全国屈指の美容フォトコンテスト「KHA 2023 授賞式」レポ
先日AM-YUで告知した、株式会社ガモウ関西主催の「KHA(KANSAI HAIRDRESSING AWARDS)2023 授賞式」。読者の皆さんの中で参加された方も多いのではないでしょうか? AM-YUも潜入した本イベント、当日の様子をレポートします。 オープン直後から大賑わいの会場 2023年9月25日(月)に行われた「KHA 2023 授賞式」。28回目を迎えた今年の会場は、ホテルグランヴィア京都です。 ▲ドレスコード「WHITE」でキメている来場者の皆さん ▲スタッフの皆さんもバッチリ 会場には、今回応募された全581デザイナー・993作品を一挙に展示! 17時にオープンすると、スタート時間まで皆さん作品の一つひとつをじっくりと鑑賞して過ごします。 ▲全エントリー作品が見られるのは嬉しいポイント。デザイナーの数だけ表現の形があることを思い知らされます ▲広々としたパーティ会場に、ドレスアップした皆さんが続々と到着 華やかなパーティのスタート 18時にスタートすると、まずは株式会社ガモウ関西代表取締役社長・亀井瞬氏があいさつ。「コロナ禍でもクリエイションを止めない! という想いで、ここ数年はオンライン開催や人数制限を設けての開催が続いた『KHA』。今日は人数制限も、来場者を仕切るパーテーションもなし、久々の完全復活です!」と高らかに宣言すると、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。 また、今回のドレスコード「WHITE」には、大変な時期を乗り越えてここからまた一歩踏み出そう! という想いと、亀井氏が新社長に就任し、新体制となったガモウ関西の新たな始まりの決意が込められているとも話しました。 ▲心機一転、真っ新な気持ちで白の衣装に身を包む亀井氏 しばらくは、久しぶりの賑やかな授賞式を楽しむフリータイム。皆さんドリンクや食事を片手に、知り合いを見つけては声をかけ合い、楽しそうに歓談している姿が印象的です。 ▲たくさんの来場者で埋め尽くされた会場はすごい熱気! そんな中、突如として場内が暗転した次の瞬間、照らし出されたステージには4人のスタイリストが。Jurrian-may・MAKKY氏、SILEM・杉川友洋氏、snob・金谷二郎氏、TRACE・武直育生氏から成るチーム「Quartet」による、スペシャルなエキシビションの始まりです! ▲激しい音楽と照明に合わせて行われる華麗なヘアショー ▲軽やかで大胆な手さばきに思わず息をのみます ▲15分間のショーはあっという間。会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれました いよいよ審査結果発表! 感動の授賞式 エキシビションが終わると、いよいよ各賞の発表へ。 ▲審査員は、Double・根本貴司氏、Nicole.・西村晃一氏、SHISEIDO・進藤郁子氏、THE REMMY・イセキリエ氏、VeLO・鳥羽直泰氏、WWDJAPAN・向千鶴氏、in chelsea・照屋寛倖氏の7名。当日は5名が来場 まずは「ライジングスター部門」。110デザイナー・110作品のエントリーの中から選ばれたファイナリストは11名。「WWDJAPAN特別賞」1名、「ニューカマーオブザイヤー」2名、「優秀賞」1名、「最優秀賞」1名が表彰されました。 ▲ファイナリストの皆さん ▲「最優秀賞」は、TJ天気予報の川田理紗子さん。涙で声を詰まらせながらも「支えてくれた皆さんありがとうございました」と感謝を伝えました 「ライジングスター部門」受賞作品はコチラ 続いて「オフィシャルシングル部門」。253デザイナー・466作品のエントリーの中から選ばれたファイナリストは26名。「WWDJAPAN特別賞」1名、「デザイナーズ賞」6名、「優秀賞」1名、「最優秀賞」1名が表彰されました。 ▲ファイナリストの皆さん ▲「優秀賞」は、Nicole.の河内亜妃さん。「美容が大好きで、美容師になって11年、毎年参加してきました。自分の美容人生に関わってくれた全ての人に感謝します」と笑顔 ▲「最優秀賞」は、NOOKの黒柳雄登さん。「関わってくれた皆様ありがとうございます。これからも皆で良い撮影をしていきましょう!」と、チームメンバーへメッセージ 「オフィシャルシングル部門」受賞作品はコチラ 続いて「ムービー部門」。19サロン・19作品のエントリーの中から、「WWDJAPAN特別賞」1サロン、「デザイナーズ賞」6サロン、「最優秀賞」1サロンが表彰されました。 ▲「デザイナーズ賞」をトリプル受賞(Double賞、Nicole.賞、SHISEIDO賞)し、「最優秀賞」も受賞した、TONAIのメンバー。リーダーは「個人的にしんどい時もあったけど、メンバーが支えてくれました」と語り、チームワークの良さが伺えました 「ムービー部門」受賞作品はコチラ そして最後は、「オフィシャルマスター部門」。199デザイナー・398作品の中から選ばれたファイナリストは20名。「WWDJAPAN特別賞」1名、「デザイナーズ賞」6名、「準グランプリ」1名、「グランプリ」1名が表彰されました。 ▲ファイナリストの皆さん ▲「準グランプリ」は、Lewesの由良武志さん。「これまで11回チャレンジして、悔しい思いをしたことの方が多かったです。それでも諦めずに切磋琢磨して、自分と向き合って、決め切って作った今回でした。自分と一緒に同じパワーで作品づくりに携わってくれたスタッフにも、周りの人にも感謝です」と感無量 栄えあるグランプリに輝いたのは、niko hairの氏川りのさんの作品。審査員からは「黒の分量、使い方など、ひときわ異彩を放っていて。審査員全員が『何か気になるな』と目を留める作品でした。どのような作品がうけるのか? 皆さん考えながら取り組まれたと思いますが、その中でこの作品からは、自分の作りたいものを楽しんで作っているんだということが伝わりました」とコメントが寄せられました。 評価を受けて氏川さんは、「クリエイションを始めて十数年。素晴らしい人との出会いをいただいてきました。これまで積み重ねてきた自分が嫌になる時もありますが、それでも積み重ねた自分こそが、さらに先に進む力をくれる。ここからさらに最強になれるように頑張ります」と、万感の思いでいっぱいの様子でした。 ▲「グランプリ」に輝いた、niko hairの氏川りのさん。フロアからステージに向けて、大きな拍手と「おめでとう!」の声が響きました 「オフィシャルマスター部門」受賞作品はコチラ 今年もレベルの高い戦いとなった「KHA」。また来年の開催をお楽しみに。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「KHA(KANSAI HAIRDRESSING AWARDS)」公式サイトはコチラ↓ https://gamo-kansai.jp/kha/
関西最大級の美容師向けイベント「MIRARERU project 2023~人生に寄り添う美容を本気で考える日~」レポ【後編】
2023年9月、関西の美容ディーラー・株式会社LEDEALが主催する美容師向けイベント「MIRARERU project 2023~人生に寄り添う美容を本気で考える日~」が行われました。1日かけて繰り広げられた多彩なプログラムの模様を、前編・中編・後編に分けてレポートします。 ラストは、ブース紹介、フォトコンテスト結果発表の模様をお届けする【後編】です。 →【前編】はこちら →【中編】はこちら 最新アイテム・サービスが並ぶメーカーブース6選 本イベントのもう一つの核となるのが、会場中に所狭しと展開するブース。今年は29のメーカーブースが並びました。中でも、AM-YUが気になった6つのブースをご紹介します。 ①ミルボン 美容室での髪と顔、トータルの印象プロデュース実現を目指し、KOSEとの共同開発で生まれたブランド「iMPREA」のスキンケア&メイクアップアイテムが勢揃い。特に、ヘアカラーに合わせて選べるカラフルなアイブロウマスカラに注目が集まっていました。 また、9月に新発売となったばかりの、5-アミノレブリン酸リン酸塩(5-ALA)を配合したサプリメント「ALANOUS」の試飲も。 ヘア、メイク、インナービューティーまで、サロンで叶うトータルビューティーの提案を体験できました。 ▲WEBアプリでの肌チェックの結果をもとにスキンケアアイテムをお試し ②ホーユー 年々メンズ顧客の美容室利用が増えている現状に合わせて、メンズ向けメニューと店販の強化を提案。メンズ用ヘアスタイリング剤ブランド「ETORAS」のワックス、バーム、オイルなど、新製品を手に取りながら話を聞けました。 また、女性が望むトレンドデザインとケア効果、そして再現可能な使いやすさを追求したスタイリング剤ブランド「NiNE」から登場した、地肌と髪を整えるヘアケアシリーズの紹介も。 いずれも、今の時代の男女に求められる“自分らしさ”を叶え、その魅力を引き出すアイテムとなっていました。 ▲「ETORAS」と「NiNE」。シンプルなパッケージデザインで洗練された印象 ③ミアンビューティー こちらは、健康美と向き合うサロンづくりを提唱。トラブルが起きる前にケアをして健やかな状態を保つ“予防美容”という考えのもと、独自のカウンセリング&ケアシステムを提供するスキャルプケアブランド「HERB MAGIC」の説明を受けました。 また、6月にデビューしたばかりの、ダメージ・髪質・髪色を問わず、幅広い悩みに応える次世代システムパーマブランド「SOV.」の紹介も。これまで難易度が高いとされていた毛髪を含め、どのような髪にも対応できる充実のラインナップは要チェックです。 ▲実際に頭皮カウンセリングシステムを体験 ④タカラベルモント ヘアサロンのシャンプー機器で行う新体感メニュー「頭浸浴」を用意。至福のリラックスタイムを提供するのはもちろん、炭酸と組み合わせて使用することで、髪と頭皮に付着した皮脂や汚れ、カラー後の残留アルカリの除去の効果もあるのだとか。導入することでヘッドスパやカラーケアの価値向上が図れます。 