New sense 新しい動きで魅せる美容室 【JURK TOKYO編】
他のサロンでは味わえない“コト”を提供する美容室を紹介していくこの企画。今回登場していただくのは、東京・表参道で店舗を展開する『JURK TOKYO』。こちらではレディースアパレルに特化し、セレクトショップ顔負けのアイテムが並びます。 2022年にオープンし、名古屋に次いで2店舗目となるこちら。ラインナップとしては『VIVIANO』や『FUMIE TANAKA』など日本のファッションブランドをはじめ、モードからガーリーまで幅広くセレクトされているそう。他にも、靴やアクセサリーといったファッション小物や『THREE』やオリジナルのヘアケアアイテム、そしてコスメも取り扱っています。 「こういうファッションが好きならこういうヘアがいいねとヒアリングしながら、トータルで提案できるのが強みかなと思います」と話してくれたのは、JURKでディレクターを務めるYOUさん。時にはヘアスタイルを作った後に、ここで洋服の提案をすることもあるんだとか。 複合型ヘアサロンという強みを活かして、取り扱いブランドの別注アイテムも展開されているそう。最近では『VIVIANO』やコスメブランド『DIDION』とコラボし話題を集めました。商品はもちろんのこと、ヘアメイクとスタイリングを一緒に提案するビジュアルワークもとても素敵なんです。 『VIVIANO』×『JURK』のテーマは"twilight" 。魔法のように心惹かれる特別な瞬間をイメージしたコレクション。ドレス、トップス、スカート、パンツ、ソックス、グローブ、ニットキャップと幅広いアイテムがラインナップ。 『DIDION』とコラボレーションで誕生したのは、別注カラーのリキッドグリッター。イエローゴールドとシルバーをミックスした『Twinkle Bright』とピンクベースに偏光ラメが入った『Ambivalence』の2色展開となっています。 様々な動きを見せる『JURK』ですが、今後はもう少しライフスタイル展開も増やしていきたいとのこと。「最近はカフェやお花屋さん、インテリアブランドとコラボレーションしたイベントをこのフリースペースで開催しています。このスペースで常時いろんなイベントができたら理想的。見た目だけではなく、その人の生活にも寄りそったスタイルを提案できたらなと思います」とYOUさん。ヘアサロンという枠組みを超えて、一人ひとりのライフスタイルを提案する『JURK』の今後の展開が楽しみです。 <SALON DATA> JURK TOKYO / ユルク トーキョー 東京都港区南青山6-7-2 VORT南青山1F Instagram: @jurk_tokyo
#4 ヘア・サロン夢屋 オーナー 夢 夢子さんの美容道
『美容道』。それは美容師人生を歩んでいく中で、それぞれが理想を追い求めて突き進んでいく道のこと。そんな険しくも輝かしい道を歩み続ける方々を招いて、パーソナルな部分を紐解きながら各々の美容道に迫っていくというこの企画。第4回目となる今回は、サロン名からもお名前からも強烈な個性を放つこの方の登場です。自身が好きなものが明確で、その世界観を落とし込んだヘアサロン。掘り下げていくと、揺るぎない信念には愛とリスペクトが詰まっていました。 ー本日はお忙しい中ありがとうございます。まずは、こちらから投げかける単語から連想するものをファーストインスピレーションでお答えください。その後、それぞれの回答の理由を教えてください。 ー学生時代 「はるか昔」 「もうほぼ何も思い浮かばないです。今で精一杯というか、今これからのほうが興味あるっていうか」 ーファッション 「原色」 「好き嫌いははっきりしています。イメージは、やっぱり1960年代とか1970年代。はっきりした色が好きで着ることが多いですね。グレーとか1回も着たことないです。グレーに関しては。着たいですけど白もあんまり…。ピンクとか紫も、甘くはなくてはっきりした色。サイケデリックな感じですね。