まえがみ美容室に聞く!家族経営のイマ
美容師の働き方も去ることながら、ヘアサロンのあり方も多種多様な今。全国展開するサロンがあれば、ひとりオーナーのサロンもあります。 そこで今回は、「家族経営」というカタチに注目。和歌山市にある『まえがみ美容室』さんを直撃しました。 まえがみ美容室 和歌山県和歌山市四番丁48 tell : 073-426-1233 Instagram : @maegami_natsukopanda ▼お話を聞いたのはこの人! オーナー なつこパンダさん Q. 現在の店舗数、従業員数を教えてください。 A. ヘアサロンが1店舗で、離れにネイルサロン『うしろがみ美容室』があります。従業員は3人。私と夫のマーキーがスタイリストで、義妹みっちゃむがネイリスト、いわゆる家族経営サロンです。他に着付けができるパートさんが1人、手伝ってくれています。 Q. 『うしろがみ美容室』はどんなネイルサロンですか? A. 10年以上うちで美容師として働いてくれているみっちゃむが、自身のステップアップのためにネイルを始めたいと言い出したのがきっかけで、2年前に実現したサロンです。デザイン特化型ネイルで、和歌山にはあまり見ないような、うちらしいデザインがかわいいです。彼女はネイルの予約が入っていない時は美容師をしています。 Q. スタッフへの教育、スキルアップとして取り入れているシステムは? A. みんなクリエイティブ活動が大好きなので、チームまえがみとして年2回のフォトコンテストに参加しています。その他にも撮影は定期的にしていますし、講習会や練習はみんな自主的にやっています。小さなサロンだからこそ、勉強しないとそこで終わってしまうので。 Q. 家族経営だからこそ大切にしていることや実践していることはありますか? A. 「なあなあにならないこと」です。オーナーとして、いい意味で家族に甘えない。私たちは3人なので、お店のことは2人で話さない。情報共有は必ず3人で行うというのを徹底しています。これはマーキーからの提案だったんですが、私と誰かだけで情報共有することはハラスメントになり得るという考え方です。逆に、家族なので気になることは必ず言う、みんなで解決していく場を設けています。 Q. 新しく採用の予定はありますか? A. 今までは新しいスタッフは採っていなかったんですが、実は最近お店の移転の話も出ていて。いずれ一軒家サロンにしたいということもあり、新卒の子をお迎えしてもいいかもという気持ちになっています。でも、あくまで積極的にというわけではなくて。ご縁だとも思うので、その時は自然にやってくるのかなとのんびり考えています。 Q. オーナーとして、社員への考え方は? A. 私、経営者がよく言う「使える」「使えない」という表現が苦手なんです。今いるスタッフももちろんそうですし、新人さんも、同じ人。まずは人として、誠実に接したいなと思います。 Q. 新入社員が入ったらどんな風に働いてほしいですか? A. 私の時代は、美容師って人生をかけた職業だったんですが、今はいろんな考え方があるのが事実。もし新しいスタッフが入ったら、礼儀や人として大切な考え方は学んでもらいつつ、小さなサロンらしい自由さを感じてもらえるアットホームな場を目指したいです。 Q. まえがみ美容室が大切にしていることは? A. 今『うしろがみ美容室』でネイルをしているみっちゃむはメイクも得意で、ネイルを始める前からメイクもしてもらっていました。そうやって、人それぞれの「やりたい」に寄り添うサロンでありたいなと思います。美容師は長い道のり。カッターとしてだけではなく、違う道へ進みたかったりと気持ちが変わってくることもあるはずです。それはそれで楽しく受け入れ、ひとりの個性として伸ばすのがウチらしいのかなって思います。 以上、和歌山市の『まえがみ美容室』よりお届けしました。 小さなサロンらしい良さを活かしながら、時代に合わせた等身大の考え方やオーナーさんの実直な姿勢が印象的でした。これから美容師になりたいと考えている人も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
アパカバールグループに聞く!イマドキの教育って?