また、ホリスティックビューティブランド「ESTESSiMO」をはじめ、次世代のヘアケアブランド「LebeL ONE」、9月にリニューアルしたばかりのメンズヘアケアシリーズ「THEÓ standard」、10月にリブランディングするナチュラルライフスタイルシリーズ「THE MOII」のアイテムもいち早く見ることができました。 ▲ひときわ目を引く頭浸浴「YUME HEADBATH」のデモ機。見ているだけでも気持ち良さが伝わってくるよう ⑤アジュバン マイクロスコープを使用した肌・頭皮診断を実施。実際に体験し、肌と頭皮の状態に合わせた最適なケア方法をアドバイスしてもらえました。 また、目の前には当メーカーが展開する、大人のためのヘアケアブランド「KASUI」、肌と髪にやさしいスキンケア発想のヘアケアブランド「Re:>>>」、環境と年齢の変化によって心と体が不安定になりやすいターニング世代向けスキンケアブランド「All Enrich」、そのリッチライン「AE Rich」のアイテムがスタンバイ。診断結果をもとに、おすすめ商品とその使い方を丁寧に教えてもらいました。 ▲肌&頭皮診断を体験。プロによる的確なアドバイスにただただ納得 ⑥ミラート ミラー(鏡)にモニターとOS(Android)を搭載させたIoTデバイス「スマートミラー」を展示。近未来型カウンセリングミラーとして美容室でも噂のこちら、実際に体験しました。 AR/AIシミュレーション機能を使った多彩なヘアスタイルやカラー体験はもちろん、ヘアカタログやピンタレストなどを用いたスタイル検索、店販商品やメニュー紹介など登録動画の視聴、施術中の楽しみにぴったりなYouTubeの視聴、さらには頭皮診断なども可能。想像以上の楽しさ、便利さに感心しきりでした。 ▲自分の顔に合わせて色々なヘアスタイルの合成が楽しめます。長さやボリュームなど細かい調整もできるのがリアル ▲スタイル検索、動画視聴、頭皮診断などマルチに活用できます 楽しくてためになるLEDEALブース 会場には主催者であるLEDEALのブースも。 同社は環境保全への取り組みとしてヘアカラー剤のアルミ式空容器のリサイクル活動を行っており、その紹介ブースとカラーチューブ回収コーナーを設置。 併せて、日本の美容技術をラオス人女性にレクチャーし、ラオスの美容・経済発展に貢献する「ラオスビューティープロジェクト」の活動実績報告パネルと、洋服支援ボランティアとして古着の回収ボックスも設置されました。 ▲LEDEALの社会貢献活動を紹介 また、豪華商品ゲットのチャンスがある射的ブース、来場者が自由に想いをつづれる巨大メッセージボードが設けられ、大きな盛り上がりを見せていました。 ▲意外と難しい!? 射的ブース ▲「なぜあなたは美容師を目指しましたか?」という問いに、来場者が自由に回答を書き込み ▲こちらは「あなたにとって美容師とはどんな存在ですか?」という問いへの書き込み ラストを飾るフォトコンテスト結果発表 こうして、多彩なステージプログラムとブースに魅了された1日。最後は、事前募集していたフォトコンテストの審査結果発表が行われました。 テーマは「CHARM UP 私らしくて、ステキ。」です。“似合わせ”について本気で考え、お客様と向き合った246作品の中から、1次審査を通過したのは30作品。イベント当日には上位10作品が発表され、1位~3位の入賞者が表彰されました。 ▲1次審査を通過した30作品 ▲審査員はこちらの4名。当日は代表してMINX/株式会社MINXworld取締役・ディレクターの土屋サトル氏が登壇し、審査結果を発表 ▲3位、hair make shower・山崎悠馬さんの作品はこちら ▲「初めての作品撮りで、分からないまま進めていましたが、今回の受賞で自信がつきました」と山崎さん ▲2位、luve heart’s And Be・根本崇弘さんの作品はこちら ▲1位、FavyS・首藤慎吾さんの作品はこちら ▲「久々のフォトコン参加で、良い結果が残せて嬉しいです。普段のサロンワークで意識していることを作品に落とし込みました」と首藤さん 1位の作品に対して審査員からは「きれいにカラーを入れている」「毛先のラインに意志を感じた」「カットの技術力の高さが表れている」とのコメントが。 総じて、上位作品はしっかりと切り込まれている、「CHARM UP」というテーマに沿ってきちんと魅力を引き出せている、ガラリとドラマチックなチェンジが成されていると評価されました。 以上で、全プログラムが終了。今年の来場者数は500名を超え、大盛況のうちに幕を閉じました。また次回の開催をお楽しみに。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「MIRARERU project 2023~人生に寄り添う美容を本気で考える日~」の詳細はコチラ↓ https://ledeal.co.jp/mirareru-project/
関西最大級の美容師向けイベント「MIRARERU project 2023~人生に寄り添う美容を本気で考える日~」レポ【中編】
