pif ディレクター 吉田昌弘 Instagram : @pif_yoshida meture ディレクター・調香師 emi Instagram :@_em_0327 <SALON DATA> pif/ピフ 愛知県名古屋市中村区本陣通3丁目53−6 Instagram : @pif_nagoya
NEXT CREATOR'S #1 IRO 高橋拓海さん
「NEXT CREATOR'S」では次世代のスタイリストさんにフォーカスをして、過去から現在、そして未来の美容師像のお話まで、さまざまな角度から迫ります。 今回お話を聞かせてくれたのは、IROスタイリストの高橋拓海さん。メンズのヘアスタイルを得意とし、彼のゆるやかな雰囲気に惹かれてやってくるお客さんが多いのだとか。そんな高橋さんの美容師としての歩みを伺っていきましょう。 ー本日はありがとうございます!早速ですが、まずは美容師になろうと思ったきっかけを教えてください。 「幼なじみのご両親が自宅で美容室をされていて。当時、その子の家にほぼ毎日遊びに行っていたので、自然と良いなって思うようになったんです。出身が神戸の田舎の方なのですが、将来はのんびりと美容師が出来れば…みたいな感じでしたね」 ー将来に対しての考えは今も変わらずですか? 「専門学生の時に、大阪へ来てから変わりました。都会で頑張ってる美容師さんと会う機会が多かったのと、サロンモデルも経験して「こういう世界もあるんだ!」と刺激を受けて。それからはこっちで頑張ろうと思うようになりました。東京は今のところ考えてないですが、僕が担当しているお客様が20代の方が多く、転勤や就職で上京する人が増えてきたので、ゆくゆくは…って考えることもあります。でも今は大阪で地盤を築いていきたいですね」 ー今のサロンが2店舗目ということですが、一番最初に就職した時はどうでした? 「最初のサロンは厳しいところだと聞いていましたが、僕自身そういう環境じゃないと出来ないタイプだし、基礎はちゃんとしたいなという気持ちがあったので就職を決めました。当時はたくさん練習しましたね。それこそ朝7時半に行って夜は終電で帰るを繰り返し。同じスタイルのテストも半年くらい落ちまくったりして…。とにかく基礎を叩き込んでもらいました」 ー相当な練習を積まれたんですね…!そこからIROへ転職を決めた理由はなんですか? 「IROのオーナーも同じサロンのOBだったんです。それで、たまたまお話する機会があって。共感する部分も多かったし、IROに通っているお客様の層も自分と合いそうだし、やってみたいって思ったので転職しました。最近はカフェを併設したサロンがオープンしたので、月交代で行き来しています。IROとまた違った雰囲気を楽しめるのが新鮮で楽しいですね」 ー高橋さんはメンズのスタイルに特化されているそうですね! 「スタイリストデビューをしたばかりの頃はメンズもレディースもSNSにアップしていたんですが、メンズの方がすごく反応が良くて。半年経ったくらいの時に絞って極めてみようかなって思うようになったんです。スパイキーショートヘアが最初人気だったので、このスタイルを多くアップしていましたね。でもショートに特化したいわけではなく、色んな見せ方ができるようになりたかったので、今はレングスにこだわらずアップするようにしています」 ーメンズスタイルをインプットする上で意識されていることは? 「映画をよく見るので、出てきた髪型がカッコいいと思ったらその感じを覚えてスタイルをミックスさせたりはしますね。あとは、自分のお客さんが読んでそうな雑誌は読むようにするとか。でも結局、自分が通っている服屋と同じ店で買っている人が多かったりするので、意図せず結構ハマることもあります(笑)」 ーなるほど。高橋さんの空気感に惹かれて通うお客様も多いのでは? 「もしかしたら、そうかもしれないですね(笑)。気張った感じよりかは、抜け感があるスタイルが好きというか。僕自身ナチュラルだけど人と違う雰囲気は出したいと思っているので、そういうところを汲み取って来てくれる人が多いのかもしれないです」 ー最近気になっているヘアスタイルはありますか? 「海外の男の子のスタイルをよく見ていて、ボブスタイルで前髪を作っているヘアとかナチュラルなパーマウルフヘアとかやってみたいですね。ちょっとアンニュイな感じとか」 ー最後に理想の美容師像&将来のビジョンを教えてください 「今はメンズに特化していますが、最終的にはいろんな世代の人を切れるのが理想ですね。そして将来的には自分のお店を持ちたいです。今はSNSで集客をしていますが、もし自分のお店を構えるなら地域密着型のスタイルでやりたい。だからこそ女性の方や年齢の高い方もきちんとできるように勉強してるところです」 彼の穏やかな話し方とゆるい雰囲気とは裏腹に、やるべきことは厳しい環境に身を置いて極めていく姿勢が印象的でした。「これからやりたいことがたくさんある」と、教えてくれた高橋さん。今後の展開が楽しみです! <PROFILE> IRO スタイリスト 高橋拓海さん 1998年兵庫県出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒業後、大阪・南船場のサロンを経て、3年前に IRO へ入社。SNSではメンズスタイルに特化している。 Instagram : @_takumi_takahashi_ 〈SALON DATA〉 IRO /イロ 大阪市西区南堀江2丁目7-17-105 URL : http://iro-hair.com/