華やかな反面、体育会系やキビシイというイメージがある美容師の世界。最近では、時代に合わせて柔軟に変化しているそうです。 そこで、ヘアサロンにイマドキの教育体制について聞いてみました。 今回は、大阪に多数の店舗を構える『アパカバールグループ』さん。ヘアだけでなくネイル、アイラッシュ、エステまで展開する大型店です。 APA KABAR GROUP/アパカバールグループ HP : http://www.apakabar-co.jp/ Instagram : @apakabargroup_recruit ▼お話を聞いたのはこの人! 執行役員・営業本部長 奥野勇気さん <SALON DATA> ANHELO by AK/アネーロバイエーケー 大阪府堺市北区北花田町3-17-3 東洋ビル1F tel : 072-240-0511 Q. 現在の店舗数、従業員数を教えてください。 A. ヘアサロンにネイル3店舗、アイラッシュ4店舗が美容室に併設している形で、店舗としては現在10店舗です。従業員数は103名。2024年は10名が入社しました。 Q. ヘアだけでなくネイル、アイラッシュも展開するようになった理由は? A. 美容師という仕事にネガティブなイメージを持ってしまっている子が少なからずいて。そんな子たちに対して選択肢を多く用意しておきたいと思っています。年齢やライフスタイルに合わせて、誰だって働き方やキャリアの希望って変わってくるので、選択肢の多い人生ってハッピーだよね、という考え方です。うちで働く子たちの可能性を引き出してあげるのが、僕たち運営側の仕事かなと思っています。 Q. 採用時やリクルートの場で伝えているポイントは? A. 自己実現をしっかり果たせる環境を作っていきたいと思っていて、キャリアの多様性についてしっかり説明しています。例えば8~9割の人がプレイヤーを目指すと思うんですが、その後独立するだけでなく、管理職に就きたい場合もある。運営サイドとして関わっている僕としても、美容師をリタイアしても働き続けることができるというのもひとつのキャリアだと思っています。 Q. アシスタントの教育システムは? A. 4~5年前から実践しているのは、当たり前ですが営業時間中に講習を受けてもらい、2年でスタイリストデビューを目指してもらいます。授業は美容師なら180時間と決まっていて、風土教育のために社内スタッフが講師を担当するようにしています。もちろん、そのスタッフの時間はしっかり設定して売り上げを保証しています。 Q. 教育システムで大切にしていることは? A. カリキュラムだけでは担えない「デビューの先」に注目して伝えています。今の時代、「デビューが早い=売れる」ではありません。デビュー後の像をタイプ別にビジュアル化して伝え、3年目以降の進路を入社時からイメージしてもらうようにしています。デザイン力を高めたいか、ビューティーの領域を美容師として極めたいかなど...。まずは自分らしく楽しく仕事をするということが大切だと考えてます。 Q. 実際、スタッフさんの1日の働き方は? A. うちは開店前、閉店後のレッスンの風土はありません。9時からオープンし19時にシャッターダウン。1時間の休憩は全スタッフ義務付けしています。開店前・閉店後にレッスンしている子もいますが、それは個人の自由としています。 Q. スタッフのモチベーションUPやスキルアップのために導入しているシステムは? A. 「認めること」テーマに、毎月全体ミーティングを行っています。自己肯定感を上げるという風土を浸透させることを目的に、毎月MVP1名の表彰式を行うんですが、成果主義ではなく数字では見えない取り組みに関しての評価を高くするようにしています。各店の店長が自店のMVPを選んで「うちの子こんなに頑張ったんですよ!」とプレゼンし合い、それを評価しあって決めるんです。もちろん、年間アワードMVPも設け、そのスタッフには海外研修の機会や報償を与えるようにしています。 Q. 社内イベントは何かしていますか? A. 定期的なものとしては、毎年6月はバーベキュー、11月は忘年会、2年に1回は海外へ社員旅行へ行っています。その他はスタッフからの企画で運動会をしたり。不定期のイベントは、スタッフからの自主的な提案から賛同者が多ければ実現し、強制ではなく自由参加という形式です。 Q. スタッフにはどんな風に働いてほしいですか? A. うちでは「サンクスカード」というのも取り入れていて、社員同士で感謝したい時にカードを渡すというものです。社員には、このサンクスカードをもらうよりも、たくさん渡せる人であれと伝えています。人に感謝できる、利他の心を自然に持てるような人になってほしいと願います。 以上、アパカバールグループさんの教育システムについてお伺いしました。 103名というたくさんのスタッフを抱える組織ならではの、しっかり綿密に構築された体制。奥野さんいわく、それも社員同士の分析、メーカーさんの協力をもとに試行錯誤して生まれたと言います。 多くの人が関わるからこそ、その分だけ常に変化して成長していける。組織の魅力を改めて感じたお話でした。
熱い想いを持った【公式ライター】を募集!