2023年9月、関西の美容ディーラー・株式会社LEDEALが主催する美容師向けイベント「MIRARERU project 2023~人生に寄り添う美容を本気で考える日~」が行われました。1日かけて繰り広げられた多彩なプログラムの模様を、前編・中編・後編に分けてレポートします。 続いて、ステージプログラムの座談会、セミナーの模様をお届けする【中編】です。 →【前編】はこちら ステージプログラム~異業種座談会~ スペシャル対談の後は、2つの異業種座談会が行われました。 一つ目は、元システムエンジニア・スポーツトレーナーの中尾公一氏、ドレススタイリストのYUKO氏、ファシリテーターとして参加の株式会社髪書房代表取締役社長・中尾信一氏が登壇。「『好き』を追求して実現した2人が考える『人生に寄り添う』仕事とは」というテーマで、トークセッションを繰り広げました。 二つ目は、Restaurant L'aubeシェフパティシエ・平瀬祥子氏、合同会社金田社寺建築代表・金田優氏、同じくファシリテーターとして中尾信一氏が登壇。テーマは「人に寄り添い逆境をエネルギーに変えてきた2人が考える『人生に寄り添う』仕事とは」です。 ▲Restaurant L'aubeシェフパティシエ・平瀬祥子氏 ▲合同会社金田社寺建築代表・金田優氏 昔ながらの厳しい修行時代を経て独立し、その後もさまざまな逆境を乗り越えて今があるお二人。 金田氏は「逆境に打ち勝つために大切なのは、ものの捉え方。いつも無理難題が立ちはだかると、『よし、やってやろう!』とエネルギーに変えてきました。物事をいかに前向きに受け止めるか。そのしんどさが自分の成長にどうつながるのか、乗り越えたらどうなれるのかを考えながら取り組んできました」と話します。 平瀬氏も「私もピンチが訪れると『成長できる機会が来た!』と思えるようになりました。今がキツイほど、先の自分が楽しみになるんです」と笑顔。 また、これまでの伝統や自身の経験も大切にしつつ、時代に応じた柔軟さも持ち合わせているお二人。時代の流れに寄り添い、一人ひとりのスタッフに寄り添い、人材育成や職場環境づくり、働き方改革を促進している様は、多くの方の参考になったのではないでしょうか。 ▲ピンチはチャンス! を地で行くお二人。自身の経験をもとに、くじけそうな人に寄り添い導く、力強い言葉が響きました ステージプログラム~セミナー~ 対談や座談会の合間、ステージでは各種セミナーも開催。 「ABAカットデモンストレーション」では、午前の部はuka MID TOWNトップスタイリスト・染谷光正氏と、SNIPS LIFE DESIGNトップスタイリスト・五十嵐亮氏が、午後の部はLIM Tokyo Hair Coo・宗悠介氏が登場しました。 テーマは、「顧客のオーダーを聞くのみではなく、個性を活かし、悩みに寄り添い、内面の魅力を引き出すヘアスタイルはどのように生み出されるのか?」。それぞれの実演を通してレクチャーされました。 ▲uka MID TOWNトップスタイリスト・染谷光正氏 ▲NIPS LIFE DESIGNトップスタイリスト・五十嵐亮氏 ▲ポイントとなる部分を解説しながら、大胆に繊細に進むカット。華麗な手さばきに思わず見とれます ▲手を動かしながら、普段のサロンワークについて、スタッフ教育についてなど、お二人の間で弾む会話も聞きごたえ抜群 ▲完成! トレンドを取り入れながらも、モデルさんの骨格や髪質、毛量に合わせたカットを施し、魅力を最大限に引き出すスタイルに ▲LIM Tokyo Hair Coo・宗悠介氏 ▲普段から、理論的に困難でも、お客様が持っているキャラクターにフォーカスを合わせた似合わせを大切に。その人らしさを狙ってカットしているそう ▲今回もモデルさんの個性を活かしながら、より魅力を引き出していきます ▲完成! 素敵な仕上がりでモデルさんがより輝いて見えます その他、医師・中川由理子氏、美容室RUALAディレクター・角薫氏、日本美容創生株式会社代表・金山宇伴氏による、「女性美容師・男性オーナー必見! その道のプロが語る『美容室の今後のあり方』と『長く現場で働くために女性に知っておいてほしいこと』」と題したトークセミナーを実施。 さらに、サブステージでは人生の門出や大切なシーンを彩る、着付けとヘアセットのデモンストレーションが行われました。 ▲人気の帯結び、トレンドのアレンジなどを実践 以上、トークあり、デモンストレーションありの、ステージプログラムをお届けしました 次回【後編】では、会場にズラリと並んだブース紹介と、最後に行われたフォトコンテスト結果発表の模様をお送りします。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「MIRARERU project 2023~人生に寄り添う美容を本気で考える日~」の詳細はコチラ↓ https://ledeal.co.jp/mirareru-project/
関西最大級の美容師向けイベント「MIRARERU project 2023~人生に寄り添う美容を本気で考える日~」レポ【前編】
