わたしの独立物語 【irotoridori hair 西上 絵里沙さんの場合】
憧れの独立、開業。ヘアサロンの数だけ、その裏側には様々なストーリーが秘められているもの。 今回は開業して3年を迎えた、京都・大宮にある「irotoridori hair」のオーナー 西上 絵里沙さんに独立しようと思ったきっかけや準備期間のこと、そしてお店をオープンさせてからのことを聞いてみました。 教えてくれたのは… irotoridorihair オーナー 西上絵里沙さん スタイリスト歴8年目、岡山県出身。京都「femme」で勤務後、一度美容師の道から離れるも復帰。京都・大宮で2020年9月にプライベートサロンをオープンさせた。 ー 働いていたサロンを辞めようと思ったきっかけは? 元々独立をしようと思った訳ではなく、一度美容師という職業と距離を置きたいと思ったからですね。働いていたサロンが嫌だったとかでは無いですが、自分自身が美容師の仕事を疎かにしていると思うようになってしまったので。休みも少なかったし、レッスンもして夜遅くまで働いて、プライベートも無くて…。そんなことが少し嫌になってしまったのかな。とにかく一回休みたい、違うことも経験してみたいって思うようになって、携帯の販売職という全く違う仕事につきました。 ー 違う仕事を選んだはずなのに、また美容師の仕事に戻ろうと思ったのは? 携帯会社で働くようになって、同じ接客業だけど全然違うなって早い段階で気付きました。販売業って会社の利益が必要だから全てお客様の負担になるしかない。これって本当に幸せな仕事なんかな?って、それなら可愛くしてあげられる美容師の仕事の方が幸せだったんじゃないかなって思うようになってしまって。結局1年働いて「やっぱり違うので辞めます」って言いましたね。 ー サロンに就職する道ではなく、独立を選んだのはなぜ? 普通の会社員になったことで週休2日、勤務中の休憩時間も1時間しっかりもらえて、ほぼ定時に帰るという生活には最初なんて良い仕事なんだ!って感動したし、その生活を1年間も続けていると普通にヘアサロンでは働けないなって思うようになっちゃって。シェアサロンで働くしか無いかなって思っていた矢先に美容学生時代の友人から知り合いが店舗持っているし、やってみたら?って声をかけてくれて、そこからトントン拍子に色々進んでいきましたね。 ー 思い立ってからオープンまでどれくらいかかりましたか? 2020年の7月くらいに美容師に戻りたいと思って前職を辞めて、8月にはサロンの工事と並行して自分も美容師離れて1年くらい経っていたからリハビリのためにもシェアサロンで働いて…9月末にはオープンさせました。なので、3ヶ月くらいだったかな。工事は1ヶ月で済みました。 ー かなり早いですね! そういえば独立資金はどうやって工面しましたか? 声をかけてくれた友人が私に投資するという形で進んだんです。ちょうどその友達も自分の飲食店をオープンさせるタイミングだったので、国の制度を借りながら。スタートさせた当初は友達がオーナーという立ち位置だったんですけど、更新のタイミングで完全に独立しました。元々違う名前だったサロン名から今の「irotoridori hair」へ名前を変更したのもそのタイミングです。 ー お店作る上でこだわったのは? 店内の内装にこだわるのは限界があったので、気になるところだけやるという形で進めました。将来自分の好きなお店を作れたらいいかなって思ったので。それよりもカラー剤にこだわりたいと思っていて、京都ではあまり置いていないアドミオカラーをどうしても使いたかったんです。このカラー剤はしっかりと発色してくれて抜けた後も明るくなりすぎない。自分が個性的な色が好きなこともあって、そこに重きを置きたかったんです。 ー コロナ禍でのオープン、影響はありましたか? やっぱり一人だと大変? コロナ禍って大型店舗は影響が強かったと思いますが、私の店では1対1で施術する完全プライベートサロンとしてオープンしたことが逆に良かったみたいで、意外と打撃は少なかったですね。コロナ禍で逆に良かったのかも。基本的に一人の方が楽だと感じていますが、ブリーチとか特殊パーマの時はアシスタントが欲しい!って思うこともありますね。笑 ー 集客はどうやって?? 一番多いのはやっぱりホットペッパーとminimo。あとは良く飲みに行くので、その場で仲良くなった人とかが、私の髪を見てやって欲しいって言ってきてくれたり、友達が行ってあげてよって声かけてくれた方が本当にきてくれて、そこから通ってくれるようになったり。意外と飲み歩くことが営業につながっている部分もあると思います。 ー 最後に今後のビジョン教えて! 今の場所から次の更新のタイミングで引っ越そうと思っています。完全プライベートサロンを変えるつもりはないですが、もう少し広い場所でやりたくて。自分のお客様も主婦層の方が増えてきて、お子様と一緒にこれるようにキッズスペースを併設したいなと考えています。あとは、スパ技術をもっと磨いて本格的なスパメニューもできるようになりたい。昨年が更新年だったので、残りの2年で今後のために色々整えていきたいですね。 美容師から携帯の販売員、そして独立…紆余曲折を経て今のカタチを楽しんでいる姿がとても印象的でした。貴重なお話ありがとうございました! <SALON DATA> irotoridori hair /イロトリドリヘア 京都市中京区壬生坊城町66-23 1F Instagram : @erisa_irotoridori