70年代はずっと好きな時代で、はじめはベルボトムとか柄シャツ、チューリップハットっていうファションからで。活気のある時代というか、模様やバランスに惹かれます」 ー推し 「宇野 亞喜良さん」 「永遠の推しですね。19歳とか20歳のときに友達に教えてもらって知ったイラストレーターさん。60年代~70年代の、寺山修司の本とか天井桟敷という劇団のポスターを描いていて、怪しげで、セクシーで、サイケデリック。魅力はやっぱり顔。あと、髪型も」 ーSNS 「現代」 「それしかないくらいじゃないですか。SNSをやりはじめた時からお店のアカウントでやっているので、個人的な付き合いはないですね。本当に大人になってから(SNSが)現れてよかったと思います。日が経つのが早すぎて、旅行行った時に上げようと思うんですけど、「あれっもう1ヶ月くらい経ってる!」って、なんか熱が冷めてしまって…。遅いっていうか、ぼんやりしてる(笑)。主流がどこにあるかわからないですが、SNSは10代20代の方がメインでやっているものだと思うし、自分がそのメインにいるとも思ってないですし。ただやってるって感じです」 ー欲しいもの 「広さ」 「家も店も、もっと広さが欲しいなと思います。物が多くて…本とか雑誌、漫画の類、食器もですね。お店も家と一緒で美容と関係ないものが増えてきてるんで、もうちょっとすっきりさせたい。でも、減らしたいのにリサイクルショップ巡りをしちゃったりして。そこで安く売られてたりすると「私が買わな捨てられるんかな」って、つい買ってしまうというか。その繰り返し。ものを捨てることが本当になくて、服も古着で買ってるんですけど、少々脇が破れたくらいじゃ捨てられなくて、せめて人にあげるとかですね。古着で買ったボロボロのTシャツでコンビニ行ったら乳首透けてたってこともありました。もう二度と出会えないと思うと、レアなものじゃなくても、捨てられないんです」 ー恋愛 「片思い」 「恋愛の醍醐味といえば片思いかなって。ちなみに、追いたいほうです。結構アピールはしますね」 ー大阪 「万博」 「1970年の万博ですね。岡本太郎の。あの万博が好きで。人間洗濯機とか太陽の塔もそうですけど、あの頃見てた未来みたいな、手塚治虫の未来都市みたいな。今の(2025年の万博)は、ちょっと現実的すぎる感じじゃないですか。デザインとかも当時の丸みのある感じがいい」 ー夢 「飛びたい」 「そうですね。もう言葉通り、飛びたい。スカイダイビングとか、やってみたいなって。鳥になりたいとかではなくて、海に潜るとか早く走るとかは興味なくて、飛びたい。飛行機もそうですし…バンジージャンプも何回かしました。でも海のやつで、足からめっちゃ空気出て飛ぶやつあるじゃないですか。あれはやってみたいですね」 ー美容師 「ナイスヘアの共犯者」 「これ、うちのキャッチフレーズになっているんで、そうなっちゃいますね。私の美容師としてのスタンスは、自分の好みのヘアをするよりは、提案はするけどその人がしたい髪型を一番よくするってことで。「共犯者」って、脇役というか。髪型が変わると気分が変わる、気持ちが良くなると思うので、そういう意味では少しはお客さんの生活の役に立っているのかなって思います」 言葉ひとつひとつがおもしろく、そして奥深くもある夢子さん。もっと話が聞きたくなるインタビューの全貌は、ぜひ動画でチェックしてみてください! #4 ヘア・サロン夢屋 夢 夢子さん Instagram : @yume_yumeko <SALON DATA> ヘア・サロン夢屋 大阪市中央区東心斎橋1-14-19 三河ビル4F tel : 06-4963-9769 http://newyumeya.com/ Instagram : @newyumeya
#3 iki オーナー 中 昌幸さんの美容道
