皆さんは、画像生成AIという言葉はをご存知ですか？簡単に説明すると「絵が描けない人が、言葉で描いてほしい絵を伝えて、それをAIが描いてくれる」というのが現在の主流のスタイルです。有名なサイト例としてはmidjourneyやstable diffusionなどがあり、画像生成AIの登場により、世間では「もうデザイナーはいらなくなる」という話が挙がる程です。ただ前回ご紹介した、レイアウトやバランスなどデザイナーとして必要な視点もあり、AIはデザイナーの幅を高める部分も多々あります。

その代表的な取組みとして、多くのデザイナーが愛用するアプリケーション開発会社「Adobe」が、デザイナーに特化したAIアプリケーション「Firefly」を今年初頭に発表。試作版は発表後すぐにwebからエントリーの受付を開始しましたが、その注目度は世界中からエントリーが押し寄せ、未だに認証待ちが続く状態です。かくいう筆者も未だに認証待ち状態から進まず、大注目のFireflyを使えていない状態となります。

しかしここに来て、同じくAdobe社が提供する「Photshop」というデザイナー必須アプリケーションの最新バージョンのベータ版が登場。その中にはFireflyの一部機能が実装されており、今回はその一部をご紹介。今後世界のデザインが、どの様に変革していくのかをご紹介いたします。



【あるものが消えるだけじゃない！画像生成の真髄】



最近の画像生成AIで身近にあるものといえば「イラないものを消す」機能。

例えば①の画像の消したい人を選択すると、選択した範囲の人が消えるなどの機能がそれです（②）。

①

②

これらの機能はスマホアプリなどでも登場して、最近ではデザイナー以外でも使える、手頃な画像生成AI機能として活躍しています。ではそれをよりデザイナー向けにした機能とは何か？それは「存在していない部分を作る」機能となります。
③

上の画像③はイタリアの画家、Angelo Inganniが1844年に描いたStraßenansicht aus Mailand, im Hintergrund der Domという作品です。使用する際に横長に使いづらい作品で、これを先程の「存在していない部分を作る」機能を適応したのものが下の画像④となります。
④

一部補正が必要な部分も存在しますが、パッと見では継ぎ目がなく、はじめからこと形といわれても気づかないレベルの画像となりました。注目すべきは全体のタッチが統一されており、左の建物には大きな入口ができあがり、右の建物に関しては、きちんと建物の終わりが存在していることが分かります。

これは現実世界で存在しそうな場所の油絵での生成でしたが、もう少し抽象的な絵ではどうでしょうか？

⑤

上の絵⑤はLola Livatが1967年に描いたAbstraksioonという作品となります。この作品は現実には存在しない世界で、この外側を本人以外は誰も見たことのない、知ることのない作品ですが、これに先程の「存在していな部分を作る」機能を適応するとどうなるでしょうか？

⑥

見たことのない世界を見事に表現しています。この様に画像生成AIでは、存在しないもの、誰も見たことのないものを一見気づかないレベルで生成してくれる機能があり、デザイナーの創造性をさらに飛躍する機能となります。




【既存する作品を新しい作品として昇華】




それでは上の応用として2つの作品を使用し、その空白部分が違和感なく生成されるのかを試してみましょう。作品として使用するのは、イタリアの画家Federico BatoliniのVisiting the carpet vendorという作品⑦とRug Merchantsという作品⑧。こちらは同じ地域で描かれた絵画となりますが、この2つの絵を適当な場所に並べ⑨、この世界観の穴埋めができるかという実験をしました。

⑦

⑧
⑨

結果できあがった画像が⑩となります。２つの異なる視点（角度も含めて）の画像は違和感なく調和され、まるで１つの大きな絵画の様に見えます。現在の生成でも、2つの出来事が対象的に映し出され、大変美しいのですが、少し真ん中の空白部分に意味合いをもたせるために「馬車を生成して」との命令を打ち込んだのが下の画像⑪となります。

⑩

⑪


精密に生成された馬車は、右のカーペット業者のものとすぐ分かり、より左右の業者や客層の差異が浮き彫りなったかと思います。

では上の作品とは違い、全く別のアーティストの全く別の作品ではどうでしょうか？

⑫

1枚目はDaniel Ridgway knightが描く、平和なアメリカの日常を描いたAprès Un Déjeuner; Bords De La Seine⑫左と、1925年のドイツの政治的、社会的、経済的に混乱時期を描いたDe eeuwige zwerver, vagebondのFrits van den Berghe⑫右を配置。この全く異なる表現と情景を生成したものが下の画像⑬となります。

⑬
さすがに無理やりな部分もありますが、左ののどかな風景から、徐々に草花が枯れていく様子や、左の絵を侵食していく感じは新しいアートなのかもしれませんね。


この様に、AIでは今まで無かったものが誕生する大きなきっかけを作るかもしれません。デザイナーとしては今まで注いでいた多くの時間が短縮されたり、またより新しい発想が生まれるかもしれません。

アイデアさえあれば、本当に誰もが「あなたも今すぐデザイナー」になれる日は、みなさんが想像しているよりももっと近いかもしれませんね。

皆さんは、画像生成AIという言葉はをご存知ですか？簡単に説明すると「絵が描けない人が、言葉で描いてほしい絵を伝えて、それをAIが描いてくれる」というのが現在の主流のスタイルです。有名なサイト例としては