2023年9月、関西の美容ディーラー・株式会社LEDEALが主催する美容師向けイベント「MIRARERU project 2023~人生に寄り添う美容を本気で考える日~」が行われました。1日かけて繰り広げられた多彩なプログラムの模様を、前編・中編・後編に分けてレポートします。 まずは、イベントの概要とステージプログラムの一つ、スペシャル対談の模様をお届けする【前編】です。 「MIRARERU project」とは? 「MIRARERU project」とは、「関西の美容を盛り上げる!」というコンセプトのもと、関西の女性に美意識向上のきっかけ作りの場を提供しようと、2015年に株式会社LEDEALが立ち上げたイベントです。 美容師にこだわらず、広く女性の「キレイになるための方法を知りたい」というニーズに応えて美容室専売のヘアケアアイテム紹介などを行い、髪のケア意識の向上を促進。他にも、一般に知られていないサロンメニューの体験などを通して、美容全般への意識向上を図ってきました。 こうしたコンセプトは変わらず、昨年は美容師という職業にフォーカス。主に美容師を対象に、美容師が人生に寄り添うことへの意味や意義は何か? を考え、美容師として働く喜びを再認識してもらうことを目的に実施したのが「MIRARERU project 2022~人生に寄り添う美容を本気で考える日~」です。 昨年は300名以上の美容関係者が来場。勢いそのままに、今年も2023年9月11日(月)に同イベントが開催されました。 ▲真っ直ぐなタイトルが印象的。美容師としての想いや本音を共有しあえる機会の提供、美容業界を盛り上げるきっかけの創出を目指しているそう 会場は昨年に引き続き、大阪・梅田サウスホール。10:00~18:00と長時間におよぶイベントですが、のんびりしている暇はなし! 会場には30を超えるブースが並び、ステージでは次から次へと多種多様なプログラムが展開され、全てを網羅するには時間が足りないぐらいの充実ぶりとなりました。 ▲ブースは3フロアにまたがって展開。一番広いフロアの奥に、ステージが設けられています ステージプログラム~スペシャル対談~ ここからは、実際の会場の模様をレポート。まずは、ステージプログラムです。今年はさまざまなゲストを招いて、2つのスペシャル対談、2つの異業種座談会、3つのセミナーが行われました。 最初のプログラムは、Hair make shower代表・山田磨由美氏と、主催者である株式会社LEDEAL代表・橋本健治氏によるスペシャル対談。「縁とつながりが織りなす美容師人生」をテーマに、橋本氏から山田氏へと、今までの美容師人生、理想のサロンづくりへの道のり、そしてこれからの展望について数々の質問が投げかけられました。 ▲株式会社LEDEAL代表・橋本健治氏 ▲Hair make shower代表・山田磨由美氏 最後に山田氏は、「美容師とは、お客様と頻繁にお会いする、ご縁がずっと続いていく仕事。しっかりと向き合ってお客様と強い絆、人生に寄り添える関係性を築くことができれば新しい扉が開く、素晴らしい仕事です。続けていくことに責任と覚悟をもって取り組めば、きっと何らかの形で自分に返ってきます」とメッセージ。人生経験豊富なベテラン美容師ならではの視点で、若手美容師の方々に大きなエールを送りました。 ▲満員の客席が、美容師という職業が持つ夢と希望で照らされました ステージプログラム~クリエイタースペシャル対談~ もう一方の対談は「クリエイタースペシャル対談」として、写真家のハービー・山口氏とboy代表・茂木正行氏が登壇。ファシリテーターに株式会社髪書房代表取締役社長・中尾信一氏を迎え、「『写真家×美容師』クリエイターとして活躍してきた二人は何を考え、どのような視点で物事を見ていたのか? プロとして大切にしている『自分軸』について迫る」と題したトークを繰り広げました。 ▲写真家のハービー・山口氏 ▲boy代表・茂木正行氏 茂木氏が「結局のところ、カットをしながら思うのは、お客様にカッコ良くなってもらいたい、美しくなってもらいたいということだけ」と話すと、ハービー氏も同調。 「カットが終わった後、お客様が小さな自信を持つことができて、その先につながるということですよね。写真も、この一枚が被写体のその後の良い人生につながれば、と思いながら撮っています」と話しました。 誰かの髪を切ることと、誰かの写真を撮ること。一見全く異なる行為ですが、どちらも「相手の幸せを祈ること」が根底にあり、通じるものがあるのだとか。 自分の施した仕事が相手の幸せにつながることを祈って、カットする、シャッターを切る。そんなお二人から最後に投げかけられた、「物事は大体目に見える部分は10%で、残り90%は見えない。ヘアスタイルも写真も目に見えるものだけれど、そこに、見えない希望、夢、自信を与えることを意識して」という言葉に、強く胸を打たれた方も多かったのではないでしょうか。 ▲いつも相手の幸せを願っているって素敵ですね 次回【中編】では、座談会とセミナーの模様をお送りします。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「MIRARERU project 2023~人生に寄り添う美容を本気で考える日~」の詳細はコチラ↓ https://ledeal.co.jp/mirareru-project/
クリエイティブの“今”を見ることができる、KHA2023授賞式パーティーが開催!