『美容道』。それは美容師人生を歩んでいく中で、それぞれが理想を追い求めて突き進んでいく道のこと。そんな険しくも輝かしい道を歩み続ける方々を招いて、パーソナルな部分を紐解きながら各々の美容道に迫っていくというこの企画。第3回目となる今回は、実力派スタイリストでありながら、「Vendange」「iki」のオーナーでもある中 昌幸さんをお迎えしました。サロンだけでなく、飲食のプロデュースや堀江のスタンド「最高ピーポーOSAKA」も経営するなど、多彩な顔を持つ彼のアイデンティティとは。 ー本日はお忙しい中ありがとうございます。まずは、こちらから投げかける単語から連想するものをファーストインスピレーションでお答えください。その後、それぞれの回答の理由を教えてください。 ー学生時代 「ファッション」 「高校生の2年生の時、人生のターニングポイントがあったんです。普段は制服だったんですけど、クラス遠足は私服だったので、そのためにクラスの目立ってるスケーターの子やバンドの子たちにアメ村に買い物に連れて行ってもらって、全身一式買ったんです。それで遠足の当日、バスに乗り込んだ瞬間に女子全員が褒めてくれたんですよ。そこからファッションが好きになりましたね」 ーファッション 「雑誌」 「ファッションって雑誌からだったんですよ。当時はインターネットがなかったので、雑誌で情報収集して、ファッション関係の仕事に就きたいなと思っていた時期があります。その後ヘアメイクという仕事があるっていうのを知って、美容学校に行ったんです。それが美容師になるきっかけですね」 ー推し 「コーヒー」 「のめりこんでしまって。10年くらい自宅で自家焙煎して、サロンでおもてなしの一環として提供してたんですけど、最近業務用の焙煎機を買ったんですよ。それでスペシャルティコーヒーの豆も買って。奥が深いんで、どんどんのめり込んでいって…。なんでも仕事につなげるタイプなんで、お客さまが喜んでもらえたりすると付加価値になるかなと」 ー欲しいもの 「ない」 「なんかね、すぐ買っちゃうんですよ(笑)。欲しいな、欲しいなってずっと悩むっていうことがあんまりなくて。直感で「あっ」て思ったらすぐ買っちゃう。よっぽど高いものは別ですし、自分の中の費用対効果みたいなものは意識はしますけど、焙煎機と同じで、それで満たされることが大事。それに、そこで終わらずに仕事につなげるようにしていますね。すごく欲しいものしか買わないので、買って後悔することはないです」 ーパートナー 「妻」 「例えばお笑い番組を家族で観ていても、僕は爆笑して声に出したりテレビに話しかけたりしないんですよ。でも奥さんはマラソン観てても「がんばれ~っ!」て言ったりしてて。それって新鮮で。なんかほっこりしていいなって思うんです。僕は心の中で「ふふん」って笑うくらいなんで。そういうのが奥さんとは真逆で、やっぱり真逆のものには惹かれますね。あとは宝物である息子を共有しているパートナーでもあります」 ー食 「趣味」 「好きになると本当に掘り下げちゃうんです。普段何気なく食べてるものでも、「美味しいな」で終わるんじゃなくて、これがどうやってできてるんやろってすぐ調べてしまう。それで、それを作ってる時がすごくわくわくするんですよ。例えば生ハムだと乾燥して寝かせていくんですけど、その過程で生ハムの香りに変わってくる瞬間があるんですよ。料理ってプロセスが楽しい。この前、尼崎の立ち飲み屋に行ったんですけど、駅からの田舎道でお父さんとお子さんが川でサリガニ釣ってたんですよ。そういう予期せぬことも含めて、新しいお店に行くのもすごく楽しみですね。気づきがあって」 ーサロン 「中心」 「今、化粧品のプロジェクトと飲食店、美容室経営、フードのプロデュースをやってるんですけど。いろんな仕事させてもらって、いろんな人と会って、なんか自分ってなんだろうなって思うんですけど。やっぱり美容師としての自分を見てほしい。あくまで美容室のオーナーがやってる飲食店。美容室のオーナーがやってる化粧品。美容師としての自分が一番しっくりくるというか。美容師が本業というのは変わりないですね」 ー美容師 「無くてはならないもの」 「美容師の本質って「あなたに出会えてよかった」だと思うんです。