AM-YU(アミュ)公式ライターとは? いつもAM-YU(アミュ) をご利用いただき、ありがとうございます! 美容業界のお役立ちアプリ「AM-YU(アミュ)」は、これまで美容師さんをはじめとする多くの方々の協力のおかげで、記事やコンテンツを増やすことができました。 これからも皆さんに有益な情報を提供できるよう、記事を執筆いただける美容師さんを探しています! 我こそは!という方は是非ご応募お待ちしております。 こんな方に記事を書いて欲しい。 ・美容業界を変えていきたい方 ・地方のサロンだけど、都会の美容室には負けていないと思っている方 ・自分だけの技術を美容業界で広めたい方 ・美容業界が好きでとにかく熱い方 全国津々浦々からのご応募お待ちしております! 応募条件 ・AM-YUアプリ会員であること(会員登録は無料です) ・美容師または美容業界に従事されている方。(メーカーやディーラーの方も大歓迎です!) ・美容業界の情報や知識・技術などを、同じ業界の人にきちんと伝えたいという意欲のある方 ・毎月、決めたテーマに沿って記事をご寄稿いただける方 応募方法 ご応募は「公式インスタグラム or メール」で受け付け中です! ▽Instagramの方は、下記よりDMをお送りください。 公式インスタグラム ▽メールの方の方は、①~③を記載のうえ送信ください。 am-yu@tryout.co.jp ①氏名(所属サロン名や会社名等) ②メールアドレス ③美容業界に伝えたいこと・やってみたいこと ご応募頂いた方は、弊社担当者との面談(オンライン可)を行った後、公式ライターとして活動して頂きます。 【注意事項】 ※ご応募頂いても、執筆頂けない場合がございますのでご了承ください。 ※応募された個人情報を第三者に提供したり、本企画遂行以外の目的に利用することはありません。 ※AM-YUプライバシーポリシーについてはこちらをご覧下さい。 https://am-yu.jp/guides/privacy 以上、AM-YU公式ライター募集のご案内でした。 皆さまのご応募お待ちしています!
今すぐできる! 美容師のSNS活用術【実践編】
集客の手段としてサロンの予約サイトだけでなく、SNSの活用も欠かせなくなっている美容業界。お客様がInstagramやTwitterなどでサロンを予約したり、情報を得たりするように、美容師もSNSを使ってお客様を集める時代になっています。 とは言っても、単純にアカウントを作って運営するだけでは、あまり意味がありません。集客につながる仕組みやコンテンツを考え、効果的に発信することが大切です。 前回の入門編に続き、今回は実践編として、SNSに投稿する具体的な内容や、集客力を高めるポイントを見ていきたいと思います! →【入門編】はこちら SNSの投稿内容 丁寧で親切なプロフィール アカウントのプロフィールは、自分の名刺代わりのようなものです。まずは、所属している店名や地名を分かりやすく明記することが重要。サロンのウェブサイトやマップのURLを貼り付けておくとより親切で、集客にもつながりやすいです。 それから、自分の技術や強みを知ってもらうことも大切。得意なことをアピールすることで、その事柄に興味・関心がある人に届きやすくなります。その際、「ヘアアレンジのやり方をメインに発信しています!」といったように、どのような内容を中心に投稿しているかも添えておきましょう。 もちろん、予約やお問い合わせの方法もマスト。サロンのウェブサイトなのか、美容系サロンの予約サイトなのか、SNSのDMなのかを明記しておくと、ユーザーが連絡しやすくなります。 ちなみに、Instagramを公式アカウントとして使用する場合、通常の「個人用アカウント」から「プロアカウント(旧ビジネスプロフィール)」に切り替えるのがおすすめ。フォロワーの年齢や地域、利用した時間帯、インプレッション数(投稿閲覧数)やサイトクリック数などが計測できます。アカウントを非表示にできなくなりますが、フォロワーのニーズを知るうえで有効なデータをチェックできます。 