日本を代表すると言っても過言ではないフォトコンテスト「KHA」。 クリエイティブが好きな美容師さんや美容学生さんなら、聞いたことがある人も多いですよね。 そんなKHAの授賞式が、9月に開催されます。 KHAとは? そもそもKHAって何?という、みなさんのために簡単に説明すると、KHAの正式名称は「関西ヘアドレッシングアワーズ」。西日本最大規模のフォトコンテストで、そのクオリティの高さは美容業界でも知らない人はいないほどです。 今年で28回目を迎えるKHA。今年のエントリー総数は、 ✔︎オフィシャルマスター部門398作品/199デザイナー、 ✔︎オフィシャルシングル部門466作品/253デザイナー、 ✔︎ライジングスター部門110作品/110デザイナー、 ✔︎ムービー部門 19作品/19サロン。 となっています。 授賞式の見どころ① 授賞式 授賞式の最大の見どころは、やっぱり発表の瞬間。たくさんの作品の中から栄えある各賞が発表されますが、緊張感のある発表の瞬間は、見ているだけでもドキドキするほどです。 歓声が上がったり思わず涙する人もいたりと、美容師さんの感動の時を共感できるんです。 授賞式の見どころ② エントリー作品を一挙展示 当日は581デザイナーの993作品すべてが場内に展示されるのもポイント。クリエイティブシーンの“今”がわかるので、興味がある美容師さんや美容学生さんにとっても学びの場になるはずです。 授賞式の見どころ③ スペシャルなエキシビションが登場! なんと今年から、スペシャルメンバーによるエキシビションも加わるそう。サロンワークだけでは得られない機会は、きっと感性に刺激を与えてくれることでしょう。 授賞式の見どころ④ 美容師さんの華やかなファッションにも注目 授賞式はパーティーも兼ねているため、参加美容師さんはパーティー仕様で来場。よくある冠婚葬祭では見られないような、華やかでその人らしいセンスが効いたファッションは、まさにおしゃれのお手本だらけです。 今年のドレスコードは「WHITE」。ファッションチェックするだけでも楽しいですよ! エントリー者以外も気軽に参加できます! 今年から、KHAは誰でも気軽に参加できるように。 美容師という職業に興味のある学生さんや美容学生、エントリーしていない美容師さんもぜひクリエイティブの現在形を覗きに行ってみではいかがでしょうか? ▼EVENT DATA 2023 KHA 授賞式 日程 : 9月25日(月) 時間 : オープン17:00/パーティー18:00〜20:30 場所 : ホテルグランビア京都 入場料 : 税込¥12,000(高校生以上は入場料必須。中学生未満は申し込み不要) <申し込みについて> 締め切り : 9月14日(木) パーティー参加お申込フォーム : https://forms.gle/McWMPGNdAYNyagQB7 <イベント詳細> https://www.instagram.com/p/CulA4m1SRL2/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==
作品撮りどうしてる? 若手美容師のクリエイションワーク
フォトコンテストで数々の賞を受賞している大阪のヘアサロン「Nicole.」「SUMI」「SEN」からこれからの活躍を期待する若手スタイリスト&アシスタント、3名の素敵な作品をご紹介していきます。それぞれの作品のコト、作品撮りのポイントなども聞いてみました。 これからもっと作品を増やしていきたい、今後フォトコンテストにチャレンジしてみたいと考えている美容師さんや美容学生さんも必見です! SEN / 小杉 美栄子さん「No gender」 ■作品のテーマ、コンセプトは? 「違和感」を感じさせるような形と質感を表現することをテーマにしました。 ■これを作るきっかけは? ジェンダーレスというワードをよく目にするようになったことです。 ■いつの作品? 2022年KHAにエントリーをしたときの作品です。 ■この作品撮りを通して得たものは? アウトラインを作り込む作品に初挑戦してみましたが、ちょっとしたコーミングひとつでアウトラインが変わって粗が目立ってしまうのですごく難しかったです。でも、ラインの保ち方やベースの作り方などにはとても勉強になりました。 ■どれくらいの頻度で作品撮影をしてる? サロン撮影、クリエイティブ撮影含めると1ヶ月に1回はしています。 ■作品撮影をするときに意識しているポイント 自分が作品を撮る時は、ドラマを感じさせる瞬間を切り取る事を意識しています。 ■あなたにとって作品撮りとは? いつも自分を成長をさせてくれて、興奮させてくれて、そして改めて美容が好きだと感じさせてくれるものです! SEN / 小杉 美栄子さん 1996年生まれ、京都府出身、2016年に高津理容美容専門学校卒業後、大阪府内のサロン1店舗を経て2021年にNico Design Officeに入社。 Instagram : @sen_mieko <SALON DATA> SEN / セン 大阪市北区中崎 3-4-10 HP : https://www.redpepper-design.jp/sen/ Instagram : @sen__osaka SUMI / 小谷 桃さん「陰影」 ■作品のテーマ、コンセプトは? 光と影。女性らしさと男性らしさ。柔らかさと硬さ。対極するものを融合させて、不思議な雰囲気が漂う作品にしました。 ■これを作るきっかけは? 「KHA」にエントリーするため。入社して初めての作品作りとなった「KHA」でモデルをしてもらいたいと決めていた学生時代の友人を撮影できて嬉しかったです。 ■いつの作品? 2021年5月 ■この作品撮りを通して得たものは? 