僕は髪の毛だけじゃなくて、美味しいごはん屋さんも教えたいし、お肌がきれいになる化粧品も教えたいし、いけてるグッズだったり、自分からアウトプットしてお客さんがインプットしてくれればなっていうのがあって。それが自分らしさかなって思います。ヘアスタイルだけでは人はきれいにならないっていうのが、今まで美容師として追求してきた僕の答え。本当に美容師やってきてよかったなって思うし、ファッションから美容に行こうって決断して本当によかったなって思います」 多彩な分野で活動する中さんのスタイルは、これからの時代のお手本かもしれません。ついつい聞き入ってしまうインタビューの全貌は、ぜひ動画でチェックしてみてください! #3 iki オーナー 中 昌幸さん Instagram : @nakamasayuki <SALON DATA> iki/イキ 大阪市西区南堀江2-11-8 tel : 06-6568-9745 http://iki-salon.jp/ Instagram : @iki__salon
「美容師はハッピーな仕事」。OLTAのFumiyaさんに聞く、競争社会・東京で楽しく働くには?【後編】
『OLTA』 スタイリストの Fumiyaさんに、トレンド発信基地であり、美容の最先端でもある東京で働くことをテーマにインタビュー。 最後となる【後編】では、「毎日充実している」というFumiyaさんにインスピレーションの源や東京で働く楽しさを聞いていきます。 また、これからの夢も教えてもらいました! 昔から今を探るのは、すごくおもしろい! —Fumiyaさんはどんなスタイルが得意なんでしょうか? 「なかなか説明しにくいんですが……まずぼくは、あんまり手の込んだスタイルが好きじゃないんです。目指しているのは、街を歩いているとき風になびく髪がなんだかいい感じ。なんならスタイリング剤とかもつけなくてもその人に合っている。そんな自然体なのにかっこいいスタイルをずっと追い求めています」 ニューレトロなスタイルも得意。 「スタイルや技術を言語化するのってすごく難しいですよね……。アシスタント時代からずっと悩んでいて。ぼくの頭の中には、完璧なヘアデザインができあがっているんですけど、そのかっこよさをお客さんにうまく言葉で説明できない。美容師になって、自分はしっかり考えるタイプではあるんだけど、コミュニケーションに関しては感覚的に生きてきたんだなと痛感させられました」 —その言語化が難しい問題はどのように解決したんでしょう? 「これを解決と言っていいかわからないんですが……。 ぼくは、昔の雑誌や映画でいいなと思ったスタイルを、今の時代にハマるデザインに落とし込むことが好きなんです。インスピレーションを得るために神保町に古雑誌をディグりに行ったりもしていて。見つけたスタイルは、スマホで撮って自分の手札にしています。合いそうだなぁってお客さんには「どう?」って見せたりして。やっぱり説明するよりもわかってもらえますね(笑)」 競争社会東京で生き残るには、人と比べて嫉妬しないこと —ここまでお話を伺ってきて、Fumiyaさんは東京をとても楽しんでいるなと感じました。この街で成功するには何が大切だと思いますか? 「そうですね。この街で生き残るには、嫉妬しないことが大事だと思います。東京はものすごい競争社会で、みんなが上を目指す街。ぼくもそのレールに乗っかってがんばりたいという気持ちはありますが、人と比べてどうとかではなく、自分の”良い”と思う感性を突き詰めていきたいです」 OLTAのスタッフと。 「上を目指す人がたくさんいるって悪いことばかりじゃなくて、その分、刺激的なこともこの街には多いんです。美容師になって、たくさんの人と出会えて、たくさんの信頼できる人が増えて。信じてついていける人もいれば、ぼくを信じてついてきてくださるお客さんもいる。毎日、充実した日々を過ごせているので、本当に良い職業ですよね。美容師になってまだ6年ですが、たくさんの人との繋がりができました。