イメージしやすい仕上がり画像・動画 美容師の腕の見せどころなのが、仕上がりの投稿です。カットやカラー、パーマの場合は、フロント・サイド・バックと全方向からの画像を載せることで、全体のフォルムやイメージがつかみやすくなります。さらに、髪の質感や艶感などのディテールがより分かる接写の画像を交えるのも良いでしょう。 ユーザーからのニーズが高いヘアアレンジやスタイリングの方法は、ハイレベルなプロのスキルよりも、セルフで簡単に実践できるテクニックのほうが支持される傾向にあります。手順の見せ方は、動画を投稿できるSNSがおすすめ。動画なら流れが分かりやすく、イメージが伝わりやすいです。 仕上がりの投稿は、自分の武器をアピールすることと同時に、ユーザー目線に立つこともポイントになります。 クーポンやキャンペーンなどのお得情報 割引や値引、プレゼントといった特典が得られるお得情報の投稿は、定番のマーケティング方法の一つ。「ご新規様キャンペーン」「学割クーポン」「SNS限定クーポン」といったお得なイベントを定期的に実施すれば認知も広まり、より多くのお客様に足を運んでいただけるはずです。 このようなお得情報をSNSで告知する際は、ユーザーの目に留まりやすいキャッチーな投稿がベター。文字や画像、イラストなどを交えて、ユーザーを惹き付ける工夫をしてみましょう。 お得情報の発信は、お客様を集める絶好の機会。ユーザーから新規顧客・リピーターにつながるチャンスでもあるので、ぜひ実践してみてください。 サロンやスタッフの雰囲気 初めて美容室に行く時は、店内やスタッフの雰囲気などが気になるもの。そのような人をリラックスさせるという意味でも、店内や仕事の様子、スタッフの雰囲気や人柄が伝わる投稿を心がけてみましょう。 また、Instagramのストーリーズ機能などで当日の様子をアップすると、初来店のお客様も安心して足を運びやすくなるはずです。 SNSで集客力を高めるポイント ハッシュタグを活用する ハッシュタグは、「#」のあとに店名や地名、ヘアスタイル名、トレンドのキーワードなどを付けることで、情報を見つけやすくするための機能。特に若い世代は、SNSのハッシュタグ機能で検索するのが主流になっていて、集客の大きなチャンスになります。 ハッシュタグは、投稿件数によって以下の3種類に分けられます。 ●ビッグワード 10万件以上の投稿に付けられるハッシュタグのこと。検索すると多くの投稿にヒットする一方で、投稿数が多く目に留まりにくいという特性があります。 例えば、「#美容室」「#パーマ」「#ヘアアレンジ」などが挙げられます。 ●ミドルワード 1~10万件の投稿に付けられるハッシュタグのこと。ビッグワードよりもヒット件数が少ない分、ターゲットがより絞れるので、該当するワードに興味のあるユーザーの目に留まりやすいという特性があります。 例えば、「#似合わせカット」「#ハイトーンカラー」「#韓国風ヘア」などが挙げられます。 ●スモールワード 1,000~1万件の投稿に付けられるハッシュタグのこと。ミドルワードよりもさらに件数が少なくなりますが、ユーザーの興味・関心、目的やニーズが明確になるという特性があります。 例えば、「#40代メンズヘア」「#アッシュグレージュ」「#ウルフレイヤー」などが挙げられます。 ビッグワードばかりを付けてしまうと他の投稿に埋もれ、スモールワードばかりだと検索するユーザー自体の数が減ってしまいます。ハッシュタグは最大30個まで付けられるので、幅広いユーザーから見てもらえるように、ワードをバランス良く組み合わせるのがポイントです。 また、ビッグ・ミドル・スモールワードを組み合わせているからといって、投稿に関係のない的外れなハッシュタグを付けるのは禁物。ユーザーから好感を持ってもらえるように活用しましょう。 定期的に投稿する 美容師に限ったことではありませんが、SNSアカウントの運営はフォロワーが離れないよう、定期的に投稿することが大切です。あまり期間を空けず、情報を発信していきましょう。 