アパカバールグループに聞く!イマドキの教育って?
華やかな反面、体育会系やキビシイというイメージがある美容師の世界。最近では、時代に合わせて柔軟に変化しているそうです。 そこで、ヘアサロンにイマドキの教育体制について聞いてみました。 今回は、大阪に多数の店舗を構える『アパカバールグループ』さん。ヘアだけでなくネイル、アイラッシュ、エステまで展開する大型店です。 APA KABAR GROUP/アパカバールグループ HP : http://www.apakabar-co.jp/ Instagram : @apakabargroup_recruit ▼お話を聞いたのはこの人! 執行役員・営業本部長 奥野勇気さん <SALON DATA> ANHELO by AK/アネーロバイエーケー 大阪府堺市北区北花田町3-17-3 東洋ビル1F tel : 072-240-0511 Q. 現在の店舗数、従業員数を教えてください。 A. ヘアサロンにネイル3店舗、アイラッシュ4店舗が美容室に併設している形で、店舗としては現在10店舗です。従業員数は103名。2024年は10名が入社しました。 Q. ヘアだけでなくネイル、アイラッシュも展開するようになった理由は? A. 美容師という仕事にネガティブなイメージを持ってしまっている子が少なからずいて。そんな子たちに対して選択肢を多く用意しておきたいと思っています。年齢やライフスタイルに合わせて、誰だって働き方やキャリアの希望って変わってくるので、選択肢の多い人生ってハッピーだよね、という考え方です。うちで働く子たちの可能性を引き出してあげるのが、僕たち運営側の仕事かなと思っています。 Q. 採用時やリクルートの場で伝えているポイントは? A. 自己実現をしっかり果たせる環境を作っていきたいと思っていて、キャリアの多様性についてしっかり説明しています。例えば8~9割の人がプレイヤーを目指すと思うんですが、その後独立するだけでなく、管理職に就きたい場合もある。運営サイドとして関わっている僕としても、美容師をリタイアしても働き続けることができるというのもひとつのキャリアだと思っています。 Q. アシスタントの教育システムは? A. 4~5年前から実践しているのは、当たり前ですが営業時間中に講習を受けてもらい、2年でスタイリストデビューを目指してもらいます。授業は美容師なら180時間と決まっていて、風土教育のために社内スタッフが講師を担当するようにしています。もちろん、そのスタッフの時間はしっかり設定して売り上げを保証しています。 Q. 教育システムで大切にしていることは? A. カリキュラムだけでは担えない「デビューの先」に注目して伝えています。今の時代、「デビューが早い=売れる」ではありません。デビュー後の像をタイプ別にビジュアル化して伝え、3年目以降の進路を入社時からイメージしてもらうようにしています。デザイン力を高めたいか、ビューティーの領域を美容師として極めたいかなど...。まずは自分らしく楽しく仕事をするということが大切だと考えてます。 Q. 実際、スタッフさんの1日の働き方は? A. うちは開店前、閉店後のレッスンの風土はありません。9時からオープンし19時にシャッターダウン。1時間の休憩は全スタッフ義務付けしています。開店前・閉店後にレッスンしている子もいますが、それは個人の自由としています。 Q. スタッフのモチベーションUPやスキルアップのために導入しているシステムは? A. 「認めること」テーマに、毎月全体ミーティングを行っています。自己肯定感を上げるという風土を浸透させることを目的に、毎月MVP1名の表彰式を行うんですが、成果主義ではなく数字では見えない取り組みに関しての評価を高くするようにしています。各店の店長が自店のMVPを選んで「うちの子こんなに頑張ったんですよ!」とプレゼンし合い、それを評価しあって決めるんです。もちろん、年間アワードMVPも設け、そのスタッフには海外研修の機会や報償を与えるようにしています。 Q. 社内イベントは何かしていますか? A. 定期的なものとしては、毎年6月はバーベキュー、11月は忘年会、2年に1回は海外へ社員旅行へ行っています。その他はスタッフからの企画で運動会をしたり。不定期のイベントは、スタッフからの自主的な提案から賛同者が多ければ実現し、強制ではなく自由参加という形式です。 Q. スタッフにはどんな風に働いてほしいですか? A. うちでは「サンクスカード」というのも取り入れていて、社員同士で感謝したい時にカードを渡すというものです。社員には、このサンクスカードをもらうよりも、たくさん渡せる人であれと伝えています。人に感謝できる、利他の心を自然に持てるような人になってほしいと願います。 以上、アパカバールグループさんの教育システムについてお伺いしました。 103名というたくさんのスタッフを抱える組織ならではの、しっかり綿密に構築された体制。奥野さんいわく、それも社員同士の分析、メーカーさんの協力をもとに試行錯誤して生まれたと言います。 多くの人が関わるからこそ、その分だけ常に変化して成長していける。組織の魅力を改めて感じたお話でした。