じゃあ倍の12年やったらもっと増えるんだろうなぁと考えると、東京に来てよかったなと思いますよ」 夢は美容師の枠にとどまらず、トータルでおしゃれを提案できるひと —最後にこれからの夢や目標を聞かせてください。 「まずは長く美容師を健康で続けることが目標です。 次に具体的なところで言うと、ヘアメイクとして、表に出る人たちをもっとキラキラさせてあげたいなって思います。『OLTA』には俳優やモデルをされているお客さんも多いんです。ヘアメイクってその現場かぎりってことも少なくなくて。いつもヘアをつくっている、関係値の深いぼくらだからこその視点で良い作品をつくれるんじゃないかなと」 OLTAのスタッフみんなで。 「あとは、いつかは服を売りたいという野望もあります。古着やファッションが好きだからというのはもちろんあるのですが、美容師=髪を切る人という枠を超え、お客さんにトータルでおしゃれを提案できたらもっと楽しい人生になるだろうなって想像しているんです」 <PROFILE> OLTA スタイリスト Fumiya Minamiさん 1998年生まれ。茨城県出身。国際理容美容専門学校を卒業後、新卒で『OLTA』入社。約3年半のアシスタントを経てスタイリストデビュー。趣味はフットサル。「ぼくのお客さん同士も仲が良くて、みんなで集まってフットサルをしています。お客さんと友達になれる距離感がOLTAらしさだと思いますね」 Instagram : @olta_fumiya <SALON DATA> OLTA/オルタ 東京都渋谷区神宮前4-28-17 ポルテボヌール原宿3F HP : https://www.oltahair.com Instagram : @oltanonichijo
「美容師はハッピーな仕事」。OLTAのFumiyaさんに聞く、競争社会・東京で楽しく働くには?【前編】
ヘアサロン数は9000店以上と熾烈な厳しさもある一方で、ファッションやカルチャーのトレンド発信基地として刺激的の絶えない場所でもある東京。 そんな東京で働くことのおもしろさや難しさを、『OLTA』 スタイリストの Fumiyaさんにうかがいました。 「美容室はどうも緊張しちゃって、昔は全然好きじゃなかったんですよね……」と感じていたのに、なぜ美容師を志すことにしたのか。いまや美容師は天職だというFumiyaさんのお話を通して、競争社会・東京でのサバイブ術を探っていきましょう。 正直、美容室は苦手でした…… —まず、美容師になろうと思ったきっかけを教えてください。 「実は子どもの頃から美容室が好きじゃなかったんですよね……なんだか緊張しちゃうじゃないですか?だから、美容師さんに良くしてもらったからとか、憧れの方がいてみたいな理由ではないんですよ」 —えぇっ!? そこから何があったのか気になります。 「高校生のときに、将来どんなことをやりたいか考えたんです。自分の関わるもので感動を届けたい。人と話すのが好き。人の役に立てて、かつそれが間近で見られるお仕事がいいなとかって。これに当てはまる仕事を洗い出したら、〈保育士〉と〈建築家〉と〈デザイナー〉と〈アパレルスタッフ〉と〈美容師〉でした」 高校生時代のFumiyaさん。 「決め手となったのは、お客さんとの関係性です。保育士さんは子どもが卒業したら、そこで関係は切れちゃうじゃないですか。美容師は大人と大人の関係だから、ひとりのお客さんの人生に長く寄り添うことができる。あとは、デザインやファッションに近いというところもポイントでしたね」 —職業の要素を細分化して決めるってすごくおもしろい視点だと思います。そういう思考はどこで培ったものなんでしょうか? 「たぶん、ひとり旅をよくしていたからだと思います。中学生の頃からひとりで各地を旅行していて。当時はスマホなんてないから現地でパッと調べることもできないし、そもそも家族も心配するから、どこそこに行って何時の電車に乗って、いくらお金がかかって……といった具合に、さまざまな観点から旅行計画をしっかり立てていたんです。