ただし、1日に複数回ポストするなど、投稿の回数が多すぎるのもNG。目新しさに欠けて、ユーザーから早く飽きられてしまう可能性があります。理想は1日に1回、少なくとも3日に1回のペースで投稿できるように心がけましょう。 また、繁忙期やキャンペーン期間、長期休暇などと重なり、投稿が滞りやすい時期があると思います。そんな場合に備えて、ゆとりのある時に投稿のストックを溜めておくと便利。忙しくてもスキマ時間でサクッとアップできるのでおすすめです。 よく見られる時間帯に投稿する SNSマーケティングでは、ターゲットのユーザーが見ている時間帯に投稿するのが効果的です。 例えば、19~24時はSNSが最も見られるゴールデンタイムです。会社員や学生が帰宅したり、主婦層の家事がひと段落したりと、帰宅から就寝までの時間帯は多くの人がSNSをチェックしています。 また、通勤・通学の時間にあたる7時~9時、退勤・下校の時間にあたる17~19時も、移動中の電車やバスなどでSNSを開く人が多い時間帯。家事がいったん落ち着く14~16時は、主婦層に見られやすい傾向にあります。 Instagramを使う場合はプロアカウントに切り替えておくと、フォロワーがどの時間帯に最もInstagramを利用しているかが分かるので便利です。 さらに、InstagramやTwitter、TikTokには投稿時間を予約できるという機能も。見られやすい時間帯に予約投稿することで、いつも以上に反響があるかもしれないので、こちらもぜひトライしてみてください。 公私混同はできるだけ避ける マーケティングを最優先に考えるなら、個人アカウントでもビジネスと割り切って仕事関連の情報だけを投稿するようにしましょう。プライベートな投稿をすることでネガティブなイメージを持たれたり、誤解を招いたりするようなことがあれば、自分だけでなくサロンの評価を下げてしまう恐れもあります。 一定数のフォロワーやファンがいる人であれば、プライベートな投稿がポジティブに転じるケースも。オフの一面を共有することでお互いの距離が縮まり、好反応が得られやすいこともあります。ただし、知名度や影響力が高まるまでは、プライベートな発信は控えておくのがベターと言えるでしょう。 まとめ SNSは美容師やサロンの特徴、有用な情報をユーザーに発信することで、集客が期待できる便利なツールです。 前回、今回の2回にわたってご紹介した基礎を押さえたうえで、継続的にSNSを運用していくことが集客への近道です。成果が出ないからといってすぐにあきらめたりせず、じっくり焦らずSNSを運用していきましょう!
今すぐできる! 美容師のSNS活用術【入門編】
集客の手段としてサロンの予約サイトだけでなく、SNSの活用も欠かせなくなっている美容業界。お客様がInstagramやTwitterなどでサロンを予約したり、情報を得たりするように、美容師もSNSを使ってお客様を集める時代になっています。 とは言っても、単純にアカウントを作って運営するだけでは、あまり意味がありません。集客につながる仕組みやコンテンツを考え、効果的に発信することが大切です。 今回は入門編として、美容師がSNSを積極的に使いたい理由や、美容師に向いているSNSの特徴を改めて見ていきたいと思います! 美容師がSNSを活用したい理由とは? 競合店が多い 厚生労働省が統計をとる令和3年度の衛生行政報告例によれば、全国の美容所(美容室)は26万4,223軒。これは、全国に5万5,852軒(※)あるコンビニの5倍近い数字です。 それほど競合の多い美容室や美容師が業界で生き残っていくためには、効率的で継続的な集客が欠かせません。サロンとしてマーケティングやプロモーションを頑張るだけでなく、今は美容師個人でも発信力・拡散力のあるSNSを使ってセルフブランディングし、お客様を集めることも必要になっています。 ※一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会による2023年2月度「JFAコンビニエンスストア統計調査」を参照。 