New sense 新しい美容師の働き方【THE CORE OF THINGS編】
現代の働き方は昔と比べれば随分と変わりました。美容師という職業も例外ではなく、固定概念の美容師像とは違ってきています。今回は、キャンプが好き過ぎて<THE CORE OF THINGS(ザ コア オブ シングス)>という名のキャンプブランドを始めた、『LIM(リム)』の木村太一さんについて。ブランドを始めたきかっけからこだわりの部分の話について聞いてきました。 <THE CORE OF THINGS>のはじまり。 ーブランドをはじめたのはいつからですか? 「まずは会社を作ったんですよ。それが、2023年の2月で、ちょうど1年くらい前です」 ー『LIM』で働きながら会社を立ち上げたんですね。 「そうなんです。うちの会社、その辺りは寛大で。うちの会社は正社員とパートナーリレーションシップ契約という『LIM』の中のいわゆる個人事業主契約みたいなシステムがあり、スタイリストの子たちの中では、副業として飲食店で働いている例もあります」 ーキャンプブランドをはじめたきっかけを教えてもらえますか? 「キャンプ好きが高じてはじめたっていうのがあるんです(笑)。キャンプを趣味としてやり始めて2年くらい経ったときに、自分が欲しいと思うキャンプテーブルがあまり無くて何を買おうか悩んでいたんですよ。その時に、家の家具を作ってくれた知り合いがいたんです。自分は家具の設計はできませんが、キャンパーとしてこういうのを作りたいっていうアイデアはあったので、その人に一緒にキャンプブランドやりませんか?と声をかけたら、二つ返事でやりましょうって言っていただきパートナーになりました。インテリアに詳しい人とキャンパーが手を組んだら、既製品にはない形のものができるのではと思いスタートしました。いろんな案を出し合いながら開発までに2年くらいはかかりました。それで、4回目のサンプルを作った時にこれいけそうって思い、実際にキャンプへ持って行き、フィールドテストもしました。納得できるものができそうとなり、会社設立に至ったという流れですね」 <THE CORE OF THINGS>のこだわり。 ーどういった製品なんですか? 「最初の製品はテーブルなんですが、天板を有孔ボードみたいに穴が開いた板にしたんです。その穴にいろんなギアを差し込んで拡張する仕組みになっています」 ー家でも使えそうなくらいモダンなデザインですね。 「そうなんです。作ってくれている人もインテリア畑の人なんで、普段は家で使って、キャンプの時は持ち出すみたいなイメージで設計してくれました。今はこのテーブルをメインに、それに付けるオプションパーツを展開していってます。単品だとソロキャンプに使えるし、連結パーツを使うと大人数でのキャンプにも対応します。基本的にはテーブル周りのものをどんどん作っていってるという感じですね」 ー有孔ボードの案は最初からあったんですか? 「世の中のキャンプ道具ってどれも似たり寄ったりな感じが多く、拡張パーツにしてもランタン付けれますと謳っていますが、大体万力で挟むみたいなのが多く、少し不細工というか、挟んでるだけなんでグラつくし、挟み過ぎたら痛むし・・・といった課題がいろいろあると思っていたんです。そういうものをもっと見た目にもシンプルかつ機能的にも良いものを作りたいとパートナーに相談していたんです。彼はキャンプに行かないのでキャンプに対しての知識が無垢で。それで、こんなん良いんじゃないと提案してくれたのが4つ穴が開いているもので、キャンプ道具としては初見だったのでその路線で進みはじめたという感じです」 ーちなみに、美容師をやっていたから活かせたことはありますか? 「そうですね、『LIM』って“LESS IS MORE”というコンセプトがあり、理念とかミッションといったしっかりとした幹がある会社だと思っているんです。何かあってもそこに立ち返るみたいなことがあるんですよね。僕らの<THE CORE OF THINGS>というのも、“良いデザインは核心を突く”というコンセプトがあり、商品や発信のトンマナとかも含めて、コンセプトに合うかどうかというところを結構意識しています。それと、いろんなキャンプギアを見てデコラティブなものがあったらデザイン的にトゥーマッチってことが結構多いんです。僕らは、“LESS IS MORE”という環境で育ったので、よりシンプルでかつ刺さるようなものを作りたいという想いがあります。そういった意味では、美容ではないですが経営理念みたいなことは、『LIM』で学んできたからこそできている感じはありますね」 <THE CORE OF THINGS>の今後。 ーこれからはどのような動きを予定されているんでしょうか? 「春には『みのおキューズモール』にある『UNBY GENERAL GOODS STORE』でポップアップを予定しています。昨年は8月にクラウドファンディングのMakuakeをして自社ECサイトを立ち上げて、それだけで終わってしまったので、今年は活動範囲を広げて展示会に出店したり、活動の場を広げていきたいですね」 ー他のアウトドアブランドにはない見た目なので、アウトドア以外のシーンでも刺さりそうですね。 「そうなんですよ。インテリア路線でもいけるとは思っています。それと、現状は国内だけで生産しているのでどうしても上代があがってしまうんです。今、中国の工場と契約の話を進めていて。そこは精度が高いのに原価が安いというのが見つかったんです。そうなったらリブランディングじゃないですが、今の製品のちょっと廉価版みたいなシリーズも出して、より手が届きやすいものにできればと、今までよりも違った広がりができるのかなと思っています」 ー今後、作りたい製品のアイデアはたくさんあるんですか? 「アイデアはたくさんありますし、既にサンプル生産に入っているものもあります。穴が開いた天板のベースというシステムを作ったので、何でもできる気はしています。あとは、買ってくれた人からこういうの作ってくれないんですか? などの問い合わせをもらえたら、それを作ることも可能です。ニーズはSNSで拾えるんで、言ってもらえるとありがたいですね。それこそ、美容系の商材メーカーで働くキャンパーがいるんですが、その人と一緒にドライシャンプーや虫除けになるアロマオイルのようなキャンプで使えるものを作りたいねって話もあります。さらに、アパレルまでも考えたりしています」 C/T table ¥88000 キャンプ好きが高じてキャンプブランドまで立ち上げた木村さんの話はいかがでしたでしょうか?インタビュー取材中に「趣味のチャンネルは多い方が僕はいいと思うんですよ。美容業界に入って美容美容ってなるのも分かりますが、それ以外でも楽しんでいれば、面白い人だなってお客さんにも思ってもらえるし、繋がりも増えますよ」と笑顔で話してくれました。楽しんでる人は魅力的に映るのは確かで、美容師という仕事は技術はもちろん大事ですが、それ以外の魅力を磨くのも大切な部分だと思いました。 木村太一 LIM COO Instagram:@kimurataichi.osaka THE CORE OF THINGS Instagram:@the_core_of_things_official <SALON DATA> LIM/リム 大阪市南船場4-12-8 関西心斎橋ビル2F Instagram:@lim_hairsalon