この経験からものごとを多角的に見ること、自分で考えて行動することが鍛えられました」 苦手意識を変えた『OLTA』のホスピタリティ —原宿・表参道エリアで働かれているスタッフさんに出身校を聞くと、「日美(※日本美容専門学校の愛称)」ということが多いのですが、Fumiyaさんはそうではないんですよね? 驚きました。 「そうなんです。それこそ東京っぽい、キラキラしたようなところに抵抗があって、憧れはあったんですけどね……(笑)。校則も厳しくて、言葉遣いといった礼儀からちゃんと教えてくれるここなら2年間、真面目に通えそうだなと国際理容美容専門学校に入学しました」 美容学生時代。 —入学してからはどうでしたか、大変だったことはありますか? 「就職活動のために、サロン巡りをするわけですが、校則で染髪が禁止されていたんですよね。だからカットしかできなくて。でも、それじゃあ技術とか、正直わかんないじゃないですか。だから直感です。お店を出た瞬間に「『OLTA』で働きたいな」って、人柄で決めました」 「実は、専門学校に通いながらもまだ美容室への苦手意識はあって……。それでもがんばっていろんなサロンを回っていたのですが、『OLTA』ほど接客が温かく心地よいところはありませんでした。スタッフもアシスタントもみんながお客さんに話しかけてくれるので、緊張せず楽しい時間を過ごすことができたんです!あと驚いたのはお見送りの距離感。たいてい扉までってところが多いと思うんですけど、お客さんの帰り道まで一緒に歩いていく。なんなら盛り上がったらその場で立ち話までして。そのお客さんとの友だちになれる距離感が自分の目指す美容師像だと惹かれましたね」 オーナーの後藤さん(左から2人目)と。 前例のない就職活動。「ここで働きたい」という覚悟が通じた —そして『OLTA』を目指されるわけですが、就職活動は順調でした? 「いやぁ……なかなか大変でした。入学してからわかったのですが、国際(理容美容専門学校)の生徒のほとんどは、全国展開する大手サロンだったり、地元での就職をモチベーションにしているんです。だから「『OLTA』を受けます!」と先生に言ったら「どこそれ、大丈夫なの?」と心配されたりもしました」 「また『OLTA』は毎年、ひとりしか新卒を採用していません。学校にも頼れないし手探りで進むしかない状況。だからずっと通っていたわけでもないぼくが……と不安になることもありましたが、最後は「ここで働けないなら美容師にはならない」という覚悟が伝わったからだと思います」 —「『OLTA』で働けないなら美容師をしていない」というのはどういうことなんでしょう……? 「高校生の頃から入念に将来を見据え、選び進んできたので、自分が満足できないところで働くなんて無理だなと。とりあえず、で『OLTA』以外のどこかで美容師をしていく選択肢はぼくにはありません、というのは最初からしっかりお話していましたね」 —Fumiyaさんは他の同級生たちとは違うマインドだったと先ほどうかがいましたが、専門学校時代のクラスメイトとの仲はいかがだったんでしょうか。 「そんなわけで、モチベーションが違っていたこともあり同じ専門学生時代の友人はいないんです……。ただ、『OLTA』の最終面接に残った他の子たちとは今でも交流が続いています。またアシスタント時代の苦楽を励まし合ったのは、専門学校帰りに寄った古着屋で出会った他校の学生たちでした。たとえ学校に友だちがいなくても、出会いや繋がれる場所がたくさんあって、信頼できる友だちをつくることができる。これも東京で美容師をする醍醐味だと思います」 当時からよく通う池ノ上の古着屋さんの店主・稲葉さんとは今も仲良し。 美容室が苦手だったはずなのに……明るい気持ちで美容師の道を歩みはじめたFumiyaさん。【中編】では、アシスタント時代にぶつかった苦労や悩みをお話しいただきました。 <PROFILE> OLTA スタイリスト Fumiya Minamiさん 1998年生まれ。茨城県出身。国際理容美容専門学校を卒業後、新卒で『OLTA』入社。約3年半のアシスタントを経てスタイリストデビュー。趣味はフットサル。「ぼくのお客さん同士も仲が良くて、みんなで集まってフットサルをしています。お客さんと友達になれる距離感がOLTAらしさだと思いますね」 Instagram : @olta_fumiya <SALON DATA> OLTA/オルタ 東京都渋谷区神宮前4-28-17 ポルテボヌール原宿3F HP : https://www.oltahair.com Instagram : @oltanonichijo