などがあり、画像生成AIの登場により、世間では「もうデザイナーはいらなくなる」という話が挙がる程です。ただ前回ご紹介した、レイアウトやバランスなどデザイナーとして必要な視点もあり、AIはデザイナーの幅を高める部分も多々あります。

その代表的な取組みとして、多くのデザイナーが愛用するアプリケーション開発会社「Adobe」が、デザイナーに特化したAIアプリケーション「Firefly」を今年初頭に発表。試作版は発表後すぐにwebからエントリーの受付を開始しましたが、その注目度は世界中からエントリーが押し寄せ、未だに認証待ちが続く状態です。かくいう筆者も未だに認証待ち状態から進まず、大注目のFireflyを使えていない状態となります。

しかしここに来て、同じくAdobe社が提供する「Photshop」というデザイナー必須アプリケーションの最新バージョンのベータ版が登場。その中にはFireflyの一部機能が実装されており、今回はその一部をご紹介。今後世界のデザインが、どの様に変革していくのかをご紹介いたします。

【あるものが消えるだけじゃない！画像生成の真髄】

最近の画像生成AIで身近にあるものといえば「イラないものを消す」機能。

例えば①の画像の消したい人を選択すると、選択した範囲の人が消えるなどの機能がそれです（②）。

添付画像: ①ryoji-iwata-n31JPLu8_Pw-unsplash_1.jpg

添付画像: ②ryoji-iwata-n31JPLu8_Pw-unsplash_2.jpg

これらの機能はスマホアプリなどでも登場して、最近ではデザイナー以外でも使える、手頃な画像生成AI機能として活躍しています。ではそれをよりデザイナー向けにした機能とは何か？それは「存在していない部分を作る」機能となります。

上の画像③はイタリアの画家、Angelo Inganniが1844年に描いたStraßenansicht aus Mailand, im Hintergrund der Domという作品です。使用する際に横長に使いづらい作品で、これを先程の「存在していない部分を作る」機能を適応したのものが下の画像④となります。

一部補正が必要な部分も存在しますが、パッと見では継ぎ目がなく、はじめからこと形といわれても気づかないレベルの画像となりました。注目すべきは全体のタッチが統一されており、左の建物には大きな入口ができあがり、右の建物に関しては、きちんと建物の終わりが存在していることが分かります。

これは現実世界で存在しそうな場所の油絵での生成でしたが、もう少し抽象的な絵ではどうでしょうか？

上の絵⑤はLola Livatが1967年に描いたAbstraksioonという作品となります。この作品は現実には存在しない世界で、この外側を本人以外は誰も見たことのない、知ることのない作品ですが、これに先程の「存在していな部分を作る」機能を適応するとどうなるでしょうか？

見たことのない世界を見事に表現しています。この様に画像生成AIでは、存在しないもの、誰も見たことのないものを一見気づかないレベルで生成してくれる機能があり、デザイナーの創造性をさらに飛躍する機能となります。

【既存する作品を新しい作品として昇華】

それでは上の応用として2つの作品を使用し、その空白部分が違和感なく生成されるのかを試してみましょう。作品として使用するのは、イタリアの画家Federico BatoliniのVisiting the carpet vendorという作品⑦とRug Merchantsという作品⑧。こちらは同じ地域で描かれた絵画となりますが、この2つの絵を適当な場所に並べ⑨、この世界観の穴埋めができるかという実験をしました。

結果できあがった画像が⑩となります。２つの異なる視点（角度も含めて）の画像は違和感なく調和され、まるで１つの大きな絵画の様に見えます。現在の生成でも、2つの出来事が対象的に映し出され、大変美しいのですが、少し真ん中の空白部分に意味合いをもたせるために「馬車を生成して」との命令を打ち込んだのが下の画像⑪となります。

精密に生成された馬車は、右のカーペット業者のものとすぐ分かり、より左右の業者や客層の差異が浮き彫りなったかと思います。

では上の作品とは違い、全く別のアーティストの全く別の作品ではどうでしょうか？

1枚目はDaniel Ridgway knightが描く、平和なアメリカの日常を描いたAprès Un Déjeuner; Bords De La Seine⑫左と、1925年のドイツの政治的、社会的、経済的に混乱時期を描いたDe eeuwige zwerver, vagebondのFrits van den Berghe⑫右を配置。この全く異なる表現と情景を生成したものが下の画像⑬となります。

さすがに無理やりな部分もありますが、左ののどかな風景から、徐々に草花が枯れていく様子や、左の絵を侵食していく感じは新しいアートなのかもしれませんね。

この様に、AIでは今まで無かったものが誕生する大きなきっかけを作るかもしれません。デザイナーとしては今まで注いでいた多くの時間が短縮されたり、またより新しい発想が生まれるかもしれません。

アイデアさえあれば、本当に誰もが「あなたも今すぐデザイナー」になれる日は、みなさんが想像しているよりももっと近いかもしれませんね。

あなたも今すぐデザイナー！vol.03　画像生成AIで名作絵画を作ってみた！

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