拡散力が高い これまで主流だった予約サイトは、24時間いつでもサロンを予約できて非常に便利ですが、拡散力という面では物足りなさも。一方、SNSは圧倒的な拡散力の高さが魅力です。 InstagramやTwitterなどは画像・動画を使った投稿が可能で、より多くのユーザーの目に留まります。美容師にとっても得意な技術やセールスポイントを発信できるので、自分の技術を求めているお客様やファンに直接アピールできます。 InstagramやTwitter、TikTokならハッシュタグを上手に使えば、国内だけでなく国外にも拡散される可能性もあるので、もしかしたら大きな反響があるかもしれません。 集客につながる SNSは投稿だけでなく、コメントやDMなどを通じて、ユーザーに美容師の存在を身近に感じてもらえるツールです。 投稿内容についてのコメントやDMには、親切・丁寧に対応することで、相手からの信頼が高まっていきます。それがお客様ではなくても気に入ってもらえれば、来店や指名予約につながることも。メッセージはこまめに返信するように心がけましょう。 また、スマホ1つでカットモデルやアシスタントを募集できるのもSNSの強み。募集方法は投稿で告知したり、気になるフォロワーを見つけたらDMでスカウトをしたり、いつでもどこでもリクルーティングできます。 美容師にぴったり! おすすめSNS3選 Instagram Instagramは、画像や動画などのビジュアルに特化したSNS。日本国内では約3,300万人のユーザーが登録し、その半数以上のユーザーが10~20代。若い世代に欠かせないツールです。 画像や動画が映える美容ジャンルとも好相性で、特に女性からの支持が高いツールです。 ●メリット Instagramは投稿する時、画像や動画の添付がマストです。ですから、文章や言葉では伝えづらい絶妙なカットやカラー、ヘアアレンジ、髪の動きや質感などがひと目でわかり、自分ならではの技術や個性をアピールするのに最適。店内の雰囲気やスタッフのキャラクターをアピールすることにも役立ちます。 何かを調べる時にGoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用するように、若い世代はInstagramのハッシュタグ機能で検索するのが主流。ハッシュタグは最大30個まで付けられますが、少なくとも10個を目安に付けるようにすると、検索にヒットしやすくなります。 出勤日や臨時休業、空き状況といった速報や、質問箱などのちょっとした小ネタには、24時間以内で消えるストーリーズ機能を使うのがおすすめ。フォロワーが増えてくれば、リアルタイムでユーザーとつながれるインスタライブで交流を深めるのも良いかもしれません。 ・個人、サロンの個性をPRできる ・検索ツールとして機能する ・多彩な機能でより身近な存在に ●デメリット 投稿が滞っていたり、ペースが不定期だったりすると、ユーザーの目に留まる機会が減り、せっかく集まったフォロワーが離れてしまう恐れも。 できれば毎日更新したいところですが、通常業務の忙しさを考えれば、まずは3日に1度のペースで試してみるのがベター。ユーザーとの接点が増えると、フォロワーのホーム画面に投稿が優先的に表示されるので、コンスタントな投稿は必須です。 ただ、定期的に投稿しているからといって、すぐに効果が表れるわけではありません。Instagramを使った集客方法には決まった答えがなく、サロンごとの属性をリサーチしたり、トライ&エラーを繰り返したりするなかで、徐々にニーズが見えてくるものです。じっくりと根気強く検証していきましょう! ・定期的な投稿が不可欠 ・効果が表れるまで根気が必要 TikTok 動画に特化したTikTokは、国内で約950万人のユーザーが登録。その半数以上が10~20代で、いわゆるZ世代をメインに利用されています。 15秒、60秒、3分の短尺動画が中心ですが、2022年3月からは最大10分までの動画作成も可能に。