AM-YU編集部がゆく!関西のショップを巡るヘアアクセサリーの旅 vol.2
AM-YU編集部がかわいいヘアアクセサリーを追い求めて、関西のセレクトショップや古着屋さんを巡ってきました! カジュアルで普段使いしやすいものからオケージョンシーンにも使えるキレイめなものまで紹介していきます。 BEAMS UMEDA (右上から時計まわりに)L'INDO CHINEURのヘアクリップ¥6,160、レイ ビームスのヘアクリップ¥4,950、同ベッコウ柄バレッタ各¥4,400 大阪駅直結でアクセスしやすい『BEAMS UMEDA』では、ドレスラインの取り扱いもあり、きれいめなアクセサリーが豊富に揃っています。中でもべっ甲のヘアアクセサリーは、レトロでかわいらしく、上品さも兼ね備えていておすすめ。サイズもいろいろなので、ヘアスタイルに合うものを探してみて。 (右上から時計まわりに)デミルクス ビームスのベネチアンチェーンバレッタ¥4,950、同メタルリボンバレッタ各¥5,060、同ニュアンスバーバレッタ各¥5,280 普段使いはもちろん、オケージョンシーンにもぴったりなメタルのアクセサリーも。シンプルなデザインで使いやすさも◎ IRIS47のVERDIカチューシャ¥5,500 やや暗めなブルーヘアや黒髪、ハイトーンの人にはレザー素材のカチューシャもおすすめ!顔まわりにメリハリがつくので、コーディネートのアクセントになってくれるはずです。 STÜCK アメカジを中心に、喫茶も併設する古着屋『STÜCK(シュトック)』。レトロな柄ものワンピースやシャツ、スカートなど、遊び心溢れるアイテムに馴染むのが、プラスチックの小ぶりなヘアピン。パーマスタイルの前髪にポイントで付けるのもかわいい! 価格は1,000円ほどなので、複数付けも良いかもしれません。 そのほかにもコームやバレッタ、カンザシなど、べっ甲柄を中心に幅広くスタンバイ。価格は1,000円〜3,000円とリーズナブル。ぜひ古着と一緒にチェックしてみてはいかが? Milo Antiques & Vintage 大阪の新町にあるヴィンテージジュエリーと雑貨を扱う『Milo Antique & Vintage』では、“made in france”のデッドストックが並びます。どれもデザインやカラー、細部まで手が込んだものばかり。ヨーロッパのアンティークや古着好きにはたまらないお店です。 中でも70年代〜80年代の大ぶりなアクリル素材のバレッタは、ダウンスタイルのアクセントに使ってもかわいいかも。ヴィンテージでも、価格はだいたい2,000円ほどなのもうれしい! その他にも、シュシュやカンザシなど、かなりのバリエーションが揃うので、ぜひじっくりお気に入りを探してみてください。 YOU LOOK GOOD ヴィンテージスカーフ¥3,300〜 京都の中心地から少し離れた、大徳寺の近くにあるレディース古着店『YOU LOOK GOOD(ユールックグッド)』には、スカーフやバンダナが盛りだくさん。どれも年代やジャンルにとらわれない店主さんのセンスが溢れています。 (左から)USEDのスカーフ¥3,850、¥3,300 店主さんが日々インスタで投稿するスタイリングも、ぜひ参考にしたいところ! 写真左は、三角折りにして後ろをラフに結ぶのがポイント。「スカーフの大きさや長さによって、後ろ姿の雰囲気が違って見える」とのこと。 写真右はターバンのように巻いています。