美容師さんの等身大をたどる 【サロンボーイ!】vol.02_SUMI 田中隼人さん
夢に向かってがんばるひとって、なんだか素敵。 日々サロンで働く彼らのプライベートを覗いてみたくて、会ってきました。 田中さんを撮影したのは就活イベントでショーをするという超多忙な朝。 後日、大阪・空堀商店街にたたずむ古民家カフェであたたかいコーヒーを片手に、いろいろおしゃべりしてきました。サロンワークやSNSからは想像できない素顔が見られるかも……? ―昨年から谷町にお住まいとお聞きしました。住み心地はいかがですか? みんなが街をのんびり歩いている様子に心が癒やされます。今は奥さんと子どもと一緒に古い長屋に住んでいて、すごく居心地がいいのでお気に入りです。 ―長屋に住んでるんですね。どうやって探したんですか? 谷六に『hapo』っていう行きつけのワインショップがあって、そこのオーナーさんに紹介してもらいました。去年子どもができたことがわかって広い家に引っ越すことになったんですが、予算と条件に合う家がなかなか見つからなくて。そしたら『hapo』のオーナーさんが「長屋やったら紹介しよか」と言ってくれて、3日後くらいに内見に行きました。 ―家探しってタイミングが大事って言いますもんね。 十分な広さがあるぶん古いところも残っているような物件で、正直奥さんはそこまで乗り気じゃなかったんです。だけど「リノベーションOKやから好きなようにDIYできるし、愛着湧いて長く住めるならそっちの方がいいんじゃない?俺が絶対かわいくするから!」って説き伏せて、去年の秋に入居しました。 ―おうちの完成具合はいかがですか? DIY初心者なのでYouTubeで調べまくって、初めてホームセンター行った日はあまりの物量に圧倒されて何も買わずに帰りました(笑)。今は壁の塗装をなんとか終えてインテリアを整えている段階。今日もこのあと家具を見に行く予定です。 ―どんなお店でインテリアを揃えてるんですか? ヴィンテージの家具を集めていて、大阪だと堀江『ガーランド』、アメリカ村『CopyArt Collective』、深江橋『WANT ANTIQUE』、あと神戸の『LOVE FURNITURE』も好きですね。人と被らないものにしたいっていうのと、新品でピカピカの家具を買ってしまうとそれがどんどん古くなっていくのが寂しくて、最初から味わいがあるものを選びたいなぁと。 今はまだお金を大胆には使えないし一気に決められるタイプじゃないので、一つひとつ大切に揃えています。最近はインテリアに凝っていて、暮らしを豊かにしたいと思うことが増えました。オーナーのTAEさんが丁寧な暮らしをされている方なので、その影響もあるのかもしれません。 ―『SUMI』にはどうして入社したんですか? 会社説明会に行った際、クリエイションに熱い社風に惹かれたんです。一番衝撃を受けたのは、「うちはホワイトで優しい会社じゃないし、ここにいる人全員に来てほしいとは全く思わない。本物になりたい奴だけ来いって」という社長の言葉でした。それまでは「このサロンの誰々さんがカッコいい」「作るスタイルがおしゃれ」とか表面的な魅力に囚われていたんですが、“本物”という言葉と学生に媚びない姿勢にグッときて。普段はめちゃくちゃマイペースなんですが、直観でここだ!と思いました。 ―実際に働いてみていかがでしたか? 1年目はヘアショーやコンテスト、作品撮りがたくさんあって、体力的には厳しかったです。言葉遣いや礼儀にも厳しい会社だから、お叱りを受けたことも数えきれないほどありました。当時は何くそっていう気持ちが強かったけど、2年目くらいから自分を取り巻く環境に感謝する気持ちが芽生えてきて。その頃自分で映像制作を始めたんですが、会社も「オンラインアカデミー」という美容師向けの技術動画を発信するコンテンツを作ることになって、僕もそれを手伝うようになったんです。先輩たちとコミュニケーションを取る機会も増えて、いろんなアドバイスをもらえるようになって。先輩たちと同じ目線で話ができるようになったことで、よりクリエイションへの意欲も湧きました。 ―映像制作を始めたことを機に、チームの一員になれたんですね。 みんなの輪に入れてもらえたという実感はあります。フォトコンで個人的に賞をいただいたり、先輩たちと協力して作った作品でグランプリをいただいたり、評価してもらえたことも自信に繋がりました。それもあってようやく環境に感謝できるようになったのかなと。入社してくる後輩たちにも、「今はいろいろ言われて悔しいと思うけど、いつか感謝できる時がくるから」って伝えるようにしています。みんな不服そうな顔をしてますけど(笑)。 ―系列店の『Nicole.』さんはモノトーンの服装のイメージがありますが、『SUMI』さんは規定などはないんでしょうか? 普段は自由ですが、2年前ほど前から金曜日と土曜日をモノトーンデーにしていて。大切な式典や会社のイベントの際も、黒ベースの服装で集まります。みんなが黒を身に纏っているのを見ると、なんだか背筋が伸びて気持ちが引き締まるんです。黒だから個性がないとかじゃなく、それぞれ黒という縛りの中でファッションを楽しんでいて。後輩でも黒を着ると貫禄が出たり、そんな発見があるのもおもしろいですね。 ―最後に、目指している美容師像を教えてください。 オーナーのTAEさんをめちゃくちゃ尊敬していて、美容業界ですごく評価されている方なのに、全然気取っていないところが素敵だなと。TAEさんを見ていると、『SUMI』は人としても磨かれる場所だと強く感じます。系列店『Nicole.』にはフォトグラファーを兼任しているディレクターがいて、サロンワークに限定せず活躍している姿にも憧れますね。今はカメラや映像制作に興味があるので、その技術も高めつつ一歩一歩前進できたらと思います。まずは夏までにスタイリストデビューできるようがんばります! <PROFILE> SUMI アシスタント 田中隼人さん 1996年大阪生まれ、和歌山育ち。グラムール美容専門学校出身。『SUMI』に入社して5年目のアシスタント。昨年冬に第一子が誕生してパパに。好きなブランドは「イッセイミヤケ」で、ラインがきれいなレディースの洋服を着ることも多い。最近はサーフィンを始めたそう。 Instagram : @sumi_hayato <SALON DATA> SUMI/スミ 大阪市西区南堀江1-24-26 樹樹ガーデンアネックス1F HP : https://www.redpepper-design.jp/sumi/ Instagram : @sumi__osaka