動画の編集機能も備わっているので、編集が苦手な人にもおすすめのツールです。 ●メリット 他のSNSと比べて動画編集機能が充実しているのが、TikTokの一番の魅力。動画の撮影やカットはもちろん、音声加工、文字や音楽の挿入などがアプリ内から簡単に編集できるので、忙しい美容師にぴったり。動画編集が苦手な人にもおすすめです。 美容師の投稿でバズりやすいのが、ビフォーアフターやイメチェンなど「変化」にフォーカスしたコンテンツ。ロングヘアからショートヘアへ、黒髪からハイトーンカラーへ、傷んだ髪からサラサラヘアへ、といった内容が定番です。それに加えて、カウンセリング時の説明や人柄なども伝えられると、集客にもつながりやすくなります。 InstagramとTikTokのアカウントを連携させることもおすすめ。Instagramのリール機能とTikTokの両方に投稿することで、視聴してもらえる可能性が2倍になり、拡散力も高まります。 ・動画編集が手軽にできる ・人気動画で集客が狙える ・Instagramとの連携で拡散力アップ ●デメリット 10~20代の若いユーザーが中心なので、コメントが荒れやすいのがネック。撮影する時は、発言や態度などには十分な注意が必要です。もちろん、TikTokにはコメント不可やコメント消去の設定も備わっているので、荒れてきた場合はブロックするなどの手立てを打ちましょう。 ユーザーとの距離が近く、投稿がバズる確率も比較高いSNSですが、ビジネスにつながりにくいのも難点。投稿先から告知ページへと直接アクセスできないので、動画でユーザーを惹き付けてTikTokのプロフィールに誘導し、該当ページを見てもらうなど、導線のひと工夫が必要です。 ・コメントが荒れやすい ・マーケティングしづらい Twitter Twitterは、国内で約4,500万人のユーザーが登録しているコミュニケーションアプリ。20~30代のユーザーが多く、平均年齢は約35歳です。 情報拡散力と速報性が持ち味のSNSのなかでも、リツイート(シェア)されやすく、フォロワーからその先のユーザーまで情報が届く可能性があります。 ●メリット 出勤日や空き状況、営業時間の変更や臨時休業など、速報を拡散したい時に役立つのがTwitterです。Instagramとは違って画像や動画の添付がマストではないので、文字を打つだけで手軽に発信できます。文章と画像・動画をワンセットで見られるのも、Twitterの強みです。 ツイート自体にURLを貼り付けられるのも、Instagramにはない機能の一つ。ツイートでお店を知ってもらい、サロンのホームページや予約サイトのリンクに誘導することで、集客も見込めます。 ・速報を拡散するのに最適 ・文章と画像がセットで見られる ・ツイートにURLを貼付できる ●デメリット 長文がツイートできる有料の「Twitter Blue」契約者を除けば、ツイートは全角で140文字、半角で280文字という文字制限があるので、簡潔に文章をまとめたり、ツイートに画像や動画を交えたり、ユーザーの目を留める工夫が必要です。 また、ツイートが次から次へと流れてくるので、自分のツイートが埋もれてしまいがち。有名美容師や超有名店でない限り、一気にフォロワー数を伸ばすのは難しいため、コツコツと投稿したり、いいね!したり、リプライすることで、認知してもらいましょう。 ・文字数制限がある ・ツイートが埋もれやすい ・フォロワーが伸びにくい まとめ このように、SNSは美容師やサロンにとってブランディング、マーケティング、プロモーションを行ううえで欠かせないツールです。 SNSを運営しているからといってすぐに成果を求めず、辛抱強くコツコツと投稿し続けることが大事。お客様やお店のニーズを調べて、ユーザーの興味・関心を引く発信をコンスタントに続けることで、着実にファンを増やしていきましょう。 次回は、SNSに投稿する具体的な内容や、集客力を高めるポイントなど、より実践的な内容をお届けします。
先輩教えて!美容業界就活指南!
