マイナス20歳の若返りが叶う!? REDEAL ope・金子圭介さんが考案した 「白髪手術」とは
ミドル世代の悩みを魔法のように次々と解決し、SNSで話題を呼んだオレンジ髪の美容師ことREDEAL opeの金子圭介さん。年間最高指名売上は脅威の1176万円(!!)今や日本だけに留まらず、海外でもセミナーを開催するなど、業界からも熱視線を集める彼に直撃。「白髪手術」の誕生秘話からブランディングのこと、そして技術面にいたるまでのお話を伺っていきます。 教えてくれたのは REDEAL ope. 代表 金子圭介さん 1994年生まれ。埼玉県理容美容専門学校卒業。2020年1月に専門学生時代の同級生だった代表の中村さんと共にオープニングスタッフとしてREDEAL店長に就任。自身で考案した『白髪手術』をTikTok、Instagramで発信し、スジ感を生かしたスタイルチェンジで 30代~80代の白髪に悩んでいる女性から圧倒的な支持率を得る。 Instagram : @keisuke_redeal_balayage ー『REDEAL』のオープン直後にコロナ禍に突入したそうですが、当時はどんな状況でしたか? 「出店して3ヶ月でコロナになって、お客さんが来ない期間がしばらくありました。なので、どうやって集客していくかを代表の中村と一緒に考えて。最初の頃は白髪に関係なく、ハイライトやバレイヤージュをしていたのでこのスタイルにすることのメリットに着目して発信していましたね」 ーそこから『白髪手術』が誕生したきっかけはなんだったんでしょう? 「コロナが落ちついてきた頃、色んな美容室を巡って失敗されたお客様がSNSを見てうちに来店することが増えたんです。ある日、白髪で悩んでいるお客様にホワイト系のバレイヤージュをして、仕上がりをSNSに載せたらバズったんです。その頃よく『手術レベルで直します』って言っていたので、そことかけて『白髪手術』のワードがたまたま生まれました」 ーたまたまだったんですね!なぜバズに繋がったと思いますか? 「当時は白髪の人にがっつりブリーチをしてバレイヤージュをするという美容師が誰もいなくて、そこが意外とブルーオーシャンだったのかなって。あとは、コロナ禍でおうち時間が増えて、TiktokやInstagramを見る白髪世代の人が増えたことで、響いたのかなとも思ったりもします。全てタイミングが良かったということもありますが、もちろん努力した部分も重なったって感じですね。発信をしていなかったらこの結果は生まれていなかったと思うので。1つの投稿で人生が変わった感覚があります」 ー意図せず「白髪手術」が誕生したということですが、ただバズったというだけでは今の成功には繋がらなかったように思います。他と差別化するために、どんなことを意識されましたか? 「もちろんクオリティを重視したというのが一番ですが、自分自身のブランディングも意識するようになりました。例えばこのオレンジ髪とか。実はこれ仕事としてやってるんですよ(笑)。オレンジ髪の人が白髪世代の悩みを解決してるってアンバランスすぎて、インスタで見てると、結構目に入るんですよね。あとは服のブランドも大切だなと思ったので、Diorだけを着ると決めてます。特別好きというワケではなかったですが…(笑)。芸能人ってどんな髪型をしてどんなファッションをして…と、すぐに浮かぶじゃないですか。そういったことも美容師としてのブランディングにも繋がるのかなと思って、『オレンジ髪のDiorの人』で覚えてもらえるよう統一しました。実際、それで通ってる人もいるので一応は成功かな(笑)」 ーここからは少し技術面のお話をお聞きしたいのですが、同じバレイヤージュでも若い方と白髪世代の方とではアプローチに違いはありますか? 「施術自体はあまり変わらないですが、アプローチの違いで言うと大きく2つあります。1つ目は白髪世代の方には顔まわりにしっかりカラーを入れてあげること。これは単純に顔まわりの白髪が一番気になるからっていう理由です。2つ目は、白っぽい色ではなく、馴染みの良いベージュ寄りのカラーで白髪をぼかすようにすること。白やシルバーだとくすんで見えて、逆に老けて見える可能性があるんです。若い子はどちらかというとコントラスト強めのカラーを好む人が多いので、ここが一番の違いかもしれませんね」 ー『白髪手術』の実例をぜひ教えてください 「この方たちは白くしすぎちゃうと逆に老けて見えてしまうので、少しだけピンクを入れてベージュっぽいまろやかな色味に仕上げました。白髪が90%以上とか、ほぼ100%の方にハイライトを入れても白髪ぼかしにはならないんですよ。それだったら逆に表面を全てブリーチをするやり方に変えたりすることもあります」 ー月に250人以上担当されているそうですが、今までで一番大変だった事例は? 「この人が難しかったというより、ヘナカラーを使っていた履歴のある人への対応が大変だったことがあります。このヘナカラー剤はアルカリが入っていないので傷みにくいんです。なので、白髪世代の方でも使っている人が多くて。正直ヘナはブリーチをしても明るくなりづらいんですよ。それをまだ経験が浅かった僕が、そういう方に対してもブリーチをバンバンしてしまった。そしたら全然明るくならなくて、仕上がりもイマイチで…みたいな失敗を重ねていました。そのおかげで、今ではもうヘナカラーをしてる髪は触っただけでわかるようになりましたね。ちゃんと失敗も活かせてると思います」 ー失敗を経験したからこそ、さらに高いクオリティーを提供できるようになったんですね。他にも白髪染めをする上で、難しい点はありますか? 「技術的なことよりかは、カウンセリングが難しいと思います。履歴を目で見て判断して、どこまで明るくできるかを想像しつつ、仕上がりの色をお客様にきちんと共有するというのが大切なんですよね。結構派手にやり過ぎると、白髪世代の方はびっくりしちゃったりとか周りの目も気にしちゃう方も多いので。履歴の推測と予測した上での提案と共有。ここが本当に大切だと思います」 ーなるほど。技術以前のコミュニケーションが大切になってくるんですね。最後に金子さん自身の今後はどのように考えていますか? 「僕自身がどうなりたいっていうよりかは、下の子たちが美容師を楽しんでもらえるようにしていく方が大事かもしれません。なので、スタッフの夢を叶える手助けをしてあげたい。僕自身も代表の存在が刺激になって、今の僕を作ってもらったという経験があるので、それを伝承して行きたいなと思います」 「白髪手術」はSNSでは華々しく成功されているように見えますが、実際はかなりの試行錯誤を重ね、努力が身を結んだ結果だと、お話を伺って改めて実感。「お客様の悩みが解消されて喜ぶ姿や後輩たちの成功が何よりも嬉しい」と自分のこと以上に周りの人に対して、喜びを感じている姿にとても感銘を受けました。今回お話を聞かせてくれた金子さん、ありがとうございました。 <SALON DATA> REDEAL ope./レディアル オペ 埼玉県さいたま市大宮区大門町2-18SGS大門町 1階 URL : https://www.redeal-hair.jp/