作品を作るのは自分一人ではなくカメラマンやモデルさん、全力で協力してくださるスタッフの皆様のお陰で創り上げる事が出来ると、感謝の気持ちを忘れてはならないと学びました。そしてクリエイションの楽しさ、これからも挑戦していきたいと感じさせられました! ■どれくらいの頻度で作品撮影をしてる? 毎年「KHA」の前には必ず撮影しています。その他にもSUMIの撮影やブライダルの撮影は月に1回はさせて頂いています! ■作品撮影をするときに意識しているポイント モデルさんの秘めてる美しさや内面までも引き出せるようなヘアメイクやファッションと光の加減を考えています。 ■あなたにとって作品撮りとは? 表現したい事を表現出来る楽しいもの。全力でモデルさんと向き合う事でいつも色々な学びがあります。これからももっと沢山創っていきたいです! SUMI / 小谷 桃さん 2000年生まれ、岡山県出身。大阪南堀江にある美容室SUMIに入社。現在アシスタント3年目。スタイリストデビューに向けてのレッスンに加え、撮影やブライダルのヘアメイクにも力を入れて活動中。カラーモデルも募集しています! Instagram : @sumi__momo <SALON DATA> SUMI / スミ 大阪市西区南堀江1-24-26 樹樹ガーデンアネックス1F HP : https://www.redpepper-design.jp/sumi/ Instagram : @sumi__osaka Nicole. / 貴志 花さん「venus」 ■作品のテーマ、コンセプトは? 女性の真の強さ、美しさ。 ■これを作るきっかけは? モデルさんの癖毛を活かした作品を作りたいと思ったのでチャレンジしてみました。 ■いつの作品? 2022年。KHAライジングスター部門でノミネートした作品です。 ■この作品撮りを通して得たものは? シルエットやフォルムの作り方と質感のコントロールはこの作品で勉強になることが多かったです。 ■どれくらいの頻度で作品撮影をしてる? サロンでの撮影を含めて年4回程。 ■作品撮影をするときに意識しているポイント ヘアとメイクがカメラというフィルターを通したときにどう映るか確認して、より自分自身の理想のイメージに近づけていくことを意識しています。 ■あなたにとって作品撮りとは? 今の自分を写すもの。 Nicole. / 貴志 花さん 大阪 北堀江 Nicole.アシスタント。1998年生まれ、兵庫県出身。1年目の頃から業界誌、ヘアショーや外部講師などのクリエイティブな場面でメイクアップを担当。Instagram : @hanakishi_nicole <SALON DATA> Nicole. / ニコル 大阪市西区北堀江2-6-10 Nicole.bldg. HP : https://www.redpepper-design.jp/nicole/ Instagram : @nicole.kitahorie 3名の素敵な作品をピックアップしてみましたが、いかがでしたか? 美容師にとって作品作りは自分の世界を広げるきっかけにもなるはず。いろんなクリエイションを通して、表現の可能性をどんどん広げてみて下さいね!
CATENAの藤原さんに聞くQ&A 「フォトコン攻略の極意!?」
KHA=関西ヘアドレッシングアワードといえば、関西だけでなく全国で最も栄誉あるフォトコンテストと言っても過言ではないはず。そんなKHA2022でオフィシャル部門のグランプリを受賞したのが、『CATENA』藤原康哲さんです。 受賞作品は研ぎ澄まされた世界観が印象的。今回は、藤原さんにKHAはもちろん、フォトコン作品にまつわるアレコレをQ&A形式で質問攻め。 コンテストが好きだけどなかなか受賞までたどり着けなかったり、もっとレベルアップしたい!そんな美容師さんや美容学生さんは、人の目を惹きつける作品づくりのヒントが見つかるかもしれませんよ。 ---------------------------------------- ▼今回質問に答えてくれたのは・・・ 藤原康哲さん 『CATENA』オーナースタイリスト。得意とするのはエッジの効いたスタイル。 Instagram : @yasunori0510 <SALON DATA> CATENA(カテナ) 岡山県岡山市北区番町14-29 2F tel : 086-238-3766 ---------------------------------------- Q. 美容師歴は何年ですか? A. 18年。 Q. フォトコン歴は何年ですか?(初めての応募から何年) A. 12年ぐらい。 Q. 今までに応募したコンテストと受賞作品を教えてください。 A. KHA(ライジングスター部門 最優秀賞、オフィシャル部門最優秀賞)、hoyu カラコレ クリエイティブ部門(SHINBIYO賞)、ミルボン DAフォトワークス クリエイティブ部門 デザイナーズ賞)、JHA(エリアファイナリスト、ジャーナル賞、中四国エリア エリア賞)。 過去の作品 Q. フォトコンをはじめたきっかけは何ですか? A. 岡山のフォトコンテスト。美容師の友人たちが参加していたので僕もやってみようと思い応募しました。 Q. KHAに参加したのは何回ですか? A. 5回。 Q. KHA2022に応募しようと思った理由や、KHAの魅力を教えてください。 A. KHAで賞を取りたくて応募しました。会場でレベルの高い作品をたくさん見れることやその場で発表される緊張感が好きです。 Q. KHA2022で受賞した理由は、何だと思いますか? A. 僕はただ自分の好きな物を作っているので、選ばれた理由はわかりません。 Q. 今回の作品づくりではじめに決めたものは何でしたか? A. 今回はディーラーさんの講習でカメラマンの松山さんに撮って頂けるということで、カメラマンが最初に決まっていました。