スカーフはどんなヘアスタイルでも上手くできるのが魅力とのことなので、迷ったら店主さんに聞きながらチャレンジしてみはいかがでしょうか? 以上、古着店からセレクトショップまでピックアップしてみました。 シーンやヘアに合わせて、気になるショップへぜひ足を運んでみてくださいね! <SHOP LIST> BEAMS UMEDA 大阪市北区梅田3-1−3 ルクア大阪 3F TEL : 06-6347-0490 Instagram : @beams_umeda 古着喫茶 STÜCK 大阪市阿倍野区天王寺町北2-5-17 Instagram : @stuck_clothingstore Milo Antiques & Vintage 大阪市西区新町1-7-3 戎四ツ橋ビル3F Instagram : @milo_antiques YOU LOOK GOOD 京都市北区紫野上門前町30 Instagram : @youlookgood_kyoto
買って良かったモノ教えて!美容師さんのリアル バイ アイテム【ファッション編】
ファッションにカルチャーに美容グッズ、そしてもちろんヘアケアも…。常日頃から多方面にアンテナを張っている美容師さんのお買い物事情を探る企画を全3回に渡ってお届け中。第2回目となる今回は【ファッション編】ということで、オシャレ好きな美容師さんたちに最近買って良かったと思うものを聞いてみました!それでは早速いってみましょう! FACETASMのハートブラトップ 「シースルー感が夏っぽくて可愛い!と思って購入しました。肩のフリル感と珍しいブロックハート柄のデザインがお気に入りのポイントです♡レイヤードで合わせやすく、コーディネートのアクセントになるのでさまざまなシーンで重宝していますね」。 TICKTOCK morgan model スタイリスト uraraさん Instagram : @urara__ticktock NIKEのエア マックス スコーピオン フライニット 「ボリューム感あふれるソールに一目惚れ。この巨大なエア部分が衝撃を吸収するクッショニングの役割をしているので、長時間のサロンワークでも疲れにくいのでかなり気に入っています。もちろんプライベートでも愛用しています!」 Tori 六甲道 副店長 アイジマ ヒロさん Instagram : @aij.hair patouのドローストリングパフスリーブ トップ 「一枚でも存在感がある、ハイボリュームなシルエットに一目惚れしました。フロント部分のリボンを調節することで色々な着方を楽しめるのも嬉しいところ。フォーマルなシーンからカジュアルまで幅広く活躍してくれそう」。 ROSETTA+ スタイリスト 大屋根美紀さん Instagram : @rosetta_yane__ SupremeのKurt Cobain Tシャツ 「90'sロック好きなら絶対知ってるであろう音楽界のレジェンドNIRVANAのKurt CobainをSupremeがオマージュ。音楽だけでなくファッションにも多大な影響を与えたカリスマとのコラボが今期一週目にリリース…。これは買わない訳がない!!!」 GO TODAY SHAiRE SALON 三宮店 スタイリスト 藤原英之さん Instagram : @fujisan225 RIDGE MOUNTAIN GEARのバックパック(One Mile) 「趣味の登山で使うザックを探していたところ、デザインに一目惚れをして即購入。使う場所を選ばないし、軽いし、大きさもちょうど良いし… お気に入りポイントは言い出したらキリがありません!(笑)。登山用に買ったけれど、今は通勤でも使っています。これからのシーズンでは山でガシガシ使う予定です」。 MERICAN BARBERSHOP BARBER 増田真由さん Instagram : @ma_yu.m1227 オシャレな美容師さんに聞くリアルバイ【ファッション編】でした!最後は【ライフスタイル編】を更新するのでお楽しみに!