美容業界で働く人に、美容師になったきっかけや就活で気を付けたいことを聞くこのコーナー。今回は「Maruquee de Mashu店」の美容師歴4年目。スタイリストの山下 萌々子さんにお話を伺いました! Q1.美容師を目指したきっかけは? 子どものころはテーマパークで働きたいという夢があったんですが、高校に入って友達の髪をスタイリングしてたりするうちに、美容師に興味を持ち始めました。それと、今働いているお店にお客さんとして通っていたのですが、店長が本当に仕事を楽しそうにされていて、そのことに衝撃を受けたのが大きかったですね。 もともとサービス業に興味があったので、私もこんな風にお客様を幸せな気持ちにできる仕事がしたいと思い、それからどんどん美容の世界に夢中になっていきました。 Q2.就活の際、気を付けていたことはありますか? とにかくありのままの自分を出すことですかね。学校で習わなかった技術試験があっても、うまくやろうとしても緊張してしまうだけので、楽しむことを意識しました。 面接では、自分らしく、伝えたいことをしっかりまとめて受け答えしようと思って挑みました! Q3.イメージしていた美容業界とのギャップは? 美容師になる前は、オシャレでキラキラしていたイメージでしたが、実際に働いていると、日々進化する技術や変化するトレンドを逃さないために、常に勉強の世界なんだと改めて思いました。使う道具なんかも新しいものがたくさん出てくるので、情報収集や練習は欠かせないですね。 だからこそトレンドを追いかけるのが楽しいですし、周りの先輩たちはもっとたくさん勉強している人ばかりなので、モチベーション高く勉強できていると思います。 Q4.美容師に向いているのはどんな人だと思いますか? とにかく美容が好きな方だと思います! 美容が大好きで、仕事を楽しめるのが1番ですね。練習や勉強が欠かせない業界ですし、モチベーションを高く居続けるのは大変ですが「楽しい」「好き」という感情があるから頑張れるんだと思います。 美容師を目指している皆さんも、今抱いている情熱や「好き」の気持ちを思いっきり表現して、楽しんで色んな事にチャレンジしてもらいたいです! <インタビューに応えてくれたのは> 山下 萌々子さん MASHU Maruquee de mashu スタイリスト <SALON DATA> MASHU Maruquee de mashu 大阪市北区茶屋町8-34 ESPASION CHAYAMACHI BLDG. 2階 TEL:06-6292-7266 https://mashu.jp/maruquee_de_mashu
採用担当者に聞く 就活のススメ
美容師・美容業界への就活を頑張っている方に、採用担当者さんに面接時に注意して見ているところや、美容業界で働く人のための心得を聞くこのコーナー! 今回は大阪を中心に展開する美容室「MASHU」グループの採用担当者にインタビューしてきました。 +++++++++++++++++++++ 面接では、言葉づかいや表情から「人柄」を重視しています。 美容室はサービス業の中でも特にお客様との距離が近く、美容師との関係性でお客様がリピートしてくださることが多い業界です。なので、面接時は特にその方の話し方や表情を見るようにしています。しっかりと自分の言葉で表現ができるか、その人と話していて楽しい気分になれるかということは、カットやスタイリングの技術と同じくらい大切なこと。お客様が「またこの人にお願いしたい」と思ってもらえたり、私たちが仲間として「この人と一緒に働きたい」と感じられる人であるかが大切なポイントなんです。 未来のビジョンを持って行動と努力ができる人を求めています。 美容師は技術職ですから、日々の努力や技術探求はどれだけベテランになっても疎かにはできません。なので、自分の理想とする未来像をしっかり持ち、そのために行動と努力ができる人が、良い美容師になれると考えています。日々の業務や練習は大変ですが、この業界で働くことをやりがいに感じ、美容師を楽しもうとワクワクしているのが伝わる人は、技術力もどんどん上がっていきますし、たくさんのスタッフやお客様に愛されていくんです。そういう人に共通しているのは、自分の未来に責任を持ち、お客様のことを第一に考え、感謝の気持ちを持って働く人だと思っています。 美容業界に入る前にやっておけることは色々あります! 学校で勉強中の人は、普段の授業だけでなく色んなサロンを見学したり施術を受けに行ってみるのもおすすめです。プロがどんな接客をしているか、客観的に見てみると色んな事に気づけると思います。また、近年はSNSでの発信力も美容師に必要なスキルになってきています。日ごろから情報収集や自己表現のためにSNSを使っておくのもいいですね。学校だけの知識や技術に留まらず、視野を広げて柔軟な考えができるようになっておけば、実際の現場でも臨機応変な対応力を発揮できるかもしれません。 +++++++++++++++++++ <インタビューに応えてくれたのは> 中島 盾さん/株式会社MASHU 採用人事責任者 MASHUグループHPはこちら! https://mashu.jp/