その次にモデルさんを選びました。 Q. コンテスト作品づくりで大切にしていることは何ですか? A. モデルさんに似合わせることと自分の“好き”を表現すること。好きなテイストがモードで、その中でどれだけシンプルにできるかを突き詰めました。スタイル、メイク、衣装など、「どれだけ引き算できるか」を考えました。 Q. 今回のKHAの作品づくりはいつくらい前から準備しましたか? A. 1ヶ月前ぐらいからです。 Q. 今回のフォトコン作品で苦労した点はどこですか? A. KHAのオフィシャル部門は写真2枚で表現する部門なので、どの写真をセレクトするのかを悩みました。何度も並べてみて確認をしました。 Q. 作品づくりのために普段から意識していることはありますか? A. 「お店に飾りたくなるような作品」を作ることと「いつ見ても古く感じない作品」を作ること。 Q. フォトコンの作品を作るうえで、他者から評価を得るために必要なことは何だと思いますか? また、そのために気をつけていることはありますか? A. モデルさんの良さを引き出すことと、写真に雰囲気があること。 Q. フォトコンをやっていてよかったことはありますか? A. サロンワークでの似合わせやフィニッシュワークが良くなったと思います。 Q. ライバルはいますか? A. いません。 Q. 尊敬する人はいますか? A . います。 Q. 藤原さんにとって、フォトコンの魅力は何だと思いますか? A . 美容師としての自分を最大限に表現できるものです。
美容カメラマン井関氏が思う 今、美容師に読んでほしい2冊
年間約500スタイル以上、フォトコンテストや美容系広告などのヘアスタイル作品を多数手掛けるカメラマン・井関雅也氏が考える、美容師が今読むべき本とは? 持っているファッション系写真集&雑誌だけでも200冊を超えるという本の中から2冊選んでもらいました。これは皆さん必見です。 ―今回選んだこの2冊のテーマは? 「テーマは“品と高級感”。そういうところが足りていないなと思うところがあって。打ち合わせの時にも見せることが多い本です。美容師さんが作るものってちょっと奇抜というかドヤ感に走りすぎている感じがして。そこまで髪を主張しなくても…みたいな。トータルでバランス良い感じがいいなと思うんです。上手い人はヘアで強いものを作っても魅せる力があるけど、そういう人こそ選ぶ服のセンスが良かったりする。こういう品とか高級感のある本を読んで、トータルのバランスの取り方を特に参考にしてほしいかな。でも決してヘアとかファッションとかを直接的にマネしてほしい訳ではないです。世界観だったり、こういう本に影響を受けてほしいみたいな感覚で選びました」。 1冊目:「commons&sense」 「実はこれ日本のファッション誌なんです。1997年から年2回発行されていて、世界にも何ヵ国かには出版しているみたいですね。結構分厚いし、中身もちゃんとしてるけど、値段は1,000円くらい。発売されたら毎回必ず買う雑誌です。情報誌としてのファッション誌ではなく、ほぼ写真集って感じですね。文章も全く無いし、テーマも季節感もコピーもない。日本のファッション誌って情報ばかりでビジュアルでの刺激は全く受けないけど、この本は純粋にファッション誌として見ていても色々考えさせられたり、発想に驚かされたりする。読んでいるとすごいテンションが上がります。美容師さんのひらめきの資料にもなると思いますよ」。 2冊目:「DIOR IMAGES PAOLO ROVERSI」 / Paolo Roversi (パオロ・ロヴェルシ) 「イタリアのカメラマンで、だいぶおじいちゃんやけど今も現役。ポートレートに近いけど、深い写真というか…結構フイルムで撮影されていて、その感じがひたすらかっこいいんです。さっきの「commons&sense」とはまた違って尖っていて刺激を受けるとかではなく、ずっと見ていられる本って感じ。感覚で言えば絵画に近いですね。これこそ品と高級感を表していると思います。ただ残念なのは、パオロ・ロヴェルシの本は手に入りにくいっていうところ。世界的にめっちゃ人気なんでね。国内では全く買えないから僕もドイツから取り寄せたんです。元々写真集って発行部数が少ないから、人気のあるものは割と取り合いになるんですよね。写真家だけでまとめられているダイジェスト版の本ならもしかしたら手に入るかも」。 ―本を通して今美容師さんに思うこと 「美容師さんの発想ってどうしても美容の世界の枠内で発想をする人が多い。美容業界の枠内でやれることなんてもう皆やり尽くしているし、自分が置かれている場所以外での考えを広めていかないと新しいものってやっぱり生まれない。だから全然違う発想をしてほしい。っていつも思っています。そういう話を実際美容師さんともしますね。なので、ファッション誌を見ることも大事だけど全然関係ない本とかを読んで発想を得て欲しいかも。あとは、今の子らって本離れしているじゃないですか。最近は作品撮りの参考で見せられるイメージもほとんどピンタレスト。なんかあったらぜんぶ検索して知ったような気になるけど、ネットで調べたもんって残らないよね。本ってページをめくる行為や匂いがあって、そういう行動がひとつあるだけで、記憶に残りやすいと思うんです。だからこそ影響を受ける本を読んで欲しいし、ピンタレストとかじゃなくって、出来れば本で調べて欲しいなって思います」。 recommender 井関雅也さん @ pelipeli999 1962年生まれ。美容専門出版社専属フォトグラファーとして活躍後、1986年に独立。関西を中心に美容師からの支持を集める美容カメラマン。ジャンルを問わず、家には数えきれないほどの本たちが眠っているのだとか。冬は雪山にこもりがち。