トリートメントもこだわる時代
遂に『AM-YU』公式ライター企画が始動します!日々の美容業界について発信してくれる方や得意な技術を紹介してくれる方、一緒に『AM-YU』を応援してくださる方を対象に公式ライターとしてお声掛けし、認定させていただいております。初回は、大阪・北堀江にある『hair atelier HUE』の代表アオキさんが、トリートメント施術について、ご紹介いただきました。 当サロンはケミカル知識とあらゆる技術を駆使して、髪をできる限り、傷ませずにデザインを作ることをモットーに、「通っているサロンを教えたいけど、教えたくない!」とお客様に思っていただけるようなサロンづくりを行っています。人気のメニューといえば‟トリートメント”です。 髪質改善を含むトリートメント施術を受けられるお客様の比率は約9割で、トリートメントだけをオーダーするお客様も多数来店します。そこで今回は基本的なトリートメントの仕組みについて、お話していきたいと思います。 なぜトリートメントにはいくつもの工程があるのか トリートメントの施術には、各ステップごとに、それぞれ役割が存在します。簡単に説明すると… STEP1 浸透促進 まずは髪の毛に付着している無駄な汚れを取り除くのが大切です。 STEP2 内部保修 ケラチンなどのPPTもしくは脂質類のCMCなどの薬剤で、髪の内部に栄養素を注入する。 STEP3 架橋 各薬剤の成分を繋ぎ合わせ、ケラチン構造を強くします。 STEP4 外部保修 分子量の違うシリコンを塗布することで、髪の表面内に膜が形成され、髪にキューティクルが生まれツヤが出てきます。 多くの美容室が、上記で述べた手順でトリートメントの施術を行っていますが、安価なトリートメントだと、STEP1~4で使用する薬剤が、ほとんど“シリコン被膜形成剤”という場合もあります。決して安い薬剤を使用するのが悪いということではなく、使う目的に適している場合は問題ありません。 トリートメントの考え方 ここからは‟分子量”について簡単に説明していきます。髪を巨大なスポンジだと考えて、その隙間をビーカー、トリートメントをボールで例えます。「なんだそれ?」って感じるかと思いますが、これが一番イメージしやすいんです!もっと分かりやすいように、イラストで説明します!スポンジって穴がたくさんありますよね。そのスポンジの穴を拡大していくイメージで、この穴の一つひとつをビーカーに例えます。このようなイメージでしょうか。 次に上記で述べたSTEP1の成分をビー玉、STEP2をピンポン玉、STEP3を野球のボール、STEP4をバレーボールで表現します。これをSTEP1~STEP4(低~高)の順番で入れていきます。するとこんな感じに。 順番を守らずに入れるとこんな感じに。 いかがでしょうか?前者の方が明らかに多くのボールが入っており、隙間が少ないのが分かりますね!これがトリートメントの仕組みであり、分子量の考え方です。使用する薬剤の分子量が順番通りでも、PPTが含まれているのか、シリコンのみなのかで質感や補修感は変わっていきます。どちらもしっかり埋まっていると、トリートメントの「持ち」につながります。そのため、きちんと分子量の順番を守った上でトリートメント施術を行えたら、お客様の反応も変わるはずです!これらを踏まえた上で、髪にしっかりトリートメントを入れ込むには、いくつか方法があります。 髪にしっかりとトリートメントを入れ込む方法 POINT1 上記で述べたSTEP1~STEP4の各薬剤を塗布したら、しっかり指でなめす。 毛髪の凸凹を埋めるように指でなめしていくと、定着しやすくなります。 POINT2 チェンジリンス を活用する STEP1とSTEP2の薬剤を塗布した後、一旦、流してからSTEP3とSTEP4の薬剤を付けるようなトリートメントの場合。STEP1とSTEP2の薬剤を塗布した状態で、お湯を溜めてチェンジリンスを行い、その後STEP3・STEP4の薬剤を塗布して、再度チェンジリンスをしてしっかり流す。水の浸透力を利用した、物理的な浸透方法です。 POINT3 加温機(スチーム)を使う 上記のPOINT2のようなシステムトリートメントの場合、 STEP1・STEP2の薬剤を塗布した際に、加温機(スチーム)で温めてあげると浸透が促進され、質感もグッと上がります。 ここまでこだわって施術をすれば、他サロンとの差別化も図れますし、お客様も「トリートメントしてよかった」と実感できると思います。トリートメントは、ただ塗布するだけの“施術”ではなく、担当するスタッフによって、手技によって結果が変わる“サービス”だということです。ぜひこの機会にサロンでのトリートメント施術を見直してみてはいかがでしょうか! <PROFILE> アオキコータ 髪質改善・縮毛矯正に特化した北堀江にあるサロンの代表。独自理論で似合うスタイルを提案でトリートメントの毛髪診断を行い、ベストなトリートメント施術の提案が得意としている。 Instagram : @a.o.k.k.y <SALON DATA> hair atelier HUE 大阪府大阪市西区北堀江1-15-21 H&Mビル2F Instagram : @hair_atelier_hue
業に入れば郷に従え!? 旅で現地のヘアケア試してみた【アメリカ編】
みなさん、旅行でのヘアケアってどうしてますか? 旅先にもいつも使っているものを持っていくのは大変ですよね。 そこでAM-YU編集部がおすすめしたいのは「現地調達」。 大丈夫!? と思われるかもしれませんが、海外ならなおさら、現地の気候や水質に合わせたアイテムを使う方が合理的とも言えます。 ということで、先日アメリカに行ってきたので、実際にヘアケアアイテムを購入し、使ってみました!その結果をレポートします。 ちなみに購入したのは、そこかしこにあるドラッグストア。 (※価格はすべてAM-YU編集部調べ。個人的な感想であり、長期使用でのレビューではありません) MONDAY REPAIR CONDITIONER ピンクのパッケージがかわいくて購入。54ml1100円くらいだったので、ドラッグストアにしては高級…と思われるかもしれませんが、違います。アメリカの物価が高い×円安の影響で、最低でもこれくらいの値段を出さないとヘアケアはできません(泣)。 テクスチャーは乳液みたいな感じ。使ってみると思ったよりねっとりしていて、洗い流すのに苦労しました。よく見ると「+ケラチン」と書いてあり、だからなのか、翌日いつもより髪の毛がぼわっと膨らんだ気がしました…。コシが出るタイプだったようです。保湿力は思ったより良くて、コンディショナーなのにしっかりとパサつきは抑えてくれました!思ったより優秀。 HASK ARGAN OIL REPAIRING HAIR OIL 昨晩使ったMONDAYのコンディショナーのおかげで髪がぼわっと膨らんでしまったので、ボリュームダウンの意味も込めて急いでこちらを購入。アルガンオイル使っときゃ間違いない!と深く考えず買いましたが、これが正解でした。半乾きの髪全体に揉み込んだら、柔らかい髪に!価格は500円くらいで、持ち運びにも便利なのでこれは日本持ち帰り決定! 写真ではわかりづらいですが、これもねっとりしています。そして調べてみるとケラチン入り。後日気づいたのですが、重めのテクスチャーなので付けすぎるとしっかり髪に密着するだけに落とすのが大変でした(泣)。その代わり、効果は抜群。 MARC ANTHONY. REPAIR BOND+Rescuplex HYDRATIONG MASK アメリカは日本より乾燥しているうえに日差しも強いので、特に傷みがひどくなくてもできるだけダメージ髪用を購入しています。さて、こちらは227gで1400円ほどで、トリートメントにしてはリーズナブルなほうです。MONDAYほどねっとりしていないので洗い流しやすく(笑)、保湿力もしっかりあります。そして柔らかい髪に仕上がりました! テクスチャーはトリートメントだけど思ったよりさらさら。HPで見ると、日本ではまだ馴染みのないPETAビーガンの文字が。PETAはアニマルライツ(動物愛護・動物擁護)の世界最大規模の団体だそうで、他のヘアケアアイテムも後ろの表示を見るとエコやサステナブルについての表記があります。日本ではあまりないのでこういうのも勉強になりますね。 以上、アメリカ・カリフォルニアから現地のヘアケアアイテム事情をお届けしました。 今のところ髪の毛の状態はとっても良好です。これから海外旅行へ行かれる方も増えて来ると思いますが、ぜひみなさんの旅先でのヘアケア情報もシェアしてくださいね。Have a nice trip!